丁寧っぽく見える食生活 その3:カスレはフランスの芋煮?の巻
カスレ。あまり聞きなれないメニューかもしれない。僕にとってもそうだった。
とある店で初めて食べたカスレは、鴨肉とソーセージがほろほろの豆と一緒に煮込まれた料理でシンプルながらとてつもなく美味かったのを覚えている。
しかし、別の店でカスレを見かけて頼んでみると、あれっ?となるくらい別物のものが出てくることがあった。トマト味のもの、骨付きの鶏肉が入ったもの、、、さまざまだ。
同じメニュー名でこんなにいろんなバリエーションがあると、カスレとはなんぞや?と思ってしまうのだが、共通項を探していくと、①煮込み料理である②豆はマスト③肉が入っている、種類はいろいろで、何種類かの肉を組み合わせるのもあり④香味野菜の風味が効いているといったところか。
さらに、ネットで調べてみると、カスレというのはカソール(キャセロール)という土鍋で肉と豆を煮込んだ料理ということですね。フランスの南部の郷土料理で、その起源には諸説あるよう。
どこが元祖かの論争があったり、いろいろと謂れはあるようだけど、結局のところは豆をいろんな種類の肉と香味野菜と一緒にくたくたになるまで煮込んだ料理ということだ!そして、これを家でテキトーに作ってみると、簡単なのにいかにも素朴なフランスのおふくろの味という感じがして、とても美味しいのです。
本気で作る時は鴨肉や骨付きの鶏肉、高級なソーセージを使ったりもするが、今回は一番簡単で素朴で美味いやつを作ってみよう。
材料
・乾燥レンズ豆 1カップ
・玉ねぎ 1個
・にんにく 3片
・ソーセージ 160g
・切り落としハム 120g
・白菜 1/8くらい
・塩 適量
・胡椒 適量
・白ワイン
まずは乾燥レンズ豆を水で洗いましょう。ボウルに豆を入れて米をとぐような感じで、軽く豆を水の中で踊らせて、2回くらい水を換えたら、ひたひたの水に浸して放置。時間は適当。この後、他の具材を切ったり、炒めたりするので、その間放置しておけばOK。
お次は玉ねぎをみじん切り、にんにくを包丁で適当につぶしておく。鍋にオリーブオイルを大さじ2入れて鍋が温まったら、玉ねぎとにんにくを中火で炒めていこう。そうだ、ここで塩をひとつまみ入れておくかな。
玉ねぎは別にきつね色とか炒め具合にこだわらなくてもいいと思う。適当に行く。
その間に肉を用意する。今回は楽ちんなレシピということで、加工肉オンリーでいこう。冷蔵庫に残っていた上等な肉屋のハムの切り落としとどこのスーパーでも売っている一般的だけど最高に美味いソーセージを用意してみた。薄切りのハムだと味気ないので塊のハムやベーコンを用意できるといいと思う。
ハムは適当に食べやすそうなサイズに切ったらいい。ソーセージは斜めに真っぷたつだ。鍋に入れて炒めていこう。
全体が馴染んだら水に浸しておいた豆の水気を切って鍋にぶち込もう。でもって、白ワインを入れてしまうかな。
最後に白菜。今回は1/8くらいざく切りにして入れてみたけど、別に1/4入れたっていいし、1個入れたって、入れなくたっていい。
レシピに適当が多いと思うでしょうが、適当に作っても美味しくなってしまうんだからしょうがない。
ここからは長期戦だ。ただし、手間はかからない。具材がすっぽり隠れるくらい水を加えて火を強めの弱火くらいにしてひたすら煮込んでいこう。水が減ってきたら加え、減ってきたら加えを繰り返して、豆が舌と上顎で押し潰せるくらいの固さになったらちょうどいい。
最後に塩胡椒で味を整えつつ、ちょうどいい具合に煮詰めていこう。加工肉の塩分があるので、塩の量は味見をしながら好みで調整しよう。水気がほぼとんで、どろっとした豆のおじやのような具合になったら丁度いい。
さぁ食べてみよう。美味いなぁ、、
肉の旨み、野菜の甘みがほろほろに煮崩れた豆と絡み合う。非常にシンプルな味つけで素材の旨みが感じられる、滋味深い味わいだな。
あつあつを頬張ると体が温まる、、冬になると無性に食べたくなる味だな。
カスレ。ふと思ったのだけど、カスレはフランスの芋煮なのかな。いろいろと共通項は多い。
・地方の郷土料理(フランス南部/日本の東北)
・煮込み料理
・とろとろに煮込まれた主役食材(豆/里芋)
・いろんな肉を入れる(カスレは鴨鶏豚羊など、ミックスもあり/芋煮は牛豚鶏など)
・味のバリエーションが豊富(カスレは塩ベースやトマト/芋煮はしょうゆ、みそ、塩)
もちろん相違点はあるけど、これはもうカスレはフランスの芋煮と言っていいでしょうな。
フランスの芋煮ことカスレ。ぜひ冬に家で作って食べてみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?