見出し画像

最近のしょうもない中国ニュース3連発

※この記事は無料で最後まで読めます。普段は定期購読「中国を言葉にするマガジン」を月〜金、週5回更新しております。よろしければ、クリエイターページマガジンページから過去の記事などをご覧ください。

最近、独裁がどうとか天安門事件がどうとか壮大すぎるテーマを扱いすぎていて、どうにも疲れてきました。たまにはもっとしょうもないものを扱ったほう
が、書くほうも読むほうもリラックスできるんじゃないか。

ということで、最近のニュースだけど薬にも毒にもならない、ちょっとクスッとなるような中国のニュースを3つほど紹介したいと思います。軽い気持ちで読んでください。

①メッシ入国拒否事件

アルゼンチンのサッカー選手、メッシが中国への入国の際、空港で足止めを食らったというニュースです。氏は北京での親善試合のために中国を訪れました。

足止めを食らった原因は、パスポートにありました。氏はアルゼンチンとスペインの国籍を保持しており、両国のパスポートを持っています。以前にスペインのパスポートで台湾にノービザ入国した経験があり、中国でも同じだろうと思っていたということです。「台湾は中国じゃないの?」と入国審査官に話す氏の姿をとらえた映像なども出回っています。

いやはや、おそらくは中華圏でも随一のセンシティブな問題に土足でズケズケ踏み込んでいくあたり、さすがは土足文化の国の人といったところでしょうか(クソデカ主語)。というか、本人がコレなのを入国のその時まで放置していたなど、マネージメントとか周囲の人々は何をやっていたんでしょう。普通に無能すぎると思うのですが。

ちなみにその後ビザを発行して無事に入国できたメッシさん、15日の親善試合ではグラウンドに乱入してきた中国人のサポーターに抱きつかれるなどという不運にも見舞われています。サッカーが国民的人気の中国では英雄扱いのメッシですが、中国を嫌いにならないといいですね。

②ネズミかアヒルか事件

※お食事中の人、汚い話題が苦手な人は注意しながら読み進めてください。

今月の1日、江西省のある学校の食堂で、学生がご飯を食べていると、中から異物が出てきました。あろうことかその異物は、ネズミの頭のような形をしていました。学生が食堂のおばちゃんにコレはなんだと問いただすと、おばちゃんは「これは鴨脖yabo(アヒルの首)よ」と悪びれもせず答えました(アヒルの首自体は、中国では普遍的に食べられているものです)。

納得のいかない学生は、その様子をSNSにアップロードしました。すると当地の市場監督管理局が調査を実施することとなりました。そして専門の検査機関を交えた調査の結果、異物は間違いなくアヒルの首である、という結論が出ました。なんと、おばちゃんの主張が正しかったということになってしまったのです。その後学校側は、「アヒルの首でした」という声明を発表しました。

しかし、出回った動画に写っていた異物がどう見てもネズミに見えたことから、その後もネットでは「あれはやっぱりネズミではないのか」という議論が紛糾し続けました。

そのうち「これは間違いなくネズミだ」と述べるげっ歯類の研究家が登場したり、悪い文脈で名前が出まくったせいでアヒルの加工食品を扱う会社の株価が下落するなど、騒動はあらゆるところに波及しました。発生から半月がったいまの時点でも、SNSではこのトピックにそこそこの量の投稿がなされています。

なんというか、このニュースで14億人が紛糾できるんだから、中国もなんだかんだあるけど結局は平和なんだなあと思わせてくれます。

あと、僕はこのニュースを知った時から「ネズミよりだいぶマシとはいえ、アヒルの首だったからといって異物混入がセーフということにはならんやろ」とずっと思っているのですが、14億人のうちそこにツッコんでいる人は皆無のようでした。

③猫愛好者、アタマから飯ぶっかけ事件

こちらは大きなニュースでもないのですが、気になったので取り上げます。

これに関しては、まず事件の概要と翻訳を見てください。

6月13日,天津大学 网传一名女生将饭扣在一名男生头上。据男生朋友称,当时三人在讨论猫咪拉屎很臭。并称自己在追上前讨要说法时被女生扇了巴掌。之后警察到达现场处理,女生赔偿了300元但是没有公开道歉。

6月13日、天津大学で、ある女子学生が男子学生の頭の上にご飯をかけたという話がネットで伝えられた。友人によると、当時男子学生は友人たちと「猫のフンって臭えよな」と話していたところだった。また、文句を言おうと追いかけたところ、平手打ちをされたという。その後、警察が駆けつけて対応し、女子学生は300元の賠償金を支払ったが、謝罪はしなかったとのことだ。

……みなさん、意味が分かりますか? あまりの脈絡のなさに、翻訳が間違っているんじゃないかと疑った人も多いかと思うのですが、何回見直してもこういう翻訳になります。僕自身も自分の中国語力が疑わしくなってくるほどです。

簡単にまとめると、「「猫のフンって臭いよな」と談笑していたら突然後ろからメシをぶっかけられ、問い詰めようとすると平手打ちをされた」ということのようですが、こうしてまとめてもやっぱり意味がわかりません。

別のニュースソースによると、どうやら女性は動物愛護主義者であり、猫のことを悪く言われたからカッとなってやった、と話したとあります。……理由を聞いてもわからん。

いちおう背景になりそうなこととして、近年の中国ではペットの流行などに伴って動物愛護主義がSNSを中心に急速に広がりを見せているものの、一部の極端な考えの人が悪目立ちすることで、一般社会から忌避される例が増えているらしい、というのは見聞きしたことがあります。

この例も、そうした極端な動物愛護主義者のやったことではないかと見ることもできますが、それにしてもなんで突然知らない人の頭上にメシをぶっかけるなんてことができるのかわかりません。

中国で起こることは、どうにもエキサイティングです。

+++++

以上です。楽しんでいただけたでしょうか。暗いニュースの多い中国ですが、こういうB級なニュースももちろんたくさんあるので、積極的に紹介していければいいと思います。

では今日はこのへんで。また来週もお読みください。

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 300

いただいたサポートは貴重な日本円収入として、日本経済に還元する所存です。