#30: 【1万↓】格安で録音環境を作ろう!【松竹梅】
こんにちは、もりーです。
あけましておめでとうございます。
今年も相変わらず平均月2本くらいのペースで更新できたらいいなと思っています。
早速ですが音源作りたくないですか?
2020年春を境に一気にアカペラ界隈では音源を作る文化が浸透してきました。
そんな中でもやはり自前で機材を買ったり自分で作品を作ることに高いハードルを感じている人が意外と多く存在しています。
そこで、この記事さえ読めばどんな機材が必要でどのくらいの予算が必要になるのかをざっくりと解説したいと思います。
3つの録音方法
以前書いた記事「#22: 「1」から始めるアカペラ作品〜LINE録音のすゝめ〜」で解説した通り録音には3種類あります。
① 2MIXのLINE録音
ミキサーからでる音をそのまま録音する方法。最も簡易的。
② マルチトラック録音
バンドメンバー全員で同時に録音する方法。時間効率がいい。
③ 重ね録り
一人ずつ録音する方法。最もクオリティが高く録音できる。
という感じですね。
詳しく知りたい方は上のリンクから記事を一読してきてください。
今回は
【家や安いスタジオ】で【高音質】に【安く】
録音環境できる機材セットを紹介したいので
方法③【重ね録り】にフォーカスを当てた機材を紹介したいと思います。
宅録に絶対必要な機材
これから先は【宅録】という言葉を使っていきます。
宅と書いているので自宅を想像しますが、自宅だけに限りません。
宅録:レコーディングスタジオ(及びエンジニア)を利用せずに録音すること。
つまり、リハーサルスタジオで録音しても大学で録音しても家で録音しても全て宅録です。
宅録には以下の5点のアイテムが必要不可欠です。
PC(またはiPad)
DAW
マイク
オーディオインターフェース
有線イヤホン
こう見ると意外と既に持っているものがあると思います。
持っていなくても買わなくて良かったりもします。
順に解説します。
PC 【録音からMIXまで全ての工程で使用】
ノートパソコンでいいです。
WindowsでもMacでもどちらでも問題ありません。
性能が良いに越したことはありませんが映像編集ほどスペックは求められないので生協のノートパソコンでも全く問題ありません。
DAW 【録音からMIXまで全ての工程で使用】
ノートパソコンで利用するオーディオ専用のソフトです。
作曲から仕上げまでをサポートしてくれます。
無料のものもあるので問題ありません。
マイク 【録音時に使用】
声をパソコンに入れるために必要です。
音質を左右させる要因の一つなのでできる範囲で拘りたいです。
オーディオインターフェース 【録音からMIXまで全ての工程で使用】
マイクから入ってきた音をパソコンが認識できる形に変換してくれる機械です。
パソコン内の音を劣化させずにイヤホンに流してくれる機能もあります。
パソコンについているヘッドホンジャックよりも正確に音を聞くことができるのでできる範囲で拘りたい部分です。
今後I/Oと記載します(IN/OUTの省略)
有線イヤホン 【録音からMIXまで全ての工程で使用】
何でもいいですが極端に味付けのあるイヤホンは避けたほうがいいです。
iPhoneに昔付いていたような開放型イヤホンは音漏れするのでNG。
録音時はメトロノームと自分の声を聞くために必要です。
無線イヤホンは遅延するのでNG。
カナル型で有線のイヤホン推奨。
おそらく一般アカペラーが持っていないものはマイクとDAWとオーディオインターフェースでしょうか。
DAWは後ほど紹介しますが無料のものがあるのでそれをダウンロードしてインストールすればOKです。
マイクは所属しているサークルからSM58とケーブルを借りることができれば無料で利用できますし、買うにしてもピンキリなので予算に応じて調整が効く部分です。
スタジオでも1時間200円ほどで借りることができます。
オーディオインターフェースが最も拘りたい部分で、買わないと話にならない根幹です。
マイクやイヤホンなどもセットで紹介しますが、ご自身や財布の状況に応じて適宜抜いて下さい。
とりあえずこの機材買えリスト
梅コース【金無さすぎやる気だけはあるよコース】
PC:既に持っている想定
DAW: Studio One 6 Prime / Pro Tools intro (好きな方)
マイク: SHURE / SM58 ケーブルセット ¥12,500
I/O: PRESONUS / AudioBox GO ¥8,870
イヤホン: MACKIE / CR-Buds ¥2,770
変換アダプター: CLASSIC PRO / ASN221M ¥150
合計:¥24,290
マイマイク所有済みの場合:¥11,790
イヤホンも所有済みの場合:¥9,020
イヤホンのみ所有の場合:¥21,520
こちらのコースですと2.5万以内で完結します。
安かろう悪かろうと思いがちですが意外としっかり録音できます。
本当にお金がなくても週2のバイトを一ヶ月、または単発バイト3回で買えちゃいます。
竹コース【失敗したくないよコース】
PC:既に持っている想定
DAW: Studio One 6 Prime / Pro Tools intro (好きな方)
マイク: SENNHEISER / E935 ¥17,300
ケーブル:CANARE / EC05-B(XX) BLACK ¥2,280
I/O: FOCUSRITE / Scarlett Solo (gen. 3) ¥13,700
イヤホン: SENNHEISER / IE100PRO ¥12,870
変換アダプター: CLASSIC PRO / ASN221M ¥150
合計:¥46,300
マイマイク所有済みの場合:¥29,000
イヤホンも所有済みの場合:¥16,130
イヤホンのみ所有の場合:¥33,430
こちらは4万円台コースです。
一気に録音のクオリティと聴ける音のクオリティが向上するためここが低予算でのスイートスポットかと思います。
マイクのE935はライブでも必ず僕がおすすめするマイクの一本でもあります。
上品な音でニュアンスが伝えやすいマイクなのでべーパからリードまで幅広く活躍してくれます。
松コース【学生のゴールコース】
PC:既に持っている想定
DAW: Studio One 6 Prime / Pro Tools intro (好きな方)
マイク: audio technica / AT2020 MS40ショックマウントセット ¥12,000
ポップガード: MXL / PF-002 ¥2,420
マイクスタンド:CLASSIC PRO / MSB/BLACK ¥1,980
ケーブル:CANARE / EC05-B(XX) BLACK ¥2,280
I/O: MOTU / M2 ¥29,697
ヘッドホン: beyerdynamic / DT770PRO 250Ω ¥19,800
合計:¥68,177
オーディオインターフェースを低価格最強のMOTU M2へ。
MIXも視野に入れイヤホンではなくヘッドホンへ。
コンデンサーマイクとマイクスタンドを利用しより繊細な音源へ。
竹コースを全体的にスペックアップさせたコースです。
これらを買えば間違いないです。
松+コース【MIXにも手を出すなら】
PC:既に持っている想定
DAW: Studio One 6 Professional ¥52,800(5台まで可)¥26,950(学割適用) / Logic Pro X(Macのみ) ¥31,800
マイク: audio technica / AT2020 MS40ショックマウントセット ¥12,000
ポップガード: MXL / PF-002 ¥2,420
マイクスタンド:CLASSIC PRO / MSB/BLACK ¥1,980
マイクケーブル:CANARE / EC05-B(XX) BLACK ¥2,280
I/O: MOTU / M2 ¥29,697
ヘッドホン: beyerdynamic / DT770PRO 250Ω ¥19,800
スピーカー: YAMAHA / MSP3A ペア ¥32,800
スピーカースタンド: CLASSIC PRO / MST2 @ ¥2,780 ×2 =¥5,560
スピーカーケーブル: audio technica / ATL474A/3.0 ¥960
合計(Studio One 6 Pro 通常価格):¥160,297
合計(Studio One 6 Pro 学割価格):¥134,447
合計(Logic Pro X ):¥139,297
DAWを有料版へ。
モニタースピーカーを導入。
高コスパなものだけを選びましたがやはり13万前後はしますね。
モノは良いので少しずつ買っていくといいかもしれません。
2大無料DAWの違い
先程挙げたリストの中でStudio One 6 PrimeとPro Tools introという2つのDAWを紹介しました。
どちらも無料のDAWで使い勝手もバツグンなのですが違いがあります。
Studio One 6 Primeは完全無料で利用できるDAWですが拡張機能が乏しいです。
プラグインというエフェクトなどの外部ソフトを動かす事ができません。
そのため、大人気のiZotopeシリーズ製品などを利用することができません。
最初から付属しているエフェクト郡はかなりしょぼく、必要最低限といった感じなので拘ったMIXなどはできません。
しかし、録音する分には有料版と全く同じです。
宅録だけしたい!MIXは知り合いに頼む!!って人は絶対こっち。
Pro Tools introも同じく完全無料で利用できるDAWです。
上記のStudio One 6 Primeのようなプラグインに関する制限もありません。
ただ、利用できるトラック数に制限があります。
オーディオトラック、MIDIトラック、FXトラックなど全てのトラックを含めて8トラックまでしか利用できません。
そのため、アカペラであれば8声までのMIXしかできないことになります。
MIXをかじりたい!という方はこっち。
このように本当に一長一短です。
個人的にはStudio One 6 Primeを使いつつ、お金が溜まったらStudio One 6 Professionalにアップグレードすることが良いと思います。
トラック数に制限があると少なからずフラストレーションが貯まるのでどうしても外部プラグインを利用したいという方以外はStudio One 6 Prime 推奨です。
有料版DAWを買うメリット
有料版のDAW(Studio One 6 ProfessionalやLogic Pro Xなどなど)は安くありません。
コスパ最強のStudio One 6 Professionalでさえ正規価格ですと5万円します。
じゃあなぜそんな高いソフトを買うのか?
MIXのためです。
アカペラのMIXではもっぱらピッチやタイミングの編集を行うことが前提になっています。
どんな上手いバンドでもピッチ編集を全くせずに完璧に一曲通してハモるというのはほぼないと思います。
Logicでは最初からピッチ編集機能が付属していますし、Studio Oneには世界一売れているピッチ編集ソフトのMelodyneが付属しています。
Cubaseなども同様です。
ピッチ編集を行う前提であるのでピッチ編集機能が必要であるということです。
他にも、トラック数の制限や無料版には付属していない莫大なエフェクト群、サードパーティ製プラグインの利用など数え切れないほどメリットがあります。
とにかく自由、ということです。
MIXなどの作業をする際に無料のソフトたちを行ったり来たりするよりも一つのソフト上で腰を据えて作業するほうが効率もよく、ワークフローとして完成しています。
また、Studio Oneは頻繁にセールを行っており、セール時に友人4人と割り勘をすると一人当たり4000円弱でProfessional版を利用できるため、有料版は可能であれば導入したほうが絶対に楽です。
無料でどこまで抗えるか
ソフト系に一切お金をかけず無料版DAWで抗うとすれば色々なソフトを組み合わせて利用することが求められます。
ここでは詳しく触れませんが
ピッチ編集 → Vocal Shifter LE
マスタリング → LANDR / 音圧爆上げくん
など無料で活用できるサービスがあります。
それらをうまく使いつつMIXを仕上げることでかなり近づくことができるとは思いますが、初心者が取っ付くにはあまりにも煩雑なので触れません。
まとめ
今回は格安で宅録環境を作るにはいくら位かかるのかを概算してみました。
もちろん書かれている機材よりも安い機材はあるので極限まで安く使用と思えば安くできますが、1年以上使うことを考えるとコスパが良い製品を選ぶほうが間違いないと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今年もよろしくお願いいたします。
告知
最後に告知です。
【寄稿しませんか?】
僕一人で投稿できる記事の数や話題の範囲には限界があります。
ゆくゆくはアカペラのノウハウの玉手箱のようなnoteにしたいなと思っていますので、皆さんのお力を借りたいと思います。
皆さんの知ってるアカペラ(とその周りの技術)に関する情報や宣伝をnoteに寄稿していただける方がいたら是非ともDMお願いします🙏
ジャンル、書き方の形式等は基本的に問いません。
アレンジや歌い方、ステージング、写真、映像などは当方からっきしですので大・大・大募集中です。
これと言った謝礼は今のところできませんが、読者の層の拡大などのためにご協力いただければと思っています。
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再三になりますが、本当にご協力いただけるアカペラーの方がいらっしゃいましたらTwitterへDMをお願いします。
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