古着のリフォーム もしくは 終活
着古したお洋服はどうしていますか。多くは処分するのですが、思い出があったり、生地が気に入って買ったものは、捨てるのにも思い切りが必要ですよね。
私も思い出深いチェック柄のシャツを、いつかベッドカバーにしようとしまいこんでいました。
そのなかには、夫が、娘が生まれた頃に着ていたものがあります。シャツの柄をみると、あのときの空気感とか、気持ちとか、家族の笑顔が鮮やかに思い出されます。だから写真をアルバムに残すように、クローゼットにしまい込んだのでした。
私がお気に入りだったシャツは、結婚前から着ていたんじゃないだろうか…。
それこそ、たくさんの写真にこれを着ている私がいます。楽しい思い出の数だけ、陽に焼けていたり、ほつれたりしています。
また、シャツ好きな息子が着ていたものもあります。一緒に買い物に行ったのも楽しい思い出です。こちらは、体が大きくなるたびに買い換えるので、捨てるにはもったいないほど、生地がきれいです。
そろそろベッドカバーを作れるくらい揃ったので、作業を始めます。
まず、同じ大きさに裁ちます。
そして、仕事場の床に並べてみました。
大きさは十分だろうか… どう組み合わせようかな..などと考えながら。
配置が決まったら、仕事の合間に、ミシンで縫い合わせていきます。順番を崩さないことだけ気をつけて。せっかく悩んで決めたのですから。
そうして縫い合わせたのがこちら。
完成に近づいてきたので、ベースの生地を探しに、日暮里へ。イメージ通りの、ガーゼのような柔らかいウールを手に入れました。
幅広のウールで、額縁仕立てにして、完成です。使いやすそうで大満足。
しばらくはソファでお昼寝ケットとして使おうと思っていますが、実は、これ、私の終活のひとつなのです。
いつか私がおばあちゃんになって、新しい記憶を無くしてしまうようなことがあったら、これをベッドにかけてもらおうと思っています。もしも施設で暮らすようになったときでも、これだけは持ち込みたいと交渉してもらいます。
このベッドカバーをかけていれば、大好きな夫の、大切な娘や息子の思い出に包まれて、穏やかに眠れそうです。大切なことを忘れてしまっても、つらいことが浮かんでも、あの頃の思い出が私を救ってくれるような気がするのです。
そうしたら、介護をするひとたちも楽になりますしね。
そんな上手くはいかないのかもしれないけれど、少なくともこのベッドカバーは私の未来のお守りになるでしょう。