ONE CRAZYが必要 【スタジオループ座談会⑥】
前回はこちら。
コンプレックスを見つける
―お互いに質問してみたいことはありますか。
COZI
TAKUMAがライティングをどうやってるか(笑)。教えない理由を知りたい。
TAKUMA
いいえ特に…面倒くさいだけです。
HAMA
COZIには、ポージングのときの声かけとか、人の顔の角度とか、何をイメージして決めてんのかなってことを聞いてみたい。
COZI
その人がコンプレックスに感じている部分を見つけて、それを隠してあげると良くなる。左目と右目の形の違いとか、顎が小さいとか。コンプレックスをいち早く見つけて、それを隠していく。
HAMA
なるほど。だから指示が細かいんだね。ちょっとずつ調整していくから。
COZI
このあいだ顎が小さめな人を撮ったときは、ライティングは赤にして、高い窓から入れた自然光を白い床で反射させて撮った。
HAMA
床をレフ板代わりにしたんだ。すごいねそれ。トップ1灯とかじゃなくて?
COZI
すごく良い写真が撮れたんだよ。基本は1灯だよね、太陽は1個だから。自然光が最強。光の反射をどううまく生かすかが勝負。
HAMA
TAKUMAならどうする?
TAKUMA
やっぱり上から撮っちゃう。下からは絶対に撮っちゃ駄目。
HAMA
座らせて上から撮るかもしれないよなあ。
人生の写真
YAMADA
他に聞きたいこと…。日々話してるからそんなにないですね。
HAMA
どんなクライアントの仕事をしてみたい?
YAMADA
ペット屋さん。ペットの写真が撮りたい。
HAMA
俺はおうち写真が一番好き。スタジオだと普段っぽくないじゃないですか。おうち写真は生活感も含めて写真にできるから、すごい好きです。
TAKUMA
僕は、工場とか職人とかも撮ってみたい。
COZI
職人の仕事とか良いね。
TAKUMA
金沢とか行きたい。伝統工芸とか。金箔や焼き物のイメージですよね。
YAMADA
TAKUMAさんは撮影で全国を飛び回ったりとか好きですよね、きっと。
HAMA
俺は歯医者さんにご縁が多くて知識も増えてきたので、歯医者さんはもっと撮りたいなあ。あとは学校も楽しそうだよね。子どもたちもいるし。大学や専門学校、高校。楽しいよね。
TAKUMA
ロケ地として最高。良い写真しか撮れない。
COZI
来年度から1校、新潟市内の高校でオフィシャルのカメラマンをやるし、他の学校もやりたいね。
HAMA
昔働いていた写真館では、修学旅行に同行して撮影する仕事があった。絶対くたびれるけど、若いうちはできる。
COZI
でも俺とTAKUMAは子どもを遊ばせちゃうんじゃないかな(笑)。HAMAとYAMADAは冷たくできるじゃん(笑)。
YAMADA
ちょうどいい距離を保てるってことですよね…(笑)。やりたいことはいっぱいありますよね。
TAKUMA
COZIさん的に、他の3人にこんな仕事をやってもらいたいというのはある?
COZI
ある。HAMAは人生の写真。竹山病院で生まれる瞬間(出産)の撮影をさせてもらえるようになったので、ひとつループの柱になると良いなという思いがあります。それに加えて、遺影。人が亡くなったあとにも生きる写真。人生を1枚のストーリーに収める写真をHAMAは撮ったほうが良いんじゃないかなと思います。僕はパイオニアになるのが好きで、ループとしても誰もやっていないことをやりたい。
HAMA
川端康成といえば、イメージする写真があるじゃないですか。そういう1枚を遺影にしたほうがいいと思うんですよね。そういう遺影を撮りたい。
死ぬ前の写真じゃなくてもいいじゃないですか。坂本龍馬っていったら「あの写真」が思い浮かびますよね。みんなそういう写真があるとよくない?っていう。
COZI
その人の人生を語れる写真。
HAMA
SNSで写真がすごく増えたから、その人を検索したときにいっぱい写真が出てくるじゃないですか。なんかそういうのもうよくない?と思って。1枚あればいい。そういう1枚を撮りたい。
次は、ペットのお尻?
COZI
朝起きるところぐらいから観察をしないとできないね。
HAMA
それが一番大変(笑)。
COZI
インタビューではなく観察をしなきゃいけないと思っているんで。
HAMA
そう。写真屋ってインタビューをしちゃ駄目だよね。こちら側の恣意的なものでないと、カメラマンが撮る理由がない。本人が自撮りして加工をした一番良いと思っている写真と、周りの人が「かわいい」って思う写真は全然違う。
COZI
TAKUMAは早めに海外に挑戦するといい。TAKUMAの技術は、新潟だけだともったいない。台湾かシンガポールに行ってみるといいと思う。
HAMA
それだったらスタジオループを辞めたほうが早いんじゃない?(笑)
COZI
そうだよ(笑)。
TAKUMA
え!(苦笑)。来年の2月に台湾に行く予定はあるんですけど…。
HAMA
YAMADAは、ひとつ軸があるといいよね。
COZI
俺は、柴犬のお尻の穴だと思っていて、やっぱり「ONE CRAZY」が必要なんだよ。YAMADAがやってる「しっぽ写真館」も良い。だけど、作品としてずっと犬のお尻の穴だけを撮ってる変なカメラマンはもっと良い。
YAMADA
飼い主は絶対にお尻の穴が好きです。
HAMA
本当に?俺はわかんない(笑)。
COZI
犬を飼ってる人は分かるよね。
YAMADA
あれですら愛しいと思いますよね。
HAMA
お尻の穴を見て、「これうちの犬だな」ってわかる?
COZI
これは柴犬だなとか、◯◯犬だな、みたいなのは分かる。
HAMA
そういうマーケットが存在するんだったらアリだね。
COZI
HAMAの「いっすん(赤ちゃんの手や足などを超近距離で撮影するシリーズ)」もフェチじゃん。あれはママのフェチズムに向けた企画だよね。
HAMA
なるほどね。そう言われると確かにそうだな。
COZI
ペットの撮影をさせてもらったときに、「僕のために1枚だけお尻の穴を撮ってもいいですか?」ってお願いする。
HAMA
それはいいね。そういうカメラマンだっていう売り方はアリだね。
COZI
パイオニアになるには「ONE CRAZY」が必要だよね。
HAMA
犬とか猫の鼻デカ写真も一世を風靡したもんね。
COZI
ちょっと変なことをしないと人って食いついてくれないからね。
HAMA
でも、犬のお尻の穴を美しいと思う瞬間ってない…。
YAMADA
美しいじゃなくて、愛おしい。
COZI
子どものお尻はかわいいでしょ?
HAMA
かわいい。
YAMADA
一緒です。
HAMA
なるほどね。
【次回へ続きます】
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