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このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。


今回のテーマは「肩こりの原因と慢性化させない対策」です。


●体の感覚と「こり」という表現


▼季節を問わず起こる肩こり


何かの病気や怪我でもないのに痛みや疲労を感じるところがある、このようなものは不定愁訴と呼ばれます。

その中でも肩こりは多くの方が訴え、順位づけをすると上位に記されることが多い症状です。

小学生のころから肩こりで治療院に通っていたという方もいらっしゃいます。

これからより寒さが感じられ、身体が縮こって無意識のうちに力が入ってしまうという訴えが多い時期になることが予想されます。

とはいえ夏場でも肩こりがある方が多いので慢性的なものということが現状だと思います。

それでも肩こりがあって仕方ないとは考えず、凝ったり疲労が溜まったりは日常生活で起こるもので、そのレベルが低くなること、頻度が減っていくことを考えていくことが必要です。


▼日本の独特の表現、「凝り」とは?


夏目漱石の小説「門」に、次のような表現があります。

「指で押してみると、首と肩の少し背中へと寄った局所が石のように凝っていた」

「凝り」という表現が世の中に広まるきっかけになったのはこれだという説があります。


Wikipedaによると以下のようにあり、漱石の説ともに他の見解があります。

「肩が凝る」という言葉は、夏目漱石による造語との説[注 1]があり[注 2]、さらに、それ以前はいわゆる肩こりの症状を特に指す用語は日本語になく、漱石が「肩こり」という言葉を造って、その症状を自覚するようになったとの言説がある[3]

しかしながら、『門』の発表とほぼ同時期には、「肩が凝る」を現代語と同じ用法で使用している例[注 3]は見られるし、それ以前より、「痃癖の凝り」といった表現が見られるため、この表現の源流を漱石のみに帰するのは疑問がある。

また、『それ以前はいわゆる肩こりの症状を特に指す用語は日本語にない』なる言説は、『門』以前にも樋口一葉が「肩が張る」と言う表現を用いており、また、そもそも、1686年には、当時の医学書『病名彙解』において「痃癖」として紹介されており、その俗語が「うちかた」であるとの記述があって、妥当とはいえない。従って、「肩こり」と言う言葉が生まれたゆえ、その症状を自覚するようになったと言説は、正確性を欠く。

ということです。

「肩がガチガチに凝る」、「肩がパンパンに張る」と使い分けができるように本人が持っている辛さにより訴え方が違うもので、人間の感覚と表現は奥が深いものだと思います。


●肩こり、痛みの悪循環


▼筋肉の緊張、硬直による凝り症状の発生


当然のことですが肩こりが起こる部分は首から肩にかけてある筋肉です。
筋肉の内部には血管が通っており、当然血液が流れています。
血流は私たちの体内で起こっているものですが、筋肉が動き血管の動きが伴うことでその循環が促進されます。
血液中に栄養素や酸素がありそれを細胞に届けます。
そして老廃物や二酸化炭素を回収して体外に排出するようにする役割を持ちます。
しかし、血流が悪くなることにより栄養素と酸素は細胞に届かず、取り除くべき老廃物と二酸化炭素は滞ってしまします。

その原因となるのが筋肉の緊張、硬直です。

筋肉は伸びたり縮んだりしてそのかたちを変え、私たちの体を動かし、血管に対しては血流を送るポンプのような役割をします。

したがって、筋肉の動きが少ない状態、かたちを変えることが少ない状態では血流は悪くなるといえます。
筋肉の動きが少ない状態とは、長時間に渡り同じ姿勢をとること、例えば通勤時間の数十分、座ってスマートフォンを眺め続ける、長距離の運転をするといったことです。
筋肉は縮んで硬くなる作用は自動的に行いますが、動く、伸びるといったことはその筋肉を持つ本人が動かないと起こりません。
子供が動き回ったり学校の授業で落ち着きなく動いたりするのは体の仕組みから考えると自然なことかもしれません。
動きが少ないことによる硬直、緊張が凝っている、張っているといった感覚のもとになっていきます。


▼凝りから痛み、慢性的な症状に…


凝っている、張っている筋肉の中では血流の悪さが現れます。

栄養や酸素の供給が減っていき、エネルギー源のブドウ糖が不完全燃焼を起こし乳酸などの疲労物質が発生します。

血流が悪ければその疲労物質が流されず蓄積されます。


硬くなった筋肉と疲労物質により末梢神経がダメージを受けます。

そのダメージを受けたところから情報が電気信号として感覚神経を伝わって大脳皮質へ送られます。

その信号が大脳皮質に広がって整理されて、凝り、痛み、しびれ、ジーンとする感覚として受けることになります。


さらに痛みの感覚により筋肉は緊張して硬さを増していき、慢性的な不調につながってしまう悪循環が起こります。




肩こりはやはり筋肉で起こるものなので、その筋肉に対しての処方が必要です。

欧米人は肩こりを感じない(感じにくい)とされ、肩こりと一致するような症状名はありません。

考えられる違いの一つは筋力です。

骨格が大きく筋肉、筋力も大きく強いことにより重力に対しての負担のかかり方に差があるといえます。

一方で慢性的な肩こりがあるのは筋力が落ちたご高齢の方よりも30代前後の方が多いということともあります。

これはデスクワークなどの仕事量やスマートフォンを見る時間、ストレス量の差ではないかという見解があります。


肩の筋肉への負担を掛ける大きな原因は頭部の重さです。

頭部重量は体重の約10%といわれ、その重さを主に頭と背中にかけて付着する筋肉が支えています。

その筋肉が動かない状態が続くことにより血行不良、疲労物質の蓄積が起こるのでケアが必要なポイントであり、血流改善のためのマッサージ、入浴、筋肉を動かすストレッチ、筋力トレーニングといったものが有効とされます。


●休息、トレーニングをうまく利用して改善を


▼頭や腕の重さを支える筋肉の血液循環を改善する


血流改善の一つが入浴です。

ゆっくりと体を温めて血液循環を促しリラックス効果があるものが半身浴といわれるもの、ぬるめのお湯に長めに入りましょうというものです。

もう一点は肩、首までお湯に浸るようにする全身浴です。

肩こりを生じている筋肉まで浸かることが大切だという見解で、半身浴でも全身浴でも自身の好みでよいと思います。

季節や肌質、その時の疲労感などによって体感は変わるはずです。


▼頭や腕を支える筋肉を強化する


筋肉の差で日本人と欧米人とで肩こりの有無があるとすれば筋力、筋持久力が弱いことが一因と考えられ、単純に考えても弱いほうが疲れやすいはずです。

支える筋肉を狙うとすれば、肩、腕を使う筋力トレーニングが適していることになります。


代表的なものは、僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋という筋肉です。

僧帽筋は背中の上部を覆っている筋肉です。

後頭部、背骨の胸椎から肩甲骨、鎖骨まで付着しています。

肩甲挙筋は背骨の頸椎から肩甲骨まで付着しており、僧帽筋よりも内側の層に重なっています。

菱形筋は背骨と肩甲骨の間にあるひし形の筋肉で、肩甲挙筋と同じく僧帽筋の中部の内側の層にあります。



肩こりの予防では大きい力を発揮する筋力、瞬発力よりも筋持久力の方が重要なので軽めの負荷でやや回数を多めにすることがよいと考えられます。


▼頭と腕の重さを支える筋肉のトレーニング


・フロントレイズ

ダンベルやペットボトルを重さにして持ちます。

腕を肩の高さまで持ち上げ、ゆっくり戻します。

戻す時に急に力を抜かずに重さを支えながら下ろします。

軽めの重さで、12~15回を2~3セットを目標に行います。


・シュラッグ

ダンベルやペットボトルを重さにして持ちます。

肩を耳に近づけるようにすくめて上げ、ゆっくり戻します。

戻す時に急に力を抜かずに重さを支えながら下ろします。

軽めの重さで、12~15回を2~3セットを目標に行います。


▼頭や腕を支える筋肉への負担を減らす


筋肉そのものの筋力が向上すればその分、負担に対して抗うことができるので維持、向上のために継続的に行うことが理想的です。

しかし、より強い負荷がかかれば対抗しにくくなり、そのようなことがあるたびにより強度の高い筋力トレーニングが必要になっていきます。


そのために意識をすることが負担のかかりにくい姿勢をつくることです。

背中が丸くなり、頭が前に出ている姿勢はパソコン作業がしやすかったり、仕事に集中することでそのような姿勢になったり、自分で意識的に筋力を発揮しないので楽な状態であるともいえます。

椅子に座って丸まっている状態を考えると、背骨のS字カーブは崩れ、頭は背骨の上から外れているようになります。

肩回りの筋肉をトレーニングすることでこの姿勢に耐え続けることが出来るかといえば、体にはやはり負担がかかります。

支える筋力がなければ頭は前に落下してしまいますが、そうさせないために背部の筋肉が重さによる張力に抵抗をして保っている状態なのです。

背筋をまっすぐにしようと意識的行えばそれは自分自身が発揮した筋力です。

一方、丸まって頭の重さを支えているのは受動的な筋力です。

自身が意識せずとも負荷がかかっている状態を、負荷がかかりにくい姿勢にもっていくことで負担を軽減させることにつなげたいのです。




そのために考えたいのが直接肩回りを鍛えるものではなく、丸まりやすくなる姿勢を改善させるためのトレーニングとストレッチであり、背骨を伸ばすための柔軟性をつくり、丸まりにくい関節動作を学習することが肩こりを起こす部分の負担を軽減することになります。


▼丸まって肩にかかる負担がかかる姿勢改善ストレッチ


・胸の筋肉、大胸筋のストレッチ

両手を頭の後ろに組みます。

胸を前に向かって押し出すようにして外側に広げます。

背中の上側をできる範囲で反らせます。

自然な呼吸で10~20秒程度、2~3セットを目標に行います。


・お尻の筋肉、大殿筋のストレッチ

ベッドや台の上で片足をあぐらのようにして載せます。

背筋を伸ばしたまま体を前側に傾けます。

お尻を床方向に向かって少しずつ下げます。

自然な呼吸で10~20秒程度、2~3セットを目標に行います。


●デスクワークでの肩こり対策


デスクワークが多いのであれば作業をしやすい環境に整えることも対策の一つです。

机と椅子の高さが自分にあっているか、パソコンを使うのであれば手元との距離、体が安定しないようであれば椅子そのものを替える、姿勢を保ちやすいクッションなどを置くといったことも有効だと思います。


目の疲労から肩こりを感じるのであれば、30分に1回程度、近くを見るのを休んで遠くを見るようにすることも有効とされます。

そして長時間、同じ姿勢をとることを筋肉は嫌がり、血流を悪くしてしまうものでした。

よって、座っていても意識的に姿勢を変える、これは足を組むのであれば組み組みかえたり、椅子に座ったままでもできるのであれば背伸びをしたり体を捻ったりして筋肉を動かすことがよいと思います。

状況が許されるならやはり椅子から立って少し動くということです。

座ったままではお尻は圧迫され足の筋肉の動きは少ないままです。

お尻の筋肉の硬さや弱化は不良姿勢の一因でもあり、血流は体全体のものなので肩から遠い部分からも影響します。


肩こりが起こらなくなれば100点ですが、ゼロにならなくとも辛いレベルが下がった、頭痛が起こらなくなったといっただけでもストレスは落ちるはずです。

1つでもお役にたつものがあればと思います。



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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/

本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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