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日本人と中国人、どちらがよく働くのか

先ごろ熊本に工場を建てた台湾の半導体大手・TSMCが、「日本人は想定より働かない」といって全国の爆笑をかっさらっている件。僕ももれなく爆笑しました。

たぶん想定している日本人像が30年くらい前のイメージなんでしょうね。昔は「24時間働けますか」というフレーズができるほどよく働いた日本人ですが、その後の日本は長い経済停滞期と、近年の「ブラック企業撲滅」「働き方改革」の波を経ました。その中で「モーレツ社員」的な働き方は過去のものとなり、ワークライフバランスを大事にするようになりました。

一方で当のTSMCは、とんでもない「モーレツ」を従業員に課しており、リアルに寝る間も惜しんで仕事に没頭しなければならない環境のようです。そりゃあワークライフバランスなんて言ってる日本人が腑抜けに見えるでしょう。

あと台湾というか東アジアっぽいなと思ったのが、「博士を取得した日本人ならもっと働くだろう」といって博士人材を集めようとしているという点です。

博士に進んだという時点でその人物が一定以上の能力と、なにより「高み」を目指すハングリー精神を持っていることの担保となる、という考えなのでしょう。いかにも学歴至上主義の強い中華圏っぽい考え方です。もっとも、それが日本にまで適用可能かはわかりませんが(日本だとむしろゆっくり研究に没頭したいとかの理由で博士まで行く人が多そうですが……)。

とにかく、いろんな側面からいまの日本と中華圏の「働く」ということへの見方の違いを示すニュースで、大変楽しませていただきました。

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さて、台湾については僕は解像度の低い話しかできませんが、自分が住んでいる大陸中国のことならわかります。

中国から見ても、いまや日本人よりも中国人の方がよく働くんじゃないか? と見える場面はままあります。

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