転職前夜③「聴く成功哲学」×「冒険投資家」【Hiro’s】
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「経営者か投資家」に、、
それがインプットされたはいいものの、どうやったらそうなれるかイメージが湧かなかった。
地方の支店で遊ぶに出る先もなく、残業なしで帰れる日も多かったので、本屋にいって、関係しそうな本を買い込んだりした気もするけど、覚えてるのは「何を読んだか」でなくて、「何を聴いたか」だったりする。
Febeという「オーディオブック」のサイトから、気になる本を大量にダウンロードし、MP3プレイヤーに保存して、とにかく何度も何度も聴きまくった。地方の法人営業部、僕の営業先支店から最も遠いエリアだったこともあって、毎日、訪問のために営業車で片道1時間、往復2時間は当たり前だった。この時間を有効活用したいと、オーディオブックに行きついた気がする。それまでは、レンタルCDから落とした曲を流してカラオケの練習をしていたのが、「ユダヤ人の発想法」、「アメリカ起業家のインタビュー」、「思考は現実化する」、みたいな本を2倍速で、とにかく何冊も買いあさり、何度も何度も繰り返し聴く、ということをやった。
これは今振り返って、ある部分で、かなり効果的だった気がする。
「起業」や「投資家」について実践のための「What?」や「How?」がわかるまではいかないまでも、
起業家や、投資家と言われる人たちの、モノゴトの捉え方、発想のプロセス、みたいなものは、何度も何度も聴いている内に、なんとなく吸収されて、感化されていった気がする。
「本を読む」となると、短期間に何度も読む、のは無理だが、
「聴く」となると集中して聴いていてもそれほど疲れず、運転しながらでもできることが大きかった。
中でも、『史上最高のセミナー』という、アメリカの成功者たちへのインタビュー集は、すごく面白かった。
『金持ち父さんのキャッシュフロークワドラント』以上に、僕の心を捉えた本は、『冒険投資家・ジムロジャースの世界バイク紀行』で、この本は、社会人2年目の夏旅の移動中にひたすら読み続けた。
学生時代にキリマンジャロを一緒に登った仲間と、モンブラン登山に行くため、成田からパリに向かい、そこから電車でシャモニに向かう旅で、その旅で読もうかなという本を、何冊か本屋で買って持っていたが、そのうちの一冊だった。当時、ジムロジャースのことを知っていたわけでもなく、投資や、経営について、ためになりそうな本を買い漁っていた中に紛れていた。
『金持ち父さん』を読んだ後は、「とにかく投資家にならないといかんのか」という、「ねばならない、でもどうしたらいい」みたいなものでしかなかったが、
この本を読んだことで、「投資家」というものの自分なりの概念や、輪郭が少しでき始め、「ぜひ挑戦したい、やってみたい」と、思うものに変わった。
気分を変えようと、途中で別の本も読んだりしたものの
東京→パリ→シャモニ→パリ→東京
の道中、ほぼ、この一冊を読み続けた
1、世の中の大局を感じ、ミクロを分析し、そのうえで未来の姿と可能性の程度までを大きく描く
2、そのシナリオの中で、成長&発展の芽があるところに、投資をし、成長&発展を実現を後押しする
3、そのシナリオの存在に気付いている人が少なく、その状態で予想があたれば、大きな経済リターンを得られる
投資家というのは、こういう仕事だったのか!
と、全身に電気が走った感覚があった。
「これから世の中がどうなっていくのか」を考えるのはなぜか好きだったし、あたることについては割と自信もあった。
「投資を仕事にすると、”未来予想”で大金を稼げる」
、、と単純に受け取ったわけでもないが、ジムが見える未来像、それを構築するための教養、歴史観、情報収集力、分析力、判断力の高さの一端を垣間見て、「感動」した。「こんな仕事があったんだ! やってみたい!」という場面で、この時以上に感動したことは、後にも先にも無い気がする。
「モンブラン登山」という、僕にとっての大きな旅の道中だったことも、吸収度を上げてくれた要因だったりするんだろう。
自分の未来予想力で簡単に飯が食えるようになれるとは、思えなかったが、ジムみたいになれるなら、どんな努力でも苦にならずにやれるんじゃないか、とは思った。
この後、すぐに投資関係の仕事に就いたわけではないが、ついこの間まで、金融への興味は皆無で、新卒で金融業界を一社たりとも受けず、「金融=金貸し」としか思っていなかった僕の頭と心に、「投資」という仕事への興味の種がしっかりと植え付けられた瞬間だったのは間違いない。
振り返ると、僕の社会人2年目は、思春期にも劣らず、未来に対して心が揺れ動き、自分の将来の道筋を考える材料に飢えていた時期だったことがわかる。
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