ねばぎば新世界

俳優・脚本家・監督として活躍する「ひとくず」の上西雄大が、大阪・西成を舞台に描いたアクションドラマ。上西がメガホンをとったほか、赤井英和とともに主演を務めた。大阪新世界。かつてヤクザの組を潰しまわっていた村上勝太郎（通称・勝吉）は、ボクシングジムを営んでいたが、ジムで練習生が覚醒剤取引をして逮捕されたことからジムを畳み、幼なじみの経営する串カツ店で働いていた。ある日、新世界を逃げる少年・徳永武に出会い、勝吉は声をかけるが武は逃げてしまう。また別の日、刑務所の慰問に誘われた勝吉は、かつてともにヤクザを潰してまわった弟分・神木雄司（通称・コオロギ）と再会。その後、釈放されたコオロギは勝吉とともに串カツ屋で働き始める。そして、武が悪徳宗教団体に捕まっていることを知った勝吉は、コオロギとともに悪徳宗教団体へ乗り込んでいくが、そこで2人の前に立ちはだかる女幹部のチャマリは、かつて勝吉をボクシングの道へ導いた元チャンプの娘・琴音だった。

『ひとくず』がとても気に入ったので、上西雄大さんを検索したところ、この作品を発見。
なんと『どついたるねん』で好きになった『赤井英和』さん主演で一緒に上西さんがでとるやないかい！

と言うわけで上西さんが俳優として主演を張る一方で監督迄やったお得感感じるこの作品を観ることにしました。

『ひとくず』は昭和の暗い部分が前面に出ておりましたが、こちらは昭和の『いい意味でアホな部分』が出ているように感じました。
圧倒的な上西さんの『こういう奴いるわ！』的な嘘臭くない、素のようになり切った演技が火を噴く一方、どうにも抜けきらない素人感が残る赤井さん、そして上西さんが赤井さんの大ファンなので、バディとしての２人の距離になんだか距離感を感じる、恐らくですが上西さんが一歩二歩譲っているのではないだろうか、そんな違和感を感じます。
とは言ってもその距離感が親分と子分と言う関係性に一本線を入れてるようにも感じるので、まぁ突っ込むほど気になるものではないかな。むしろ圧倒的な２人の存在感を生み出している『程よい距離感』なのかもしれません。

まくし立てるような関西弁の上西さんがホントに気持ち良くって、この声と関西弁が聞こえてくると安心感がある、これはもう私が上西さんのファンになってるって事でしょうかね（笑）まぁ上西さんの作品を探してる時点でファンになったんだと思います、いや、ファンです。

宗教に堕ちた、勝吉をボクシングの道へ導いた元チャンプの娘・琴音を救うわけですが、もう少し過去のチャンプや琴音との絡みをしっかり描いて欲しかったのは本音かなぁ、割とあっさりサクサクと物語がテンポよく進むので、さらっと描かれるだけだと上西さんと赤井さんに全部脳内の記憶を持っていかれるんで薄くなるんですよ、ラストシーンが。
逆に言えば２人の掛け合いは強くてガンガン前に出てくれるので観やすいと言えるのですけどね。

『ひとくず』からこの作品にシフトしたので、胸が苦しくなることもなく、痛快アップテンポ展開で楽しめました。
『ひとくず』に出ていた俳優さんも出ているので、ニヤニヤできたのもプレゼント貰ったみたいで嬉しかったです。