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スイート・マイホーム

冬が厳しい長野。スポーツインストラクターの清沢賢二(窪田正孝)は「まほうの家」と謳われた一軒のモデルハウスに心を奪われる。寒がりの妻と娘のために、たった一台のエアコンで家中を隅々まで暖められるというその家を建てる決心をする賢二。新居が完成し、家族に二人目の娘も加わって、一家は幸せの絶頂にいた。ところが、その家に越した直後から奇妙な出来事が起こり始める。まとわりつく様な何かの気配。赤ん坊の瞳に映るおそろしい影。地下に捕らわれ、泣き叫ぶ娘。次第に明かされる、秘められた過去――「家」を取り巻く恐怖の連鎖は家族だけに留まらず、関係者の怪死などに波及し始め、そして予想を超えた衝撃の結末に向けて加速していく。

2023年製作の映画

斎藤工さんが監督として製作したホラー作品。
ずーっと薄暗い『雰囲気映画』です、何か起きそうで起きない、見えそうで見えない、引っ張って引っ張って見せない、手法で言えば昭和のホラー。

とは言っても齋藤さんはドラマや映画をたくさん見てるし、実際出ている人だからカメラワークは良い、変に変わったアングルを狙って面白くなったりしておらず、顔のアップ→目が何かを見る動きをする→見た物はスマホだよみたいな感じでカットカットでわかりやすく演出してくれていると言うか、漫画のコマ割りの様で観やすいのは好印象。ちょっと北野武作品に影響を受けてるようなカットやカメラの使い方にも感じた。

煩いBGMでごまかす感じもなくて、本当に雰囲気映画。雰囲気は本当にいいんです、でもジワジワ怖いわけでもなく、ジワジワと何も始まらない前半で逃げ出す人は多いかもしれません、それも正解です。クライマックス含め、特に何にも始まりませんから。でも私は嫌いじゃない作品ですね、『あいつとは?』と言う一本の謎を主軸として物語を組み立てているし、キャラクターが割と各々しっかり立っているので、そこら辺は正直監督として可能性を感じました。刑事が特に良かったですね、感情をほとんど出さない棒読み感、上辺だけの丁寧さにトラップを仕掛けた聴取の仕方、取り過ぎってくらいの間が刑事の鋭さを演出していて本物らしさを感じる。

『でしょうね』ってオチは前半から見えているので、どう持っていくか?という観方をすれば悪くないですし、伏線回収もちゃんとしてくれるのでしっかりした作品だと思います。

ただ最後は要らなかったなぁ~

派手な霊的な恐怖とか、恐いの観たい!と言う気持ちで観るなら『時間返せ』と言う人が9割くらい出そうです。

キャッチコピーを付けるなら
『雰囲気重視!派手さのない韓国風ホラー』

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