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海の音



はじめに

先日、休みの日に犬を連れて、宮城県にある菖蒲田浜海水浴場に行ってきました。私は時々、夕方に家族や犬を連れてここに来るのですが、いつも人が少なく、静かで景色がキレイな海岸なので、とても気に入っています。

昔、波の音は低音から高音までが混ざり合っており、その音が赤ちゃんがお母さんのお腹の中で聞く音に似ているため、気持ちが落ち着く効果があると聞いたことがあります。確かに、犬を連れて散歩に行くとき、近所の公園に行った後と海に行った後では、なんとなく身体の疲れ方や気持ちが違うような気がします。そこで、少し調べてみることにしました。

ホワイトノイズと胎内の音

お母さんの胎内には、心臓の音や血流の流れなど、低い音から高い音まで様々な音があり、それがいわゆるホワイトノイズに似ているようです。だから、その音を聞くと落ち着くらしいのです。よく(今はもう聞けませんが)、テレビの砂嵐の音やビニール袋を擦る音を赤ちゃんに聞かせると泣き止む、という話がありますが、それはこれらの音がホワイトノイズに似ているからだそうです。

ホワイトノイズ:全ての周波数帯域にわたって等しいパワーを持つノイズのことを指します。具体的には、ホワイトノイズの周波数は0Hzから人間が聞くことができる上限(約20kHz)までの範囲にわたって、全ての周波数が均等に含まれています。このため、ホワイトノイズには特定の周波数というものはなく、広範囲の周波数が同じ強度で含まれています。

録音した波の音の周波数

今回、録音してきた波の音を確認してみたところ、以下のような結果になりました。確かに、低い音から高い音まで満遍なく周波数が広がっていますね。

この波形を見ると、右側の10K Hzより上の部分が少し小さな山のようになっていますね。これはマイクの特性ではなく、波が弾けてシュワーっとなる部分の音です。最初は、海岸の開けた場所で録音していたのですが、うねるような低音が大きすぎて、中高域の水の音がバランスよく録れなかったため、海岸と防波堤の間にある場所に移動して録音した結果です。

1/fゆらぎ(1/f fluctuation)

調べていたら、もう一つ面白い情報を見つけました。1/fゆらぎ(1/f fluctuation)というもので、自然界や音楽、経済現象、そして生体現象など、さまざまなシステムに見られる特徴的なパターンやリズムのことです。これは、周波数fに反比例して信号のパワースペクトルが変化することを意味します。具体的には、パワースペクトルが1/fに比例して減少するようなゆらぎのことを指します。特徴として、以下の点が挙げられます。

  1. 自然界に多く存在: 1/fゆらぎは自然界の多くの現象で見られます。たとえば、心拍のリズム、川の流れ、音楽のリズム、葉っぱの揺れなど、リズムの変動が完全にランダムではなく、ある程度の規則性を持ちながらも予測不能な要素が含まれている場合に、この1/fゆらぎが観測されます。

  2. リラックス効果: 1/fゆらぎを含む音やリズムは、ヒトにリラックス効果を与えることが知られています。たとえば、焚き火の音や小川のせせらぎの音などは、この1/fゆらぎを持つとされ、脳内をα波の状態に導き、リラックス効果やヒーリング効果が期待できるとされています。さらに、α波の状態は、ストレスの解消や集中力の向上、免疫力の向上にも寄与することが研究で示されています。これらが心を落ち着かせる効果があると考えられています。

風の音

通常、外で環境音を録音する際には、ウィンドスクリーンやデッドキャットといったフカフカしたカバーをマイクにかぶせて風切り音を抑えます。しかし、実際に使用してみたところ、中域の周波数(おそらく低域や高域も)が大きく抑えられてしまったため、使用を諦めました。

録音した波の音

こちらは、YouTubeにアップした波の音です。60分間の音源で、96kHz、24ビットステレオ(2チャンネル)で録音しました。

さいごに

上述の通り、波の音には心と体をリフレッシュする作用があるようです。ぜひこれを聞いて、日々のストレスを解消してください。リラックスや瞑想、勉強や仕事の集中を助けるBGMとしても最適かもしれません。


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