連続ドラマW 事件 (全4話)
原作者の大岡昇平さんは「裁判所と裁判官によって判決が違うのでは、裁判自体も偶然的な“事件”ではないか」という思いを「事件」というタイトルに込めたとの事。
主人公の菊池自身を被告人に重ね合わせて見ているような感覚を覚えました。裁判の結果は色々な思いはあるでしょうけれど、被告人の隠された秘密には気づいていると思うんだよね、だから当然心配で心配で仕方がない気持ちもあるんじゃないだろうか。その重い秘密を抱えたまま刑期を終えて、死んだ姉の妹である妻と、その子供のもとに戻り、幸せに暮らせるのだろうか、そんな思いを菊池も一緒に背負ってるように感じた。
長い長い裁判シーンが続くので、苦手な人は観れないと思いますが、徐々に明らかになっていく本筋に、ゆっくりと見応えが出てきます。
実際あまり知らないけれど、いつか自分にも来るかもしれない裁判員制度の様子も描かれているので興味深く観れた。
何より椎名桔平さんの演技が素晴らしく、流石の安定感です。
『生きていれば、生きていてよかったと思えるときが必ずありますから』
無責任にも聞こえるセリフですけど、この作品の中でのこのセリフは、噛みしめたくなる程に味がありました。
今のところWOWOWドラマにハズレなし。