#26: 「じゃあ音響ってどうやったら上手くなるの?」に答えてみる
こんばんは、もりーです。今日は時間も時間なのでサクッと1本書きたいと思います。
前回の記事「#25: 文系大アカペラサークルでもPAから目を逸らすな」で書いた通りアカペラという音楽は音響と切っても切れない縁があるため、プレイヤーである私達は少なからず注意を向ける必要があります。
(読んでない方は前回の記事も読んでみてください!)
しかし、ここで一つのデカい質問が浮かび上がると思います。
「音響が大事なのはわかるけどさ、じゃあ音響ってどうやったら上手くなるの?」
という問題です。
確かに、「音響が上手くなりたいんじゃ!」といくら願ったところで実際に上手くなることはないです。
歌もボイパもコーラスも上手くなりたいと思っても上手くならないのと同じです。
何かしらのアクションが必要なことは火を見るより明らかでしょう。
今回の記事ではそんな疑問をお持ちの皆様に向けて具体的にどのようなアクションが必要なのかをサクッと解説してみようと思います。
そもそも「音響が上手い」の定義がでかすぎる
この「音響が上手い」という表現、主語がでかすぎて一言でこうすればいいと言えません。
「人間が泳ぐ方法」みたいなクソデカい主語にしたとて年齢や身体的特徴などによってかなりの幅があることは想像できると思います。
音響は機材の選定から実際のオペレーションまでかなり仕事に幅があります。
そこで、今回の記事ではある程度大きな括りでカテゴリ分けして解説したいと思うのでよろしくお願いします。
まずは大前提というか一番手っ取り早い回答
まずは一番元も子もない回答を提示します。
「勉強しろ」「場数踏め」「ストイックにやれ」の3つです。
昭和の精神論も真っ青になるくらい元も子もない答えですね。
しかし、実際そうです。「音響」に関すること全てに自信ニキになりたければそれくらいの精神論で突っ走ってもらう以外ありません。
とはいえ教材はあまり無いしアカペラは手探りでやることが美徳みたいな風潮もあるため、学習として極めて非効率的な上に我流を突き進んでねじ曲がった理論をTwitterでイキり散らす害悪にはなってほしくないので音響に関する学習に自信ニキになりたい方はこちらから僕がLINES向けに執筆したPA入門書を読んでみてください。
この大きすぎる主語を細かくしましょう
流石にこのままこの記事を終わったのでは昭和の精神論を振りかざす害悪なOBとして嫌われそうなのでもう少し細かく主語を分けて説明します。
アカペラサークルにおける「音響が上手い」は主に3つに分けられるのかなと思いますのでそれらを順を追って触れていきましょう。
設営が早い
テキパキとライブのときは率先して機材を運び設営をバッチリこなす人。
そんな人は「設営が早い人」です。
これに関してはかなり簡単に自信ニキになれます。
特にサークルでは同じ機材を何度でも使いますね。
同じ機材なら慣れの問題でしかありません。
ケーブルの規格やケーブルの取り回しに関するいくつかのお約束を覚えればあとはそれをライブする部屋に応用するだけです。
もうワンステップ先を行きたい場合は機材の特性や使っている機材の型番、そして音に関するごく簡単な知識(指向性)を認識するとなお一層Goodです。
ゲイン取りが上手い
マイクに向かって「ハッハーァ…チェック!」といってバッチリハウリングしないシステムを作れる人。
そんな人は「ゲイン取りが上手な人」です。
ここで思考放棄してしまう人は方法をよくわかっていないことが問題なケースが多い印象です。
6割座学、4割経験です。
方法さえわかって5~6回実践することがあればだいたいコツが掴めてきます。
メソッドの理解と定着が大事なため、こちらからチューニングとゲイン取りに関する項目を読むと良いでしょう。
(上のGoogleドライブと同じリンクです!)
音作りが上手い
バンドに合わせてパキパキでノれるサウンドを作れるPAの花形のような人。
「音作りが上手な人」です。
ここで躓く方は沢山ライブを聞いて「自分の好きな音」を確立させることが先決です。
音作りのプロセスを一言でいうと「答え合わせ」です。
自分の中のいい音の定義がある程度固まっており、それといま出ているの音のギャップを狭める作業が必要になります。
そのため、まずは自分が好きな音はどんな音なのか、というところを理解する必要があります。
体感ですが、関東はドンシャリ派が多い印象です。
理想と現実のギャップを狭めるにあたりどのようなアプローチが効果的であるかはケースバイケースです。
そのため、自分の理想に近づけるための手数を増やす必要があります。
そのため、EQやコンプレッサー、リバーブやディレイ、サチュレーターといった基礎的なエフェクトの効果を学び、どのような手立てがどのような効果をもたらすかということを感覚的に理解する必要性が出てきます。
この辺りはマイク練習のときにミキサーで遊んだり、DAWでエフェクトのパラメータをいじくり回して試したりしてみましょう。
「いい音づくり#102」では基本的なエフェクトのみにフォーカスを当てて解説を行っているため読みやすいかと思われます。
また、ライブ会場によっては自分が行った手立てが却って悪影響を与えることもあります。部屋の形や機材の設置方法などによる環境の問題です。
そのため、これらの環境に抗いつつ自分の理想を追い求めるための知識も必要になってきます。これは自己防衛に近い感覚かもしれません。
マイナスの状態をゼロに持っていかなければプラスに持っていくことは困難ですからね。
音作りというカテゴリは今の音を理想に近づける作業であると先程言いましたが、理想を追い求めることと同じくらい重要なこととして「諦めること」も必要になります。
時には演者のクオリティやリハーサルの有無などが原因であまり音に拘る時間がないことがよくあります。
なので音作りに関しては妥協するラインの目安を自分の中で確立させることも重要です。
「まぁ~これくらいの鳴りで鳴ってりゃ全然良いっしょ~!」位のノリでやらないとストレスで禿げ上がります。
確かにサウンドエンジニアとして観客&演者と真摯に向き合うことは大事ですが、程々に、、ということですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
漠然と存在する「音響が上手い」というイメージを3つに分割して解説してみました。
もちろん横断的に全てに詳しくなりたい!という方もいると思いますが、最初は自分が普段サークルで行っている担当の仕事に沿った部分から知識を嵩増ししていくことで全体のイメージがつかみやすくなると思いますので、軽い気持ちで入門書を開いたけどどこから読めばいいかわからないという方向けにスタート地点をいくつか提示してみました。
この記事が気になった方やもっと知りたい!となった方はTwitterやnoteのフォロー、そしてこの記事のRTや拡散にご協力をお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございました、もりーでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?