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「アート」の文脈を使うの、流行ってる気がする

最近、この本を筆頭にアートとビジネスを合わせて語る文脈の本が多く出ている気がする。これらは超ざっくり言うと、「アーティスト的な思考や、行動方式をもつ経営者は強い」的な話だ。

例にもれず僕もまたそういう本をブームに乗ってしばらく色々と読んでいた。そこで、「アート」ってそもそもどう言う物であって、どう言う状況なの?と言うところが地味に気になり、ちょっと自分でも調べて見たりした。ので、ふわっと書いていこうかと思う。

●日本のアート市場が小さいと言う話

アートってそもそも何なのか?Wikipedia曰くは、

アートとは、芸術・美術など間接的に社会に影響を与え得るもの

らしい。「芸術」は文芸・造形・音楽・演劇・映画などを含む総合的な言葉で、「美術」は目で見える「視覚芸術」を基本的には指す物らしい。

なるほど…?と思って見つつ、色々検索する中で「アートの市場規模」と言う物が引っかかった。(ちなみに、この文中の以降「アート」と言うワードは上の「美術」の範囲を基本的には指す物になります)

初めて知って興味深かったのだが、日本はそもそも、アートが割と大事にされているようでありながら、市場としては世界的に見て全然活性化されていない(らしい)。

世界だとアート市場は約7兆5000億円の市場だが、日本の市場は3434億円。仮にもGDP世界3位の国でありながら市場的には5%にも満たない。(出典は上記)


ただ、過去を見るとそうでもないようだ。このコラムを見ると、

「1990年には、世界のアートの輸入額の2/3をアジアが占めるようになっており、その8割を日本が占めていた。」

とある。

そう言う時代も過去にあったようだが、現在はその地位は完全に中国にとって変わられてしまった。中国では、「美術品購入を資産運用におけるリスク分散」として、つまり資産として買われているようだ。

その点、上のコラムでは、日本は「資産として美術品を持つ人が少ない」「作品の価値が上がって売却益を得た時の税金が高い」等々の理由から中国に水をあけられてしまったとしている。(こう読むとじゃあ90年代は何でそんなに多く買ってたんだ?と言う疑問が残るが…。どうやら世界的なマーケット拡大と日本のマーケットが全然違う動きをしてると言うことなのかな。いまいち横串で市場変化を見られるデータが見つからなかったのでよく分かってません、わかり次第書きます)


●結構勢いあるイメージあったけど…

でも、どうなんだろう?

個人的には、日本でアートがめちゃくちゃ市場として終わってる、と言うイメージはさほどない。アートフェアとかやってるし。

アートの島、として地方創生してる直島に置いてある草間彌生のかぼちゃと一緒に写った写真とかをアイコンにしてる女の子とかなんかいっぱいいる気するし。(下のやつ)

だから、若い層でもきっとアートに魅力を感じる人はそれなりに多い気がする。僕もそうだし。ではなぜ市場としては全然活性化してないのだろう。


ちょっといろんなところで見た範囲、

・日本人はアートを買わない国民性になってしまっている

この国民性があるのが非常に大きいようだ。なるほど確かに、主に有名美術展で美術館には行く。アートで地方創生をしてるとこにも興味ある人はそれを見に行ったりする。ただ、基本的に「アートは美術館で見るもの」と言う意識が根強くあり、なるほど確かに「アートを買って家に飾りたい」と言う意識に至っている人がかなり少ない。僕も美術館には行くが、自分でギャラリーに行って絵を買おうと思ったことはないな…。


そのほかに、アーティスト側から見てもこのような問題点がありそうだった。

・多くの仲介者が販売ルートにいてアーティストの手取りが少ない
・(特に現代アートは)アーティストが作品を売るチャネルが少なく、売れる機会が少ない
・日常生活でアートを身近に感じない人が8割近くいる

とにかく、国民性と環境があいまって、お金に非常になりにくい状況になっているらしい。

これは「美術」ではなく「芸術」だけど、僕がやってる音楽だって正直本当にお金にならない。好きじゃないとやってられないって感じだ。日本人ってやはり芸術にそんなにお金を出さないのだろうか…。


●何かできたら面白そう

何か解決策が考えられたら面白いのにな〜と思った。

国民性そのものをいきなり変えるのはなかなか難しい。だとしたら一番手っ取り早く色々手を打てそうなのは

・日常生活でアートを身近に感じない人が8割近くいる

これだろうか。

自分はそうでもないからさほど気づかなかったが、アートを身近に感じていて、アートにお金を出す、お金を持ったら買う、と言う文化が浸透すれば、全体的にある程度改善しそうな気はする。

できるとしたら教育の段階は一番いいだろうか。大学のラウンジとかにサイネージを置いてそこで簡易的な美術展をやる、とか。自分のSNSのいいねの履歴などから、自分が好きそうなアート作品をAIが探してきて提案してくれても面白いかもしれない。そう言う作品を気軽に買える即売会をイベントにして、エレクトロニカ的な音楽のライブとか、植物展とかと組み合わせたら結構面白そうなイベントになりそうな気もする。

あとチャネルが少ない、と言う話はもしかすると3Dとかのちゃんとしたバーチャルの取引プラットフォームみたいなものができたりしたら面白いのかな。高額な商品は事前に3Dプリンターで刷れるようになっててどんなものか試しに見られる、とか。


こう言うの、もっとちゃんと考える仕事したい。笑

noteだから自分の思考のメモ程度に、と思って文献採集とかもすごい薄くやってしまったけど、ここまで読んでくれた方、(いたら)ありがとうございました。

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