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映画(のようなもの)を撮影したいと考えているあなたへ② カメラ設定編

前回に引き続き、今回は民生機ミラーレスカメラを用いた動画撮影の中で、ドラマ性のある映画(のようなもの)を撮影する際に必要なカメラの設定などを書いていこうと思います。
一部有料記事としておりますが、カメラの知識がない方には有用な記事となっていると自負しております。すでに写真でカメラを使っている方でも、映像におけるカメラ設定についてその理由を知識として裏付けております。


撮影に必要な知識と設定

画面サイズ

出展:wikipedia

カメラの設定をする前に、まず画面のサイズについて知っておきましょう。
主にテレビやyoutubeといった映像を表示するフォーマットは基本的に縦横比16:9という横長の画面が作られています。
昔はワイド画面、なんて言いましたが、今はこれがおおよその標準となります。
近年SNSなどで縦型動画が主流になっていますが、基本的には映像は横長のイメージではないでしょうか。
映像/動画撮影ができるカメラも基準として16:9で収録されることになります。

映画のサイズにはフィルムで収録/上映されていた歴史から、伝統的にいくつかのサイズが有り、
・スタンダード 1.33:1 (4:3)
・ユーロピアンビスタ 1.66:1
・アメリカンビスタ 1.85:1 (17:9)
・シネマスコープ 2.35(2.39):1
といったのが主流なサイズ感で、下に行くほど横広な画面となります。
昔のブラウン管テレビを知っている世代からは4:3は身近でしたね。
近年は16:9の画面がほとんどを締めていることもあり、それ以外のサイズだと上下や左右に黒帯が入る形になります。

さて、なんで今さらサイズの話などをしたかというと、映画表現において画面の広さはとても重要です。考えなしに16:9(アメリカンビスタ)で撮影するのが、本当にその作品のためになるのか? シネマスコープのような横長の画面だとなんとなく映画っぽいのか? 
そのサイズの選択は、映画の内容から最適なものを熟考して選んでください。

想像してみてください。
ひとりの人間の全身を画面に映すときに、スタンダードの画面とシネマスコープの画面では、人間のサイズに対して背景が広く映る範囲が大きく異なってきます。
また、ひとりの人間の顔のアップを映すとき、画面の中での顔の比率はどう変わるでしょうか。

シネマスコープでの顔のアップの例 『荒野の用心棒』
スタンダードでの顔のアップの例 『羅生門』

映画を撮り始める前の段階から映画の制作は始まっています。
サイズ選択にはカメラマンの作品への向き合い方・センス・哲学が反映されます。
流行りに左右されず、作品に向き合った最適なサイズを選んでみてください。

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