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褒めておけばいい気になってくれるチョロい国の人々の話

少し前にこんなツイートを見て、大爆笑してしまいました。

日本に住む中国人が、メイドカフェ的なところで働いている日本の女性に話を聞いたところ、中国人のお客さん用に会社から覚えさせられた中国語のフレーズがあるというのです。

いわく、お客さんの中国人のおじさんとTikTok(正確には本国版の抖音)の撮影をすることがあるそうで、そのフレーズを使うと動画がバズるし、お客さんが喜ぶので積極的に使っていけ、という指示のようです。

そのフレーズとは、こんな感じです。

・中国真的太棒了(中国はほんとうにすごい)
・中国越来越强大了(中国はますます強くなっている)
・小日本的西瓜太貴了(小日本のスイカは高すぎ)
・日本的男人太小气了(日本の男はケチすぎ)

女性はこれらの言葉を暗記しているそうです。意味はよくわかっていないけど、これを言うとお客さんが喜ぶのでとりあえず使っている、といいます。

スイカが高いうんぬんはともかく(ちなみに中国ではスイカがべらぼうに安いのは本当です)、中国人の前ではとりあえず日本をサゲて中国をアゲておけば喜んでもらえる、というライフハックが開発されているとは驚きです。

メイドさんたちにはぜひこのスキームを活用して、中国のカネが無駄に余っている層から外貨をがっぽり日本に落としてもらいましょう。

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中国人はもともと自国を褒められるのが大好きです。その傾向は、これまで経済・国力が上り調子だったここ10年ほどでより強まったと言えるでしょう。

特に「外国人が中国を褒める」というのにはコンテンツとしての一定の需要があり、SNSなどでは定期的にそうした動画がバズっています。

あるいは、中国で大きな人気を持つ「ドキュメンタリー」監督の竹内亮さんによる作品群などもその一種と言えるでしょう。氏は「本当の中国の姿を伝える」として中国の優れた面を全面的に押し出した作品を多数打ち出し、「中国でもっとも有名な日本人」にと呼ばれるまでになりました。

その「ドキュメンタリー」としての中立性や、そもそも作品としての面白さがどうであるかはいったん脇に置いておくとして、氏の作品は中国における「外国人が我が国を賞賛する」というコンテンツに対する需要に、愚直に応えたものといえるでしょう。

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さてここまで読んで、これとよく似たことをしている国があることにお気づきの方も多いでしょう。

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