富山ひとり旅②
旅に出るまでが長くなっちゃった。
金曜日の朝5時半。富山駅にようやく到着。薄明るい。寒い。天気は曇り。
初めての夜行バスに洗礼を受けまくって打ちのめされていたけど、朝のさっぱりした空気を吸ったらすっかり元気になった。
今回は諸事情によりレンタカーではなくカーシェアを使用することにしていた。車がないとやっぱり少しきつい。
当日でも車を借りられるなんて、便利な世の中!
車の中で化粧をしたり、朝ごはんの焼き芋を買ったり…とかいろいろしてたら結局7時前。ようやく出発。
ちなみに1日目の旅程はこんな感じになった。
1日目
-雨晴海岸
-道の駅雨晴
-氷見番屋街
-高岡市金屋町
-高岡古城公園
-国宝瑞龍寺
-国宝勝興寺
-民宿たなごころ
-さくら寿司
-らくちーの
とにかく絶対に行きたいのが雨晴海岸だったので、朝イチで向かった。海岸は24時間営業だからね!
富山駅から雨晴海岸は車で40分くらい。
念願の雨晴海岸。曇りだったので残念ながら立山連峰は見えなかったけど、朝早かったので他の観光客はほぼおらず、かなりゆっくり堪能することができた。海って本当にいつまでも見ていられる。やっぱり日本海は気合い入ってんね。面構えがちげぇわ。
自然って毎秒姿を変えるから本当に飽きなくて、ニヤニヤしながら1時間くらい海岸を歩き回った。
道の駅雨晴で抹茶ソフトを買って、JR氷見線を走る電車を眺める。贅の極み。今度は冬の雨晴海岸を見たい。
心ゆくまで海を堪能したら、氷見番屋街に向かう。雨晴海岸からは車で15分くらい。近め。お土産屋さんや飲食店がたくさんあるところ。
しかし、到着したらなんと飲食店が開店前。気持ちが逸りすぎた。お土産屋さんはやっていたので、氷見カレーとか笑ゥせぇるすまんの灰皿とかを買った。タバコ吸わないのに。完全にハイである。
テイクアウトでますおにぎりが売っていたので、それを食べて海鮮の口を満たした。
番屋街の端っこの方には、なんと足湯がある。
地元のお年寄りが何人か入っており、とても和やかな空気が流れていた。観光地の足湯ってなんでこんなに最高なんだろう。
どこも最高。どこもずっといたい。富山最高。
開店前の海鮮丼屋さんに後ろ髪をひかれながら、次の目的地の高岡市金屋町に向かう。番屋街から車で20〜30分。
ここには鋳造体験できる工房「鋳物工房 利三郎」さんがあり、雨晴海岸と並んでここも絶対に行きたい場所の一つだった。
お店に行くまでの道が超絶細くて、車の運転慣れてないとちょっと大変かもしれない。でもそれが楽しい…っ!
街を散策していると、地元の方がきさくに話しかけてくれる。良い雰囲気である。
特に予約はしてなかったのだけど、平日だったこともあり、飛び入りでも鋳造体験できた。外国人観光客もたくさん訪れているみたいだから、土日はかなり混んでると思う。
お店の奥に案内してもらっていざ!鋳造!
ペーパーウェイトや箸置き、風鈴、小皿、ぐいのみなど、体験できるものは何種類かあって、迷いに迷ってぐいのみを作ることに。
鋳造に使用する錫は、高いイオン効果があること、熱伝導率が高いことから、酒器に向いているらしい。
砂を固めた型に、絵や模様を彫っていく。何を描くか迷っている時間も楽しい。急かされることもなく、こちらから「できました」と伝えるまで、職人さんは私をほっといてくれたのもすごく嬉しかった。無視はしないけどほっといてくれる人、大好き。
錫を高温で熱すると、あっという間に溶けていく。それを型に流し込み、水を張ったバケツに入れて冷やす。そうすると、すぐに固まる。すごおおおおおおおい。ファイヤー!ウォーター!
体験が終わるとお茶とお菓子を出してくださって、地元のお話を聞かせていただいた。冬はすっごく雪が積もるんだそう。そこで「高岡古城公園がおすすめ」と聞いたので、当初予定にはなかったけど行ってみることに。金屋町からもけっこう近い。
ここの公園、めちゃくちゃ広い。そして園内になんか動物園まである。しかも無料。動物大好きな私が無視できるはずもなく、端から端まで2往復した。大好きな馬もいた。公園でしばし休息。
もうここまででもかなり盛りだくさんなのだけど、まだまだ行くぞ。
お次は国宝、瑞龍寺。本当に美しかった。歴史的にすごいのはもちろんのこと、古い建物が大好きな私は本当にドキドキした。なんと、織田信長の石廟もある。日本史が苦手な私でも知っている、あの、織田信長だ。
石廟があるところはお寺の中でも一層緑が茂っていて、とても静かだった。
歴史上の人物も、確かに同じ日本で生きていたんだなあ…と思うととても不思議な気持ちになる。
まだまだ行きます、お次は国宝、勝興寺。荘厳という言葉がとても似合う瑞龍寺に対して、勝興寺は楽しめるお寺。もちろんとても歴史的で美しいお寺であることに変わりはないけど、勝興寺には七不思議があり、それを見つけながらお寺を見て回るのがとても楽しい。
とこんな感じで1日目、朝からたっぷり富山を満喫したところで、今回のお宿、朝日町にある民宿へ向かう。富山駅から車で1時間くらい。
この民宿はTwitter(X)で知った。年齢が近い女性が切り盛りしている民宿で、民宿のオープン前からフォローをしており、オープンしてからは「富山に行くなら絶対にここに泊まるぞ」と決めていた。
民宿に着いたのはすっかり暗くなってから。
家主のなつめさんが、民宿周辺のおいしいお寿司屋さん「さくら寿司」さんを教えてくれたので、そこに行くことに。車なのでお酒は飲めないけど、お店の方もお客さんもみんな優しく、美味しいお寿司がさらに美味しい。
観光を楽しみ、お腹が満ちたら、あとは何でしょうか。
そうです、お風呂です。民宿のすぐ近くにある「らくちーの」というスーパー銭湯へ。ここがまた最高だった。
ご飯も食べられるみたいだし、食品や飲み物も売ってる。アイスの自販機もある。ビンの牛乳もある…!天国…!
とりあえずまずお風呂に入らないことには何も始まらないので、大浴場へ。内湯と露天があり、内湯は結構人がいる。露天は誰もいない。人混みが嫌いな私は迷わず誰もいない露天風呂へ。
露天には大きなテレビがあって、ある程度長い時間いても飽きない。無音もいいけど、このテレビの雑音がまた地元感があっていい。頭にタオルを乗せてしっかり温まる。か、開放感〜!沁みる〜!旅先の素敵な温泉もいいけど、こういう銭湯も大好き。
色々な人がいて、色々な日々を過ごしている。自分の知らないところで誰かの日常が進んでいる。旅行は、それをじんわり実感できる。
気が済むまで露天に入ったら、次はマッサージチェア。
なんだか凄そうな、繭みたいなマッサージチェアがあったので、ありがたくこもらせていただく。一息ついたら、自分が疲れてることに気づいた。まあそりゃそうなのよ、だってこっちは夜行バスから始まってるから!
いい感じに解された身体と疲労に充実感を感じつつ、自販機で瓶の牛乳を買ってぐいっと勢いよく飲む。最高。こういうのがしたかったんじゃ…。幸せ…。
帰りにロビーでおつまみと地ビールを購入。パーフェクト。最高の1日だった。
民宿に戻って、猫のねねさまを眺めながら地ビールを飲んで、最高の1日目が終了した。畳にお布団にねこ。これ以上何がいるっていうんだろう。いや、いらない(反語)。明日はもーっと楽しくなるよね、ハム太郎。