豊かな人生に欠かせない想像力
日本では平均すると約50%の子どもが学習塾に通っていて、中学受験をひかえる学年になると、その勉強量はどんどん増えていきます。さらに学習塾以外にも水泳や英会話、サッカー、ピアノなどに通っている場合も多く、いまの子どもたちはとにかく毎日ホント忙しい!!
毎日予定に追われるように過ごしている子どもたちは、記憶することはあっても想像することはほとんどないように感じています。
私は想像力を『自分の知識や体験を超えてイメージする力』と定義していますが、なぜ豊かな人生を送るうえで想像力が大切なのでしょうか?
① コミュニケーションが上手になる
自分は経験したことがない事柄に対して他者の想いを汲み取ったり共感したりするには、その人の立場で想像することが必要です。想像力を使わないと、つい自分の記憶(知識や経験)を軸に一方的にアドバイスや評価をしてしまい、それでは良い人間関係を築くコミュニケーションは成り立ちません。
SNSで情報を発信したり、受け取ったりする場合も同様です。
・これを読んだ人が、どんな気持ちになるか?
・これを書いた人は、どんな気持ちなのか?本当はなにを伝えたいのか?
本来『行間を読む』という習慣が日本にはありますが、最近は表面的な言葉だけを捉えて、その奥にある感情を読み取れないことが原因で、対人関係のトラブルになってしまうケースが頻発しています。
豊さの基盤は大切な人との人間関係であり、それにもっとも影響するのがコミュニケーションだからこそ、子どもたちに想像力を身につけて欲しいと思います。
② 能動的に動くことができる
「言われたことしかやらない受け身の人」が社会において積極的に好まれることは少ないと思いますが、この原因のひとつが想像力の欠如です。
想像力を使うことによって、未体験のことに対するシミュレーションが可能になります。
・物事を能動的にすすめることができる
・事前にトラブルを回避できる
変化の激しいこれからの時代では、このシミュレーションスキルがさらに重要視されていきます。
③ 長期思考になる
・とりあえずやってみたけど、なんの役にも立たなかった
・目の前の感情に振り回されて、本当に大切なことを後回しにしてしまった
・結果が出ないことに焦って、途中で投げ出してしまった
私たちは無意識だと短期思考になってしまうため、このような経験をしている方も多いと思いますが、豊かな人生を送るには、想像力を使って未来を長期的かつ具体的に描いたうえで重要なことを見極め、着実に堅実にコツコツ進んでいくしかありません。
与えられている命の時間は限られているからこそ、長期的な思考で人生をデザインすることが大切です。
脳は使っていないシナプス(神経回路の一部)を、もう要らないと判断し遮断してしまう傾向があります。子どもの頃から学校や塾、習い事で忙しくしていたら記憶に偏り、想像する時間がないためシナプスが遮断され、大人になってもコミュニケーションが上手に取れなかったり、受け身になったり、短期思考になるのは当然の結果だといえます。
子どもたちの想像力をパワーアップするには、いまより少しで良いので時間にゆとりを持たせてあげることと、そして普段から想像させるような関わりをしてシナプスを強化(習慣化)することが必要!!
想像させるような関わりといっても具体的になにをしたら良いか分からない方は、こちらのエンパワーメントノートをご活用ください。
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