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【ぽっぽ的 就職に関する考察】


就職を再来年に控えた親御さんから
息子さんの就職に関するご相談を受けました。
個人事業者の私に就職の相談はいかがなものか?と思いますが
反面教師といいますか、そういう考えもあるのか?
という視点から見ていただければ幸いです


学生時代


「就職について」
学生時代の終わりころ私は就職について迷っていました

就職とは「安定」⇄「自由」のトレードだと思っていたからです

「自由でなくなる」とは
(転勤など)行きたくない→行かなきゃいけない。
(世界放浪の旅に)行きたい→行けない。

つまり、希望と現実が真逆になるという息苦しさ? 
みたいなものだと思っていました

学校の校則が大っ嫌いだった私にはこの「息苦しさ」が耐えられない程の苦痛に思えました

自分にとって何が大事なのか?
自由か? 安定か?

もちろん、両方同時に備わっている方がいいに決まっています

しかし、学生終わりの自分の手元には「経験」も「信用」も「土地」も「建物」も何も備わっていませんでした

仕方なく私は自由を売って安定を買うことにしました

「自由とは時間である」
と言ったのは誰だったか

「自分のために自由に使える時間を持っている」
それが自由という事でしょうか

奴隷や囚人にはこの自由に使える時間が与えられていないそうです。

何故なら、人が一番奪われて心身に苦痛を感じるのが「自由」だから。

逆説的に考えると
人々から自由に使える時間を奪ってしまえば、その人々を奴隷にできるというロジックも成り立ちそうです

千と千尋の神隠しの中で、湯ばあばが千尋の名前から尋の文字を取って
個性を無くしてしまう場面がありましたが、
自由(時間)もそんな感じで奪ってしまえば
簡単に個性(意志)を無くしてしまえるのではないでしょうか?

洗脳ってきっとそういう手法を取り入れてるんだろうなぁ

これが学生終わりで私が持っていた「就職」に関するイメージです

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会社勤め時代


さりとて、「経験」も「信用」も「土地」も「建物」も何も持っていなかった学生終わりの私には、自由(時間)を売って就職するしか道はありませんでした。

とはいえ、F-1カメラマンになりたい!という夢の仕事に就くことができ
これ以上ない出発ができました

新聞社では伝説的な素晴らしい先輩方に囲まれて 
本当に貴重な指導をたくさんしていただきました。
野球場などの撮影現場では、同業他社の先輩方から社に関係なく
プロカメラマンとしてのノウハウ、見識と所作を惜しげもなく叩き込んでいただきました。
もう感謝しかありません。

学生時代に描いてた就職へのイメージは随分違うものでした。
とても楽しかった。
もはや仕事をしているのか趣味の時間に没頭しているのか分からないくらい面白かった

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退職を決めた経緯


給料も高い、仕事も面白い、尊敬できる先輩に囲まれ、撮影現場では頼れる同業他社の仲間がいる、会社の体力も十分

私が会社を辞める理由はどこにも見当たりませんでした。

しかし、入社5年目で辞めてしまいます。

理由はいくつかあって
憧れのF-1カメラマンになったものの、目標地点に登りきってしまって
次の目標を見失ってしまい仕事へのモチベーションが保てなかったこと。
スター選手のアイルトン・セナが亡くなったこと。
仕事ばかりで「自由な時間」が取れなかったこと。

これらが重なって退職を決意します

今の時代なら一年の中に1週間休みを取って
リフレッシュ休暇を過ごすという方法もあるかと思います

しかし、今から30年前の日本では
新婚旅行以外に1週間の休みを取る環境はありませんでした
いや、それどころか有給休暇を取ることすら気を遣う
そんな時代でした

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スタジオ設立時代


故郷の鹿児島にスタジオを設立して自営業を始めました
再び自由を取り戻しました

「自営業は働けば働くだけ稼げていいですね」
よく言われますが、決してそんなことはありません

夢も希望もない話で申し訳ないのですが
「自由」と引き換えに「安定」は無くなりました

「働けば働くだけ稼げて」

とは、働く事(=仕事)が有る前提で話が進んでいると思うんですが
サラリーマンと違い「次の日に会社に行けば仕事がある」という状況には無いんです

そもそも「仕事」がないと「働く」ことはできません

そして、自営業には「仕事が来る保証は無い」という事実に驚愕しました

だから必死こいて働きました
幸いなことに、たくさんの人たちに助けてもらい
仕事も順調に増えていきました

一度、新しくできた高級ホテルの写真室をやってくれないか?と依頼されました
毎週定期的に収入を得られ、経済的な安定を約束されたようなものでした
しかし、丁重にお断りしました

理由は私にとっては「安定」より「自由な時間」の方に価値があると思ったからでした

そのおかげもあって、創業から27年経った今も経営は安定していません(笑)

その代わり自由な時間がたくさんあって
愛する人に愛しているとたくさん伝えることができます

私はこれで満足なのです


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さて、就職に関するご相談でした

ということで、
「自由」と「安定」という観点で就職について考えてみました

「お金=安定」は大事だけど、私には「自由」の方が価値が高かった
という結論でした

自営業といっても数ある職種の中で「写真屋」を選ぶような人間ですので、ちょっと頭がイカれてると思ってくださいね

多分参考にしない方が身のためだと思います。

最初にも言いましたが、
そういう考えもあるのか?
という視点から見ていただければ幸いです

みなさんのこれからの未来にとってこの話が何らかのキッカケになったならとても嬉しいです


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