中国が衰退したら、日本も困りますよ
昨日こんなツイートをしたところ、妙に伸びてしまいました。
伸びたことはありがたい反面、ちょっと意図していない方向というか、それでいいのかなという盛り上がりをしてしまったことを少し苦々しく思いました。
というのも、どうやらこれらのツイートは「フェミニズムが日本から輸出されて少子化!中国オワタwww」というような文脈で伸びてしまったようなのですね。たしかに上のツイートはそのようにも読めます。
僕は別に中国を衰退させよと言いたかったわけではなく、フェミニズムないし上野千鶴子イズムが中国に渡り、それが危険思想とみなされて規制されたり、弾圧がむしろ反発を生んで法輪功みたいに一大勢力になったらなんかドラマチックで面白そうだよね、というようなことを言いたかったのでした。
とまあ、言い訳のようなことを書いてみても、そう読まれて広がってしまったものは仕方ありませんし、広めた人が悪いわけでもありません。自分の筆力のなさを反省しつつ、ネットに何事かを書くときはやはり気をつけないといけないなあ、と改めて思い知らされた次第です。
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中国におけるフェミニズム、というか上野千鶴子ブーム(マジで本屋が上野千鶴子だらけになっています)に関してはまた日を改めて書くとして、今日書いておきたいのは、「中国の衰退」に快哉を叫びそれを喜ぶ人が一定数いるというのは、果たしてそれでいいのか? ということです。
中国がのっぴきならないことをする国であり、そこに反感や不気味さを感じるのはわかりますし、実際に中国にはそう思われても仕方がない部分もあります。しかしそれは中国が衰退したからといって解決する問題ではないし、むしろ衰退したら日本も少なくない影響を受けるんじゃないの、そっちの心配も必要なんじゃないの、ということを思うのです。
今回は、僕自身がむしろそうした「中国衰退期待論」の小さな中心になってしまったことの罪滅ぼしというか、責任を取るつもりで、中国に元気がなくなったら日本も困りますよ、ということを自分なりに書いてみようと思います。
輸出相手がいなくなる
仮に中国が少子化で衰退の一途を辿り、亡国寸前になったとしましょう。少子化ということは人口が減り、消費がなくなって経済が回らなくなるということです。それはもちろん中国自身にとって大きな問題ですが、同時に中国にモノを買ってもらっている国、つまりは輸出をしている国もお客さんを失うことになるわけです。
ここで日本の輸出相手国を見てみましょう。中国はアメリカと並んで、日本にとって最大の輸出先です。
中国の衰退は、日本にとっていちばんの上客を失うことに直結します。
「他の国に売ればいい」という意見もあるでしょうし、実際中国への依存度は輸出・輸入ともに減らしていったほうがいいとは僕も思います。しかし、かといって新しい国を開拓するのも、既存の相手国に新たにモノを買ってもらうのも簡単ではありません。そうでなくとも中国はこれまで消費意欲が旺盛で、日本のモノをバンバン買ってくれていたのですから。
なので「中国衰退wwざまあwww」と考えている人は、それがダイレクトに日本に跳ね返ってくることをもう少し意識したほうがいいのではないかと思います。
大学が保たなくなるかも?
中国が少子化で衰退したら、必然的に日本に来れる経済力を持った中国人も少なくなるでしょう。それも日本にとってあまり良くないことのような気がします。
日本も少子化にあえいでいるわけで、外国から少しでも人に来てもらわないといけないというのに、その点においても最大の相手国(去年の時点で日本にいる中国人は74万人で、国別のトップの数です)から来てくれる人が減るというのは、決してよいことではないはずです。
特に心配なのは大学です。こちらのサイトによると、日本にいる中国人留学生は令和2年の時点で約12万人。これだけの数が日本の大学(あるいは語学学校)に通い、授業料や家賃を払いながら生活しているのです。彼らは日本の大学やその周辺にお金を落としてくれているわけです。
少子化のせいで立ち行かなくなりそうなところを、留学生でなんとか穴埋めしているような大学も多いことでしょう。逆に言えば、彼らのおかげで日本の若者が教育を受けられているという面もあるはずです。そんな中である意味では留学生の最大の「供給元」である中国からの留学生が減ったら、日本で高等教育が受けられる場所がどんどんなくなっていくかもしれません。それも、どう考えても日本の損失です。
むしろ有事が起こるんじゃないの
経済や人の直接的な結びつき以外でも、中国の衰退によって日本が影響を受ける可能性は非常に大きいと思っています。
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