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中国でのユニクロ炎上に、言語の伝言ゲーム的難しさを見る
中国でユニクロが炎上しているのをご存知でしょうか。
一部では不買運動なども起きているようです。ネットでの盛り上がりが中心なのでリアルへの影響は薄そうですが、なんかずっと燃えくすぶっているなという印象です。
きっかけは、BBCによるファーストリテイリング社長の柳井正氏へのインタビューです。このインタビューで、柳生氏はユニクロの製品に新疆ウイグル自治区で生産された綿花を使用しているかを聞かれ、「使っていない」と返答しました。
インタビュアー:新疆綿の問題が数年前に話題になりました。柳生さんは政治について中立なので中立なので答えられないと当時おっしゃっていて。今、実際に新疆ウイグル自治区から買った綿花を使っているか、お答えいただくことは可能ですか?
柳井氏:それは使っていませんし、どこの綿っていうことを言ったとしても……まあ、これ以上言うと政治的になるんでやめましょう。
「数年前に話題になった新疆綿の問題」とは、中国における新疆ウイグル自治区のにおいて、中国政府による現地の人々への深刻な民族迫害や人権侵害に対する懸念がアメリカを中心に表明されたことを指しています。
中国としてはこれを「新疆に人権問題など存在しない」「中国を陥れようとする西側諸国によるデマ、陰謀」としてこれを一蹴。民間の方でも「デマ」に踊らされて中国に仇をなそうとする外国企業をボイコットせよ、という機運が高まり、新疆綿の生産における強制労働に懸念を発表していたH&Mなどの企業が実際に影響を受けました。
ユニクロはそんな中でも新疆綿の使用に関して明言を避け、これまで大きな問題にはなっていなかったのですが、このたび柳井氏の発言により、「なぜ中国の綿花を使わないのか! 西側諸国の手先め!」ということで反発を受けた、ということです。
なんというか、中国で商売をするのはたいへんですね。
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ただ、そんな事件のあらましとは別に、この騒動について興味深かったことがあります。それは騒ぎが大きくなった一因として、複数の言語を介した伝言ゲーム的な誤解の存在があったかもしれない、ということです。
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