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【歌詞和訳】The Wannadies / 『Might Be Stars』 -楽観も悲観もせず、真っ直ぐに夢を追い続けるポップ・スターの行進曲


◆The Wannadies と『Might Be Stars』

 スウェーデン出身のギターポップ・バンド、The Wannadies(ワナダイズ)。概要については過去の記事に記載しているのでそちらをご参照いただきたいが、エヴァーグリーンなメロディと力強いギターサウンドが魅力的な、ポップセンス抜群のロックバンドだ。

 今回和訳するのは、前回取り扱った『How Does It Feel?』と同じ1995年にリリースされた8thシングル、『Might Be Stars』。疾走感あふれるバンドサウンドで、ポップ・スターとして輝くことを夢見て歌う、爽やかな曲調のパワーポップ・ソングだ。ただし、妄信的に夢に向かうだけのオプティミスティックな歌ではなく、目の前の現実も理解した上で、それでもいつかスターになるために進み続けるという葛藤と強さの見える、深みのある歌詞が魅力的である。

◆歌詞和訳

We spend our money on guitars
Write songs about our broken hearts
We′re shit city stars

俺たちはギターに金を注ぎ込んで
ぶっ壊れた心を歌にする
クソみたいな街のスターだ

And when we don't, we′re still aware
That we're pop revolutionaires
Aren't we cool?

そうしていない時だって
俺たちはポップの革命家だと自分でわかってる
かっこいいだろ?

Some say we pretend we live in a dreamworld
We don′t think so, ooh
Rule number one, pretend it′s fun
OK now

俺たちのことを
「あいつらは夢の世界で生きてるフリをしてる」
って言う奴もいる
俺たちはそうは思わない
ルール No.1、『楽しいフリをすること』
さあ、行くぜ

Chances are we might be stars, and live forever
Chances are we might be stars, beloved forever
Chances are we might be stars, and shine until...
We fall down, ooh
We fall down, ooh

スターになって、永遠に生きられるかも
スターになって、永遠に愛されるかも
スターになって、輝き続けられるかも・・・
いつか堕ちる時まで
ああ、いつか堕ちる時まで

We know the faces one should know
We know the places where to go
We're on radio

知っとくべき奴の顔はわかってるし
行くべき場所がどこなのかもわかってる
それでも俺たちはラジオに出てる

We never stop, we carry on
Pretending life is like a song
Aren′t we cool?

俺たちは絶対に止まることなく進んでいく
人生は歌みたいなもんだろって自分に言い聞かせて
かっこよくないか?

Some say we pretend we live in a dream world
We don't think so, ooh
Rule number ten, yes, try again
OK now

俺たちのことを
「あいつらは夢の世界で生きてるフリをしてる」
って言う奴もいる
俺たちはそうは思わない
ルール No.10、『何度でも挑戦すること』
さあ、行こうぜ

Chances are we might be stars, and live forever
Chances are we might be stars, beloved forever
Chances are we might be stars, and shine until...
We fall down, ooh
We fall down, ooh
We fall down

スターになって、永遠に生きられるかも
スターになって、永遠に愛されるかも
スターになって、輝き続けられるかも・・・
いつか堕ちる時まで
ああ、いつか堕ちる時まで
いつか堕ちる時まで

◆まとめ

 以上、The Wannadies の『Might Be Stars』の歌詞を和訳した。爽やかで明るい曲調で、一見前向きな歌詞なのかと思ってしまうが、中身をしっかり見てみると、不安があってもカッコつけて進み続けようとする内容であることがわかる。音楽に没頭して、いつかスターになると信じて、そんな自分たちを「かっこいいだろ?」と言っているけど、その裏では「楽しいフリをする」「スターになれるかも、でもいつかは堕ちる」とも思っている。他人は「あいつらは夢の世界で生きているフリをしている(≒現実を見ないようにしている)」と言うけど、妄信的に夢ばかり追っているわけではなく、現実の厳しさは理解した上で「何度でも挑戦する」という強い決意を胸に抱いている。この曲は、悲観的なわけでも楽観的なわけでもなく、「いつか堕ちるとわかっているけれど、それでもスターになるために今この瞬間を全力で生きる」という、真に前向きなスピリッツに溢れた行進曲だ。現実は厳しいよねと卑屈になるでもなく、絶対夢は叶うと無責任に歌うでもなく、現実を見つめながらも果敢に突き進むこの歌詞は、夢に向かって真剣に生きている人ほど刺さることだろう。
 The Wannadies の楽曲はどれもギターの前向きなパワーに溢れていて、聴けば心の奥底から元気が湧き出てくるようなものばかりだ。特にこの3rdアルバム『Be A Girl』は普遍的なグッド・メロディが目白押しの名盤なので、ぜひ一度聴いてみてほしい。いつかまた来日してくれるのを心待ちにしている。


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