WeChatのボイスメッセージを巡るあれこれ。中国も忙しくなったなと思う話
中国でメッセージのやり取りをするためのスマホアプリとして、もっともよく使われているのがWeChat(微信)です。日本でいうLINEのような立ち位置で、定番アプリといっていいでしょう、
そのWeChatには、ボイスメッセージの機能があります。
送る側はボタンを長押ししている間に声を吹き込み、相手側はその録音を聞けるというものです。LINEにも同様の機能がありますが、日本ではあまり使われていないらしいのに対し、中国ではこのWeChatのボイスメッセージはけっこう頻繁に使われます。
これ、外国人としては結構困ることが多いです。メッセージを音声で聞いてもうまく聞き取れなかったり、意味がよく理解できなかったりするからです。相手の言いたいことがわかるまで、何度も聞き直さなければならない場合もあります。
相手が外国人でもお構いなしにボイスメッセージを送る人というのは結構いて、中国語がおぼつかないころには苦労しました。人によって喋り方に訛りやクセがあったり、「那个〜」というフィラー(日本語で言う「あの〜」)が多かったりすると、その難度はさらに上がります。文字で打ってくれればすぐわかるし、なんでわざわざ音声で送ってくるんだろうと不思議に思っていました。
当時、なぜ中国の人はボイスメッセージを送る人が多いの? と周囲の中国人に聞いてみたところ、返ってきた答えは以下のようなものでした。
①は分かりやすいですよね。文字をポチポチと打つよりも、声で一気にバーっと喋ってしまったほうが入力が早く、時間を節約できます。
②は、日本でもたまに要件をやたらと電話で伝えたがる人がいますが、それと同じかもしれません。ニュアンスまで含めて伝えるには、文字よりも声のほうが早いということでしょう。
③については、普段話している普通話(標準中国語)を言葉として理解することはできても、その発音を体系化したものであるピンイン(拼音)を知らない、あるいは曖昧にしか覚えていない人は数多くいます。地方出身・在住で普通話を使う習慣があまりない人や、普通話が普及した頃にはすでに教育を終えていた高齢者などがその中心です。
通常、PCやスマホの中国語入力にはこのピンインを使うので、ピンインを知らなければ文字の入力は難しいということになります。手書き入力など他にも入力方法はありますが、結局は時間がかかるので、そういう人の選択肢はおのずとボイスメッセージに限られます。
そんなわけで、中国ではボイスメッセージを多用する人が多い、ということでした。
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……と、いう印象だったのですが。
どうも最近ではこのボイスメッセージが、若い人を中心に使われなくなってきている、あるいはそれが送られてくることを嫌がる人が増えている、という話を耳にしました。
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