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日本人はいま、中国に来るべきではないのか?

先日のマガジンに、こんなコメントをいただきました。

私は2014年〜2018年の間に上海にいました。また戻りたいなと思い、現地の仕事を探してます。身内が上海にいるということもあり心強いのですが、最近、上海の知り合いは「今はまだ上海に来る時ではない」とほとんど皆言ってます。もう10年前とはそんなに変わってるのでしょうか。。確かに今回のような事件があったり、日本人の失踪事件もあると聞きました。私は早くまた上海行きたいですが、今回華村さんの記事みて、やはり行くべきではないのかと悩んでます。

いま中国に来ることは、人生の選択として正しいかどうか。中国に行ったら危ない目に遭うんじゃないだろうか。そんなことで悩んでおられるようです。

僕の記事を見て悩み始めたということなので、責任を取るためにも「いま中国に行くべきかどうか」ということに自分なりに答えてみたいと思います。もちろん最終的な選択はご自身の決めることですが、少しでも考える助けになればと思います。

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まず、ほぼ間違いなく日本人がターゲットとなったであろう事件が続けて起きている中で、日本人が中国に来る(旅行などではなく、長期で滞在する)ことを強くおすすめはできない、と言わざるを得ないのが現状ではあると思います。

10年ほど前にすでに中国の滞在経験があるということで、表面的な雰囲気自体はそれほど変わっていないとは思いますが(上海であれば当時すでにかなり発展していたでしょうし)、日本人であるということで何らかの被害にあったり、嫌な思いをしたりということが起きる確率は上がっているとは思います。

また、経済的・キャリア的な観点から見ても、いま中国を選ぶというのはあまり良い選択ではないかもしれません。景気は低迷し、日本のような長い停滞期にの入り口に立ったと目される昨今、大きく浮上するチャンスは掴みにくくなってもいるでしょう。少なくとも、以前のような上り調子や、イケイケな感じは見られません。お知り合いが「いまは来るべきではない」と言っているのには、そのような意味合いも含まれているのではないかと思います。

僕がよく話す在中日本人の間でも、中国からいつ撤退するか、という話が目立ちます。実際に帰った人もいます。コロナと円安をきっかけとした日系企業の撤退も多く、例の事件を機にさらにその流れは強まるでしょう。

このように、いま日本人として中国を目指すということは、あらゆる意味で流れに逆らうような行為であることは否めません。

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ただ、そのような逆風があるからといって、ただちに日本人が中国に行くことを諦めるべきだとも、僕は思わないんですね。以下は、今だからこそあえて中国に行く、ということの利点や強みについて書いていきたいと思います。

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