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コンビニでキレる外国人男性を、あまり他人事とは思えなかった話

ネットでバズっている、とある動画のことを知りました。動画へのリンクを直接貼るのがはばかられるので、その内容を文字で説明します。

・場面は日本のコンビニで、初老の外国人男性が店員に対して怒鳴り散らしている
・男性はお酒を買おうとしたが、明らかに成人を超えている自分が年齢確認を求められたことに、たいそう腹を立てている
・レジの机やアクリル板を叩くなど、かなり興奮している様子
・「自分は日本に来て40年だけど、日本が大っ嫌い」「お前らはロボットか? 自分で考える頭はないのか?」と、店員に罵詈雑言を浴びせる

どんなものか気になる人は、自分で探してみてください。たぶん「コンビニ 外国人 キレる」とかで検索すればすぐ見つかると思います。

この動画はもちろん日本で話題になったものですが、僕がこの動画を初めて見たのは、嫁が見ていた中国のショート動画SNSでした。そこにはご丁寧に、中国語の字幕までついていました。もちろんコメント欄にはこの男性に対する非難(と、ごく少数の日本叩きをしたい人による「よくやった」的な賛辞)で溢れていました。

いまどきはネットに「やらかし」が世界規模で拡散されてしまうといいますが、それが比喩ではなく本当に起こることなのだと再確認させられた気分です。改めて、自分の日々の行動には気をつけなければと思う次第です。

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さてこの男性の振る舞いですが、当たり前ですが褒められたものではありません。

晒しあげられ、世界じゅうのネット民から叩かれる対象になったのは多少気の毒ですが、かといってその行動に問題がないと言い切るのもおかしいようなことを、男性はしてしまっていると思います。

たとえそのルールがいくら意味のないものに思えたり、自分から見て受け入れがたいようなものであったとしても、それは目の前にいる人に罵詈雑言を浴びせていい理由にはなりません。ましてや机などを叩いて威嚇するなど、いい大人がとっていい態度ではありません。対応する店員さんは生きた心地がしなかったでしょう。

その意味で男性のとった行動は、擁護しがたいものではあります。

——しかしいっぽうで異国に暮らす人間として、男性がそうして爆発してしまう気持ちの1%くらいは、わからないでもないと思う自分もいるのです。

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