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ひとくず 新ディレクターズカット
生まれてからずっと虐待の日々が続く少女・鞠(小南希良梨)。食べる物もなく、電気もガスも止められている家に置き去りにされた鞠のもとへ、犯罪を重ねる破綻者の男・金田(上西雄大)が空巣に入る。幼い頃に虐待を受けていた金田は、鞠の姿に自分を重ね、社会からは外れた方法で彼女を救おうと動き出す。そして、鞠の母である凜(古川藍)の恋人から鞠が虐待を受けていることを知る。虐待されつつも母親を愛する鞠。鞠が虐待されていると確信した担任教師は、児童相談所職員を連れてやって来るが、鞠は母の元を離れようとせず、保護することができずにいた。金田は鞠を救うため虐待をする凜の恋人を殺してしまう。凜に力ずくで、母親にさせようとする金田。しかし、凜もまた、虐待の過去を持ち、子供の愛し方が分からないでいた。そんな3人が不器用ながらも共に暮らし、「家族」の暖かさを感じ本物の「家族」へと近づいていく・・・。
最高にして最悪の脚本に拍手を贈りたい。
こんな映画作っちゃダメだろ、涙が止まらなくなるでしょ。
虐待やネグレクトをテーマにした作品は多いものの、この作品は自分と同じ境遇の子供を救おうとする、それもありがちな展開だが、この作品は更にその母親をも救おうとする、何故ならその子供の母親の子供の頃も、強盗に入った主人公と似たような境遇だったからだ。
主人公はいい大人なのに、出会う人出会う人に罵声怒声を浴びせ、気に入らなければ直ぐに喰ってかかる狂犬のような男、画面的には観ていて寒くなるレベル、だがその男、強盗に入った家の女の子と出会ってから少しづつ変わってゆく、その姿は応援したくなるほどカッコよかった。
素人っぽい俳優さんで構成されているが、みんなエネルギーに満ち溢れており、絶妙な素人感が素晴らしかった。上手い下手の素人感ではなく、素人を演じているような、素人感、一般人に役者が溶け込んでいる様な感覚、とても良かったです、そして全体的に漂う圧倒的昭和感、昭和のエネルギー、これと物語が本当にマッチしていて、124分が短いくらいに真剣に観れた。大概この手の作品は辛すぎて、124分なんて書いてたら最初から手を出さないのだが、この作品はジャケ写で不思議と引き付けられた。
辛いシーンが多いので、自分にそういう経験がある人には胸が苦しくなり、もしかすると精神的にしんどくなるかもしれないので注意が必要です。
突っ込みどころはあるものの、個人的にはエンドロール後まで含めて素敵な作品だと感じました。
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