001:ビー玉から拡がる世界
アートレッスン内容
ビー玉を様々な色で描く
ビー玉の中に創造でいろいろなモノを入れてみる
大きなビー玉の中にストーリーを閉じ込める
レッスンの経過
1.白い画用紙に白のクレヨンで丸を描くところからのスタート
まずは、ビー玉の「透明」をどう描くかがポイントです。
多くの子供たちは「○○は●●色」という幼児教育を受けているので、色の選択に自由がなくなっています。
もちろん、「○○は●●色」という常識はとても重要ですが、絵を描くときにそれに縛られる必要はありません。
色は光ですから、もっともっと複雑な色の集合です。
人によってもわずかに色の見え方が違うくらいですから、1色で表現できるものでもありません。
しかし、「○○は●●色」という思考のこどもたちは、ビー玉の「透明」を「白」で表現しようとします。
こどもたちは、白い画用紙に白いクレヨンで丸を描いていきます。
当然、描いたものはとても見えにくい状態ですよね。
アートクラスのレッスンでは、まず初めにこの状態から色に対する発想のブロックを壊し、第一歩を踏み出します。
2.ビー玉の中身は何かな?
レッスンに使うビー玉の中には模様が入っています。
透明のガラスの中に色のついた模様が入っていますが、何かのカタチではないので、すぐにこどもたちは飽きてしまいます。
大人ののように、じっくり観察して描くことに楽しさを見出すのはもっと先です。
そこで「遊び」の発想の出番です。
どうしたら楽しいビー玉になるでしょうか?
発想①好きなものを創造で入れてみよう
「見えているものだけを描く」というルールはありません。
それは脳が作り出しているルールです。
大人になるとこのルールにがんじがらめになりますが、こどもたちはこのルールがまだ柔らかいものですので、とても柔軟に対応できます。
ビー玉の丸の中に「好きなものを入れて描いていい」とわかると、途端にテンションが上がります。
猫
お花
葉っぱ
好きなキャラクター
蜘蛛
海
ゾウさん
オバケ
何でも入れていきます。
こともたちのアイディアは止まりません。
発想②大きいビー玉に好きなものを複数入れてみる
次に、ビー玉のサイズを変えてみます。
好きなものをたくさん入れるには、小さい丸では空間が足りなくなるからです。
自然にサイズを大きくできるお子様もいます。
「好きなものをたくさん入れるにはどうしたらいいか?」という課題を自分で解決できた瞬間です。
こういう時はたくさん褒めてあげたいですね。
紙いっぱいに大きなビー玉を描いて、その中に複数の好きなものを入れていくと、不思議なことが起こります。
3.大きなビー玉の中でストーリーが展開する
ガラスの小さな玉の枠を飛び出したこどもたちの発想は、とても自由です。
この段階になると、ビー玉の中で好きなものたちが動き出して、こどもたちはお話を作り始めます。
黒猫ちゃんとお花のお話し
大好きなプリンセスキャラクターのお話し
大きいビー玉の蜘蛛の巣が転がって葉っぱもお花もくっつけちゃうお話し
こどもたちはレッスンの終わりの時間になっても、溢れてくるアイディアをとめることができないくらい素晴らしいアーティストになっています。
終わりに
ビー玉から始まったお絵描きは、ストーリーの創造や課題解決という「発想」を経て作品へと昇華しました。
こどもたちの発想を引き出すには、ステップが必要です。
いきなりできるようにはなりません。
楽しく引き出すには「遊び」のステップが効果的ですので、当スタジオではこの「遊び」のステップを軸に、無理なくこどもたちが「発想」できるレッスンを行っていきます。