隣り合わせの廃と青春43 「Dark」〜ナイトバルド〜
傲慢の塔の71+層。
テーマは「Dark(闇)」。
相変わらず、テーマと出現モンスターにはいまいち一貫性を感じられない。
※「ダークバーニングアーチャー(以下火弓)」、「ダークバーニングソルジャー(以下火剣)」、「ダークブラックナイト(以下BK)」「ダークサキュバスクイーン(以下SQ)」が出現する。
アーチャー、ソルジャー、ナイトと、なんとなくこのフロアのボスの騎士団をイメージしているのかもしれない。でもそれだとサキュバスクイーンが意味不明。コンセプトに合わせろよと思う。
このフロアは、事実上「まともに正面から」狩りが出来る最後のフロアである。
受けるダメージは大きく、火弓は遠距離攻撃してくるし、BKは足が速いし、SQなんてテレポートで追っかけてくる上に遠距離魔法攻撃を連打してくる。
それでも、SQからレアアイテム「サモンコントロールリング」(基本的にはボスからしか入手できない)を手に入れられること、81+スクはその希少性からかなり高額で取引されていたことから、狩りになるレベルのメンバーを揃えられるなら、そこそこ美味しい狩場なのである。
何より、ここまで辿り着けるようなグループなら、81+層にも挑戦したいはず。
しかし81スクは流通が少なく、売りがあっても争奪が激しく高額となるため、基本的には自分たちで稼がなければならない。
したがって、挑まざるを得ないのだ。
一方で非常にシビアな狩りになるので、狩りをする面子を揃えられなかった勢力のダッシュも増えてくる。
そして、このフロアのダッシュはかなり忌み嫌われていた。
なぜなら、テレポートして無限に追ってくるSQを階段に降りることで振り切ると、大量のSQが階段を登った場所にたまるから。
次に来るグループは、登った瞬間大量のSQに襲われてしまうのだ。
これは、前に説明したMPKの中でも激しめのもの。そんなわけで、この階層はとにかくいざこざが絶えなかった。
人と人を争わせる、リネージュというゲームを体現している場所の1つと言えるだろう。
さて、このフロアのボスは「ナイトバルド」。
紅い甲冑を着込み、大剣を担いだ騎士のような風貌はその名前そのものである。
※設定としては、次のフロアのボス「リッチ」を守護していた騎士団長だったらしい。100階に鎮座する傲慢の塔の支配者により魂まで支配され、永遠に傲慢の塔から出られなくなったものだ。
肝心の強さだが、おそらく51+層のマミーロードに迫り、傲慢の塔ボスランキングではダントツの2位だろう。
何が強いのか。
まず物理攻撃が強い。マミーロードほどではないが、攻撃速度が速く、一撃も重い。普通にポーションだけで耐えるのはかなり厳しい。
さらに、遠くにいる間は、騎士のはずなのに魔法「メテオストライク」で範囲攻撃してくる。
あまり威力が高くないのでまだマシな攻撃ではあるが、いちいちのけぞるので鬱陶しい。
そして1番やばいのが、BKの召喚である。それも複数体。これが非常に厄介だった。
BKのターゲットがナイトバルドのターゲットを背負ってるキャラに行ったら、ほぼ即死は免れない。
そして後衛に漏れようものなら、逃げるのに必死で前衛にヒールをする暇もなくなり、パーティーは崩壊する。
そんなわけで、BKの召喚に備えて、これらのターゲットを取って、ナイトバルドが倒れるまで引きつけるよう役目まで必要となる。
かような理由で、ナイトバルドを倒すのはなかなか大変だった。
しかし、倒すのが大変といっても、マミーロードのようにテクニックも何もないクソボスというわけではなく、プレイヤー各々にしっかりとしたプレイングが求められるなかなか良いボスだったとも思う。
だがしかし、それほど強い割には基本的にドロップが非常に渋いため、どうしてこんな調整をしたかわからないとずっと思っていた。倒すの大変なんだから、もう少し美味しくしてくれても…。
ちなみに彼も、ユニークアイテムを持っている。
「ナイトバルドのソード」。
損傷する、命中は良くないといった欠点はあるものの、当時のナイトの最強剣である。
当然ドロップ率は激烈凶悪に低く、後年(1年以上後)の公式のアイテム所持率調査でも、全ワールド(確か6ワールド)でも3本しか存在していなかったらしい。
ちなみに砂鬼が所持しており、私もたまに貸してもらって狩りしていた。
TOI80階層は、ボスも強ければ非常に難易度も高く、MPK等のTOIの醍醐味も詰まった非常に思い出深い狩場だった。
でも、もう少しナイトバルドのドロップを良くしてくれても…(しつこい)