中国では値段とサービスのクオリティが比例しないのはなぜか。3つの理由から考える
くまてつさんのnoteに、タイトルだけで笑ってしまいました(内容も面白かったのですが)。これ、中国あるあるです。
何があるあるかというと、「値段とモノ・サービスの値段が比例しない」ということです。むろん、日本でだって「なんでこれがこの値段なんだよ」ということは起こりえるかとは思いますが、中国はよりそういうことが起こる傾向が強いことは言えます。
今日はこれについて書いてみます。
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たとえばくまてつさんも書いている美容院でのヘアカットですが、中国でチェーンの美容院などに行くと、多くの場合「58元の美容師」「98元の美容師」「148元の美容師」などと美容師が価格によってランク付けされています。店に行くと、「どのランクの美容師にしますか」などと言われるのですね。
僕は異常中年男性なので最低限の身だしなみさえできていればといいや、といつもその店でいちばん安い美容師さんを選ぶのですが、たまに「ちょっと高い人にしてもらったらどうなるんだろう」と、上のランクの人を頼んでみたりします。しかし、これもくまてつさんのnoteと同じですが、上のランクの人にしたからといって特別に腕がいいとか、細かい要求を聞いてくれるとか感じたことはほとんどありません。
そのほか、食事なんかもそうです。高いレストランでも「なんじゃこりゃ」という味のところがあります。むろん、高ければ高いほどおいしいものに出会える確率自体は基本的に高くなるのですが、どうも単純に比例していません。たとえば客単価100元のところと300元のところを比べて、100元の方が全然おいしいなんてことがごく普通に起こりますし、日本よりもその頻度が高いような気がします。
「美容師の腕前」や「レストランの味」のような主観で評価が決まるものに限らずとも、たとえば50元で買ったパンツがすぐ破れて、20元で買ったパンツが全然破れない、なんてことは日常茶飯事です。
それどころか、タオバオなんかを見るとまったく同じTシャツの値段が3倍くらい開いている、なんてことがあります。日本でも同じモノの価格差はもちろん時と場所によってありえますが、ここまで極端ではないと思います。
とかく、中国においてはモノの値段が一律でなく、同様のモノ・サービスでも値段に開きがあったり、高いからといっていいものが手に入るとは限らない側面が強くあります。
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どうしてこうなるのか、3つの理由を仮説として考えてみました。
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