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ロゴス論

「初めに,コトバがあった。コトバは神と共にあった。コトバは神であった」(ヨハネ伝1-1)
 


コトバとは何か?


 コトバの原語は,λογος(ロゴス)です。ロゴスとは,単なる言葉ではなく,本質的な意味であり,深層心理学的に言えば元型(意識と無意識の間で躍動するイメージ)です。あるいは,真理の諸相と言ってもいいでしょう。

8つのロゴス


 ロゴスとは,神の自己表現です。ロゴスには主に8つあります。モーゼによって体現された正義のロゴス,ゾロアスターによって体現された自由のロゴス,ソクラテスによって体現された思考のロゴス,釈迦によって体現された寛容のロゴス,孔子によって体現された秩序のロゴス,ピタゴラスによって体現された合理性のロゴス,マホメットによって体現された服従のロゴス,老子によって体現された調和のロゴスです。
 光と闇がぶつかる時,8つの色彩(色相環)が顕現するように,真理は8つの諸相を帯びて放射されます。

ゲーテ「色彩論」

根源的ロゴス


 8つのロゴスが合一する時,根源的ロゴスが顕現します。いや,根源的ロゴスによって,8つのロゴスが成立すると言ったほうが正確かもしれません。いずれにせよ,根源的ロゴス,ロゴスのロゴスとは,一種の普遍的人間です。聖書のいう「最後のアダム」であり,「人間であることが何を意味するかを完全に知っている人間」です。それは,愛のロゴスであるイエス・キリストです。
 全てのロゴスは愛のロゴスの諸相であり,全てのロゴスは根源的ロゴスに通じています。つまり,一つの宗教を完全に生きることは,宗教すべてを生きることに繋がるのです。宗教は一種の登山道です。ユダヤ教(モーゼ)という登山道があり,イスラム教(マホメット)という登山道があり,仏教(釈迦)という登山道があり,哲学(ソクラテス)という登山道があります。どの登山道を用いても,最後は「真理という名の頂き」に到達します。この頂きこそ,「内なるキリスト」です。
 イスラム教徒のスフラワルディーも,ヒンドゥー教徒のガンディーも,仏教徒の西田幾多郎も,哲学者のヘーゲルも,科学者のニュートンも,最後には真理の太陽キリストを認識しました。人間が到達し得る最高の境地とは,内なるキリスト性(Christ consciousness)に覚醒し,イエス・キリストのように生きることです。
 

以下は参考書籍です。

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