カラー版 1時間でわかる大人のワイン入門 (宝島社新書)
この本は、ワインについての選び方のコツから歴史、世界各種のワインの種類とその味の違いなどといった、基本的な教養についてまとめられているものです。
アルコールそのものに強くないじぶんだからこそ、ガブ飲みするのとは異なるワインの愉しみ方があるだろうと思い、手に取りました。
首が締まるくらいのルールでブランド力を上げる。
一番おもしろかったのは、P12 第1章 伝統国フランスのワイン フランスワインを守る「AOC法」
ではヨーロッパ各地に広がったワインが、なぜこれほどフランスで発展を遂げたのだろう。そこにはワイン用ブドウの栽培に適したフランスの気候・風土といった地理的要因、フランス統治の経緯・背景といった歴史的要因など多数存在するが、最も大きな理由はフランスが国を挙げてワインの品質とブランド力を守ってきたからだ。(中略)なお、AOCに認定されたブドウ畑の多くは、人為的に手を加えることが許されないため、たとえば雨が少ない年に水をまくこともできない。だからワインはその年の気候条件に左右され、出来の良しあしというものが存在してくるのだ。
いやはや、水をあげちゃいけない、なんてことあるのか...... 知らなかった。
品質管理といえば、バッチリと温度や湿度の管理をして、不良率を極限まで下げていく行為であると思っていたのですが、その逆をあえて行く感じであるとは驚きました。
「AOC法」とは、日本語に訳せば「原産地統制呼称」といったようなもの。
ちなみに、EUが設定しているもので「AOP」という似た名前のものも存在していて、それも同じように原産地についてのルールだそうです。
原料の偽装をさせない。それだけのシンプルな目的として設定されているのであれば「確かにどこどこで育てられたものです」という証明だけができればいいように一見感じられます。
でも、実際にAOCの中身を見ていくと、いわゆる生産地についての縛りである「生産地域 /品種」といったものの他、「栽培法/剪定法/醸造法/熟成法」といった"作り方"に関するところまで、厳しく縛りが設けられているようなのです。
そのなかに、先ほどの
人為的に手を加えることが許されないため、たとえば雨が少ない年に水をまくこともできない。
ということが含まれているのだと思われます。
以前書いたnoteに「『アイデア出し』や『企画提案』は仕事だというのに、どのようにしてやっているのか、誰も知らなかった・教えてくれなかった」と、愚痴をこぼしたことがありますが、
このAOCに関して言えば、これはこれでやり方を縛り過ぎじゃないか? と逆方向に心配をしてしまいました。
ただ、そんな心配は無意味なのでしょう。いろいろな人たちが、これまで考え抜いて試行錯誤してきたからこそ、フランスワインのブランド力は保たれ続け、産業として強固なものになっているのでしょう。
飲んでみたいワイン
この本を読むにあたって、裏テーマとして「飲んでみたいワインを探す」というものがありました。
アルコールに弱いので、じぶんはあまりいろいろとは飲み比べをすることもできません。3杯目へ辿り着く頃には、味がほとんどわからなくなっていると思います。なので、先んじて知識として良さげなものを選んでおきたいという思いがあり、そして見つけ出すことができました。
P112 第3章 その他の欧州ワイン 世界三大貴腐ワイン トロッケンベーレン・アウスレーゼ
ドイツワインの伝統的なイメージである、甘口の白ワイン。この最高峰に位置するワインが、「トロッケンベーレン・アウスレーゼ」だ。
ただの甘党と言われてしまえばそれまでですが、あまり渋い味が好きではないのです。ですから、こういった紹介のされ方をすると、自然に目が行ってしまうのです。
書籍内でも紹介されていた「ヴァイングート・アンゼルマン
オルテガ・トロッケンベーレンアウスレーゼ」
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この他に「フランスのソーテルヌ」「ハンガリーのトカイ」が、三大貴腐ワインに該当するそうです。
この三大貴腐ワインの飲み比べセットもあるそうです。
GWの10連休にでも手を出そうかなあ。
それかあれだな、櫻田ラボのオフ会に持ち込んでもよいかもしれない。
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