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【身体】土踏まずって何の役割?

足の裏全体を地面につける歩き方を「蹠行(せきこう・しょこう)」と言います。そして、ネコやイヌのように指だけをつける歩き方を「趾行(しこう)」、ウマやウシのように指先のヒヅメだけをつけるのを「蹄行(ていこう)」と言います。

このうち、蹠行が最も古い歩き方であり、初期哺乳類はほとんどがこれだったそうです。現在、この歩き方をしているのは霊長類、クマ、パンダ、ネズミ、ウサギ、モグラ、コアラあたりだそうです。走る能力が上がっていくにつれ、趾行から蹄行へと適応していったようです。確かに蹠行をしている動物はノソノソ動くイメージがありますよね。ウサギやネズミは走る時だけ踵を浮かすイメージです。

じっとしている分には蹠行が一番安定しています。したがって蹠行でない動物たちは四足歩行が必須となるわけです。実のところ、蹠行のクマですら普段は四足歩行です。そちらの方が安定するからです。

じゃあ二足歩行を常として進んでしまったヒトは四足歩行をやめて失った分の安定性をどうやって取り戻したのか。そう、それが土踏まずの存在なのです。土踏まずを作ることで、足の裏を前後に分けることに成功したのです。踵と母趾球〜子趾球のエリアとなります。前後に分けるだけでも両足×前後で4点接地となり、安定性が稼げるのです(もちろん四足歩行には敵いませんが)。さらに母趾球〜子趾球を2点と使うことで、片足において3点接地が実現できます。土踏まずが浮いていることにはこういう意味があったのです。

足の裏のアーチは速く走るためのものではなく、安定性を生み出すためのものである。そんな視点がここで明確になってきました。

土踏まずが内側にあることの意味は、また別記事で。しばしお待ちください。

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