バッハ ボーカル&ピアノ
▪️アルバムについて
”office M”
office M(=Studio M)ではピアノ曲を中心としたクラシック音楽を、原曲の楽譜そのままにコンピューター上で演奏し、配信を行っています。
編曲はせず、作曲家の音を生かしながら自分のニュアンスを加え、自由に音源(=楽器)を組み合わせて演奏し、新たな魅力を見出せたものだけを配信の対象としています。
(●演奏データ制作:Scoremaker ●DAW:Logic Pro)
”Bach Vocal & Piano”
今回は”office M”名義での初のアルバムリリースとなり、バッハの名曲をボーカル音源とピアノ音源を使って演奏しました。穏やかな曲から速めのテンポの曲まで、バッハの音楽とボーカル音源がよく合うことを知り、クラヴィーアやオルガンのための鍵盤楽曲ではボーカル音源を使用し、逆に「アヴェ・マリア」や「G線上のアリア」などでピアノ音源を使い、静かな雰囲気を出してみました。
▪️ライナーノーツ
1) バッハ / ゴールドベルク変奏曲”アリア”
ゴールドベルク変奏曲はグレン・グールドによる演奏で有名になりましたが、このアリアは曲集の最初と最後に置かれ、映画「羊たちの沈黙」のイメージもあって、特に異彩を放っています。最近では発音の問題で「ゴルトベルク変奏曲」と呼ばれることも多いですが、「ゴールドベルク」という響きの重厚感は絶妙ですので、残ってほしい呼称です(グールドのアルバム名も「ゴールドベルク」のままです)。
(使用ボーカル音源:”Bronte” ”All Saints Choir”)
2) バッハ・グノー / アヴェ・マリア
この曲はバッハの「平均律クラヴィーア曲集」第1巻第1曲の有名な前奏曲にフランスの作曲家グノーが旋律を付けたもので、歌曲としてよく知られています。ある意味グノーの作品ですので、バッハの作品集で聴くことに違和感を持つかもしれませんが、実際に並べてみると意外と自然に聴けるもので、グノーのバッハへのリスペクトを感じさせます。
(使用ピアノ音源:”Noire”)
3) バッハ / 平均律クラヴィーア曲集第1巻-2 ”プレリュード”
「平均律クラヴィーア曲集」は鍵盤音楽の旧約聖書とも呼ばれ、まさに聖典として一生聴きたい偉大な曲集です。映画「バグダッド・カフェ」ではこの曲が印象的に使われていましたが、どこかで聞いたことのあるバッハ作品の一つです。今回はボーカル音源”Glaze”で演奏しています。
4) バッハ / イギリス組曲第2番 ”プレリュード”
「イギリス」という地名を冠していますが、バッハ本人が意図したタイトルではないそうです。しかし「イギリス組曲」や「フランス組曲」「イタリア協奏曲」など国の名の付いたバッハ作品を聴くとやはりその地に想いを馳せてしまいます。全6曲の中でも、この第2番と3番の”プレリュード”が好きで、今回は2番のほうをボーカル音源”Glaze”で演奏しました。
5) バッハ / G線上のアリア
原曲の名称は「管弦楽組曲第3番」の”アリア”なのですが、後世においてヴァイオリン用に編曲された際、G線(一番低い音の弦)のみで演奏できることから「G線上のアリア」と呼ばれるようになりました。現在ではヴァイオリン編曲版だけでなく、演奏形態を問わず、単独で演奏される場合は広くこの愛すべきタイトルが使われています。
(使用ピアノ音源:”Noire”)
6) バッハ / オルガン・コラール BWV731
バッハの作曲した美しいオルガン作品の一つ。「最愛のイエス,われらここに集いて」というタイトルのコラール(賛美歌)を題材にして作られたもので、バッハもこの曲を気に入っていたらしく、何度も編曲を行っています。このBWV731は後世のピアノ用編曲でも有名ですが、今回はオルガン譜面を使い、ボーカル音源の”Bronte” と”All Saints Choir”を重ねて演奏しています。
7) バッハ / 平均律クラヴィーア曲集第2巻-18 ”プレリュード”
平均律クラヴィーア曲集は「24のプレリュードとフーガ」が2巻ありますから、全部合わせて96曲の壮大な曲集です。曲数も多い上に、当時の譜面に演奏指示は今ほどありませんから、各曲の印象が弾く人によってかなり違います。この第2巻18曲のプレリュードでいうとアンドラーシュ・シフの演奏が好きで、その好きなイメージを生かして演奏しています。(使用ボーカル音源:"Glaze")
8) バッハ / コラール・プレリュード BWV639
これもバッハの作曲した美しいオルガン作品の一つで「我、汝を呼ぶ、イエズス・キリストよ」というコラールに付けられています。映画「惑星ソラリス」でも印象的なシーンで使われていましたが、現在ではブゾーニやケンプのピアノ編曲でも知られれています。今回はオルガン譜面をそのまま”Bronte” ”All Saints Choir”のボーカル音源で演奏しています。
9) バッハ / 聖アンのプレリュード BWV552
これもオルガンのための作品で、ブゾーニなど後世のピアノ編曲で聴かれた方も多いかもしれません。この”プレリュード”の後に”フーガ”が続きますが、このアルバムでは荘厳な”プレリュード”をオルガン譜面を元に、ボーカル音源"Glaze"で演奏しています。個人的には2分51秒と5分8秒からのフレーズが好きで、特にこのボーカル音源に合っていると思いますので、後半まで是非お楽しみください。
10) バッハ / ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 第2楽章
原曲は3つの楽章から成りますが、”バロック名曲集”的なアルバムにはこの楽章のみが収録されており、心が温まるような優しいメロディーは素朴な魅力にあふれています。ヴァイオリンとオーボエが掛け合って美しく進む原曲ももちろん素敵なのですが、今回は、ソロ楽器、弦楽合奏と通奏低音のすべてのパートをエレクトリックピアノ音源"Wurly"でシンプルに演奏しています。
11) バッハ / パルティータ第1番 ”プレリュード”
「パルティータ」とはバロック時代に使われた音楽形式の名称で、「変奏曲」や「組曲」の意味で使われたとのことです。この”プレリュード(前奏曲)”は6曲あるパルティータの第1番の1曲目にあたり、喜びにあふれ、始まり感が一杯のところが好きで、チェンバロ、ピアノ、ハープ、ギターなど色々な演奏を聴いてきました。今回はそんな喜びにあふれた音楽をボーカル音源"Glaze"で表現しています。
12)〜14) バッハ / イタリア協奏曲(第1楽章〜第3楽章)
”協奏曲”というと独奏楽器とオーケストラの競演というイメージですが、この「イタリア協奏曲」はバッハがチェンバロの特性を生かしながら、一台の楽器で協奏曲の形式を実現しようとした作品です。ワクワクするような第1楽章、深い祈りを感じさせる第2楽章、明るく、気持ちの良いテンポで疾走する第3楽章など、聴きやすいバッハの典型のような作品です。(使用ボーカル音源:"Glaze")
▪️配信先
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