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価格戦略を知る者が「利益」を制す #5|コストの透明性

『価格戦略を知る者が「利益」を制す』
DIAMOND ハーバード・ビジネスレビュー編集部 【編・訳】
第5章 eプライシング:「コストの透明性」に打ち勝つ

ダイヤモンド社(2005/03発売)

「第5章eプライシング:「コストの透明性」に打ち勝つ」を、主観的にまとめています。価格戦略上、重要なポイントをさくっと理解したい人におすすめです。

第5章eプライシング:「コストの透明性」に打ち勝つ

要約| インターネットの普及により、コストの透明性がもたらされた。コストが見えることは、消費者にとっては大きなベネフィットとなる。他方、企業は、質の向上、創造的なプライシング、バンドリング戦略やイノベーションによる差別化戦略でブランドロイヤルティや利益率を維持する能力で対抗する必要がある。「コスト透明性」を正しく理解することが最初の一手となる。

『価格戦略を知る者が「利益」を制す』ダイヤモンド社(2005/03発売)

コストの透明性の脅威

インターネットは、ブランド力強化、プレミアム価格、高い利益率を実現できるツールである一方、容易な検索・比較検討、「コストの透明性」をもたらす。価格比較サイトやオンラインディスカウントストアの利用により、消費者は、商品のコストは商品価格から想定していたより安価であることを学習する。サプライヤーや商品の特徴・品質、消費者の意見、在庫情報なども容易に情報を取得できる。つまり、消費者は、メーカーの製造コストや小売り企業の卸値を想定しやすい環境にある。結果として、大きなプレミアムを乗せるプライシングは難しく、インターネットで得た情報を元に、消費者は小売り企業と交渉できるようになる。

  • 企業はリスクプレミアムを価格に上乗せできなくなる

  • 消費者は欲しい商品をより効率的に探し出せる

  • 買い手中心のプライシングと逆オークションで消費者は底値を知ることができる

  • ショッピングが非常に合理的になる

  • 市場別に異なるプライシングをしている企業に、コスト構造と価格方針の見直しを迫る

  • 収益よりも顧客基盤の拡大が重視され、顧客のコスト感覚を変えつつある

克服すべき4つの課題

  • 高い利益率を上げる能力が著しく損なわれる

  • 商品やサービスはコモディティ化する

  • 顧客のブランドロイヤルティが弱まる

  • プライシングに不信感をもたれ、企業の評判が傷つく

対抗策|価格の妥当性を納得させる

  • 実質コストを隠す|自分たちのブランド固有のベネフィットを広告宣伝

  • ニーズに応える|正当な価格=実質コスト+適正なプレミアム

1|プライシングの追求

コスト透明性への方策として、プライシングを追求することも考えられる。
プライス・ライニング
|顧客対応価格設定 ティアードプライシング/バージョニングとも。顧客のニーズに応えて、異なる商品・サービスとして、さまざまな価格で販売すること。
スマートプライシング/ダイナミックプライシング|市場環境や買い手ごとの個別対応にかかるコストの差、商品評価の差に応じて、市場ごとに価格を変える方法

2|ベネフィットの改善

質の改善|商品やサービスの質を競合他社より優れた状態に保つ。
バンドリング|個々の商品やサービスのコスト構造が見えにくくなる。
イノベーション|顧客の生活を向上させ、独自の新商品を提供する。

ISBN-10 ‏ : ‎ 4478502528
価格戦略を心理学で分析する。適正価格を科学的に導く。過当競争から抜け出す。「プライシング」は利益戦略である。
第1章 プライシングと消費者心理
第2章 新贅沢財のポテンシャル
第3章 価格シグナル戦略
第4章 価格戦争の正しい闘い方
第5章 eプライシング:「コストの透明性」に打ち勝つ
第6章 スマート・プライシングの技術
第7章 ポケット・プライス:真実の取引価格
第8章 プライシングの創造知

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784478502525



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