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中国に暮らして、「プレゼンなどに使うファイル」をどう呼んでいいかわからなくなってしまった件

こんなことをつぶやいたところ、思いがけず多くの反応がありました。

意味がよくわからない人のために説明すると、「PPT」というのは中国の人がPowerPointなどで作ったプレゼン用のファイルのことを指す時に使う語彙です。おそらくは拡張子の「.ppt」(現在の主流は.pptxですが)から取られたのでしょう。「明天之前提交你的PPT」(明日までにPPT(=プレゼンファイル)を提出してください)などのように、中国語文のなかにごく自然に入れ込んで使います。

中国語にはソフトの略称や拡張子などが一般名詞化し、そのまま「そのソフトで作成したファイル」そのものを指すように変化している例がいくつか見られます。たとえばAdobe Illustratorで作られたファイルは「AI」と言いますし、Photoshopで作られたものは「PS」と言われます。どちらもおそらく、 ソフトウェアのアイコンに書かれたアルファベッドが由来ではないかと思われます

余談ですが「PS」に関しては、Photoshop大国である中国においては名詞化どころか動詞化までしており、「Photoshopで画像を加工する」ことを指す場合もあります。「請PS一下」などといえば、それは「フォトショで画像を加工してください」という意味になります。

余談はさておき、冒頭のツイートの意図は、本来中国でしか通じないであろう「PPT」を日本人相手に使ってしまった、ああ僕も中国語的な表現を日本語会話に混ぜて使う中国語版ルー大柴のような存在になりつつある……ということでした。

このツイート、最初は同じく中国在住者や滞在経験のある人などから、自分もやっちゃったことがある! というような「あるある」的な文脈で受け入れられていたのですが、やがて「自分も普通に(日本人どうしでも)PPTって使うよ」というような意見がちらほら届き始めました。

そのあたりから、「あれ? そういえばプレゼン用のファイルのことを、普段はなんて呼んでるんだっけ?」と、急に自信がなくなってきました。

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