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中国の公共交通に残る、社会主義っぽさ? の話

嫁の実家に来ております。

中国の田舎の温かみに触れてほっこりしたり、外国人としていろいろな習慣に合わせながらここに存在しなければならないプレッシャーで疲弊したりしています。ちなみにほっこりと疲弊の割合は1:9です。どちらが1でどちらが9かは、聞かないでおいていただけると助かります。

義実家には高速鉄道で移動したのですが、その時に感じたことの話を。

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この時期、中国の高速鉄道(日本の新幹線のようなものだと思ってください)のチケットを取るのは非常に困難になります。いわずもがな、里帰りをしたい大多数の人々がチケットを買おうと殺到するからです。チケットは売り出した瞬間にほぼ全線売り切れ、キャンセル待ちを巡っても苛烈な争奪戦が始まります

我が家でも今年は全然チケットが取れず、いろんなアプリを試したりツテを頼りまくってようやく手に入れました(別に取れなくても僕は困らないし、「チケットが取れなかった」と言い訳ができるからそれでもよかったのn……いえなんでもありません)。

そんな苦労の末に取ったチケットですが、実際に高速鉄道に乗ると激混みというわけではありません。中国の高速鉄道は基本的に全席指定で、何らかの事情で席がない人が1車両に14、5人くらい、地べたに座っている程度です。

人がギュウギュウでなくて快適なのはいいのですが、ここで一つの疑問が浮かびます。それは、どうせ席がなかろうが乗りたい人は山ほどいるのだから、少しくらい席なし(立ち)の人にもチケットを発行すればいいのではないか?ということです。

もちろんあまりにたくさん認めてしまうと車内が無秩序になるので線引きは難しいですが、そうしたほうが鉄道会社は儲かるじゃないかと思うのです。

実際、中国の高速鉄道はとんでもない赤字だと聞きます。普段は利用者がそれほどいないのがその大きな理由ですが、だとすればなおさら春節のかき入れ時くらい商売っ気を出して、もっと客を乗せようとしても良さそうに思えます。でも、実際にはそうなっていません。

もっとそもそもの話をすれば、高速鉄道は利用料金もそれほど高くありません。僕の住んでいるところから嫁の実家までは高速鉄道で3時間くらいですが、その料金は280元程度で、円安の今でも5600円くらいです。日本の新幹線だと3時間で東京から金沢まで行けますが、その料金は14,000円程度です。

かように、中国の高速鉄道には商売っ気がありません。

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こういう商売っ気のなさは他の公共交通、たとえば地下鉄やバスなどにも感じることがあります。

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