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外貨建生命保険って・・・

最近、悪い円安って言われていますね・・・
給与水準が上がらないのにモノの値段が上がって、消費者は辛い。
特に年金生活者にとっては、年金額が減らされるようです。
この先どうなっていくのだろうか・・・なんて多くの人が思っているのではないでしょうか。
でもそんな中で外貨建生命保険に加入しているから得しちゃってるよ。
って言ってる人、周りにいませんか?
確かに、ドルを持っている人にとっては評価額が上がって大喜びですよね。でも外貨建生命保険って、為替要因だけ見ていてもいいの?
テレビのニュースを見ながら、「あー、なんかもっと知っていた方が良いことってあるのに、その辺のことをみんな知っているのかなあ」って思って、前回に引き続き徒然なるままに思っていることを書いてみました。

まずは円高と円安の影響を理解していただきたい。

円高になると外国製品を安く買うことができるため食品や日用品などの物価が下がる。
また原材料を海外から輸入している企業のコストが低下して収益増加の要因となる。
一方輸出型企業は海外市場での価格が上昇して商品が売れにくくなり、収益減少の要因となる。

その逆に円安は輸出企業では収益増加の要因輸入企業では収益減少の圧力となる。

もっと具体的にいうと・・・

円高
・輸入品の価格が下がる
・光熱費が下がる
・エネルギー資源の価格が低下する
・国内物価が全体的に下がる
・原材料から製品まで輸入品の価格が低下し輸入企業が増益基調になる
・国際的な競争力が低下し輸出企業の収益減少の圧力となる
・個人投資や M & A 等の海外投資が増加する
・外貨建て金融商品の収益が減少する

円安
・輸入品の価格が上がる
・原油価格が上がりガソリン灯油電気ガス台が全体的に上がる
・インフレリスクが高まる
・輸出企業の売上が増加し生産増加に伴って(雇用環境の改善が期待できる?)
・輸入企業はコストアップとなり収益減少の圧力となる
・日本株に対する海外からの投資や M & A が増加する
・外貨建て金融商品の収益が増加する ←今回のテーマはここ!

為替相場の変動要因
・ファンダメンタルズ 国の経済状況を示す基礎的な条件。長期的な為替の変動要因。
・貿易収支 例えば日本の企業がアメリカに製品を輸出して代金お米ドルで受け取ると、その企業が受け取った米ドルを日本円と交換する必要が出てくる。逆に日本の企業がアメリカから製品を輸入して代金を米ドルで支払うためには持っている円を米ドルと交換しなくてはならない。輸出と輸入のバランスにおいて日本の貿易収支が黒字基調の場合は円に対する需要が高まり、円高になる傾向がある。
・景気 国内景気が良くなると海外投資家が日本へ投資するために日本への需要が高まり、円高になる傾向がある。一方国内景気が後退するとと投資対象としての魅力が低下し、日本円の需要が低下して円安になる傾向がある。
・金利 (今起きている主要な要因はここ)日本の金利に比べて外国の金利が高くなると金利の高い国で運用した方が多くの利益を得られるため、日本の金融商品から外国の金融商品壊死資金シフトし、日本円が売られるため円安になる傾向がある。日本の金利が外国に比べて高い場合は日本に資金がシフトして円高になる傾向がある。
・物価 物価が上昇すると円安が進みやすくなり、物価が下落すると円高が進みやすくなる。これは「二国間の為替レートは国通貨の購買力が等しくなるように決定される」という購買力平価説に基づいている。
・その他 各国の政治経済状況や地政学リスクなどによっても影響を受ける。

為替リスクは外貨建て生命保険生命保険だけに関わらず外貨建て金融商品にとって大きなリスクとなる。円で保険料入金し保険金や解約返戻金を選んで受け取る場合、契約時よりも受け取り子の方が円安になっていると為替差益が生じ円高になっていると為替差損が生じる。

でも、実は・・・
外貨建生命保険はそれだけでなく様々なリスクや費用がかかるのです。
それを知っていただきたい。

① 解約控除 保険期間中に外貨建て生命保険を解約する場合、、市場価格調整が適用されて、解約返戻金画像増減する場合がある。市場価格調整とは、お客様が保険期間中に解約する際の市場リスクについて、自己責任の原則のもと、一部お客様に負担してもらうことになっている。ただし事故保険事故が発生した場合の保険金や給付金が市場価格調整はされない。

契約時に比べて解約時の市場金利が上昇(債券価格が下落)した場合は解約返戻金額は減少し、市場金利が低下(債券価格が上昇)した場合に解約返戻額は増加する。

市場金利に変動がなくても債権を売却するための費用などを踏まえその分を割り引く調整を行うため返戻金にマイナスの影響が出る。

② 契約から一定期間内に解約すると,解約控除が行われる場合があり、お客様の不利益となる可能性がある。

解約控除とは、契約後の早い段階で生命保険を解約されてしまうと契約時にかかったコスト(医師の診断費用や募集手数料など)を回収することができない。そのために早期解約はお客様に一定のコストを負担してもらうというわけだ。

③ 保険契約関係費用 死亡保障に備えるための費用・積立利率を保障するための費用、新契約の締結に必要な費用、保険契約の維持に必要な費用、運用債権の債務不履行に備えるための費用などがかかる。

年金を支払うタイプの商品の場合、年金開始日以降年金を維持・管理するための費用が控除される。

外貨による契約締結に関して必要となる費用 保険料の振込み保険金の受取を外貨で行う場合、金融機関によっては送金手数料口座引き出しの手数料などの費用が別途必要となる場合がある。

さらに満期保険金などを受け取った時に税金がかかる。

もし外貨建てで生命保険の加入を検討しているのであればこれだけのリスクと費用がかかるということを理解した上で覚悟をして契約してほしい。

もし外貨建生命保険に既にご加入していて、今般の円安で「あー、こんなに得しちゃったあー」って思っている人、費用は思いのほかかかっているのですよ。

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