グノーのアヴェ・マリア
今回、グノーのアヴェ・マリアをピアノ音源を使って制作し、配信しました。
「好きなピアノ曲を、パソコン上で自分の好きなように演奏する」いつもの配信とは違います。好きなクラシック音楽を、原曲をリスペクトし、好きな要素を崩さずに別の魅力を見出したいという気持ちからの制作です。元の楽譜を使うことで、編曲とも違う、実演でもない世界を生み出せれば、とも考えています。
前にも書きましたが、オルゴールの調べがなぜか心に染み入るのと同じように、シンプルであっても、大事な部分が生きていれば、いい音楽になります。一生聴き続けられるようなBGMが理想です
◼︎歌をピアノで◼︎
そんなBGMとして制作してみたかったのが、歌曲です。歌の部分を器楽に置き換え、インストゥルメンタルにしていきます。
ピアノの音が好きなのでピアノ音源を使っているのですが、声とピアノでは特性が違います。音を伸ばせることを前提に作られた旋律を、鍵盤を押した後は早々に音が消えていくピアノで弾いてもなかなかニュアンスは出ません。
しかし、グノーのアヴェマリアが素晴らしいのはこの曲の伴奏がバッハの平均律ほぼそのままという点です。伴奏は美しく完成しています。なので、そこにうまく旋律を載せられれば素敵なBGMが出来るはず、という目論見です。
◼︎音の選択◼︎
とはいえ、逆に伴奏が立派過ぎるところもあり、ピアノの音をポツリ、ポツリと置いていっても、バランスが難しいものです。普通にBGM的に作るならこのような感じでしょうか。
改めて、ピアノの音を使う理由は何だろうと考え、「ポツリ、ポツリ」が活かせる音色を探してみました。最終的に私が選んだのは極めて素朴な音になりました。旋律と伴奏がお互いに主張し過ぎず、一体になれるような音色です。Apple Musicほか各配信サイトから配信していますので、是非お聴きください。