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ヤクザと家族
これは、ヤクザという生き方を選んだ男の3つの時代にわたる物語。荒れた少年期に地元の親分から手を差し伸べられ、親子の契りを結んだ男・山本。ヤクザの世界でのし上がる彼は、やがて愛する《家族》とも出会う。ところが、暴力団対策法の施行はヤクザのあり方を一変させ、因縁の敵との戦いの中、生き方を貫いていくことは一方でかけがえのないものを失うことになっていく――。
※暴力団対策法:1992年、2012年に施行。暴力団の無力化に大きく役立ち、企業や地域社会への影響力を減じる契機となった
久しぶりに「いいなぁ」と感じた作品でした。ヤクザをテーマにした作品は大体バイオレンス重視になってしまい、観る側もバイオレンスがあるか否かでテンションも変わってきがちだけれど、この作品はそのバイオレンスがほとんどありません、代わりに暴力団対策法により、ヤクザの暮らし方が変わってゆく描写が色濃く描かれています。
決して美化しているわけではなく、擁護する訳でもないが、生きにくくなった社会で必死にもがき苦しみながら、それでも生きようとするヤクザの姿を描き出した数々のシーンに胸が苦しくなる。そこにはもうヤクザの姿はなく、一人の人間として描かれているわけで、人生が逆転してしまい、やり直そうとする人間に対する今までの仕返しの様な一般市民の仕打ち、これを仕方がないと観るか、手を差し伸べたいと感じるか、そこで大きく変わって来るとは思うのですが、私は最後までノンストップで観れました。