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このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。


今回のテーマは「運動ができる神経を育てよう」です。


●運動ができるできないは生まれつき?


▼運動神経がよいというのは…?


皆様は現在何かのスポーツに取り組んでいるでしょうか?
その中で、とてもよい動きをする人、何かのプレーに秀でている人などいろいろな特徴があると思います。
今スポーツをしていなくても以前、学生時代などにすぐれたパフォーマンスを発揮していた人、体育の授業でも休み時間の運動でも、そつなく動きをしてしまう人が印象に残っていたり、想像ができるのではないでしょうか。
もちろんご自身が運動が得意という方もいると思います。


反対に自分は運動神経が悪いという感覚をお持ちの方もいるでしょう。
運動神経がよい、悪いということを遺伝や筋肉がある、なしによって決まると考えている、もしくは周りと比べそのように感じたことがある方もいるかもしれません。
体を使いこなす能力が優れている人はレベルの高いアスリートとして活躍しています。
そこを目指すわけではないにしても、自分が日常で快適に体を使うために体の中でどのようなやり取りがあるかをみていきたいと思います。


▼そもそも、運動神経とは?


運動神経がよい、悪いというのは体にとってはやや強引な表現なのです。
運動神経は体に備わっている神経そのもの、悪いというのはその神経が傷がついてしまったというようなことになります。

では運動ができる人は何かといったら「運動神経支配がよい」ということにです。
体の動きは神経の伝達によって起こっています。
人の体は運動連鎖と呼ばれるシステムがあります。
これは体が効率的に動くために不可欠なもので、神経系、筋系、骨格系から成り立っています。
車で例えると、神経系はドライバー、筋系はエンジン、骨格系はフレームという具合です。
その他、呼吸器や消化器系など多くの働きがあって動くことができています。
その中で、神経系は体に司令を出す部分です。
動作を考え、スタートさせるとともにそれぞれの動作を同調させる働きをします。
最初に運動に反応するのも神経系です。


▼アスリートでなくても使える機能は一緒


例えば、スマートフォンを操作する際、本体を手に持つという動きを実行するために神経系が反応して適切な数と種類の筋繊維に命令を出します。
神経系、筋系の反応によりどの程度の力で画面を触れるか、どの部分に指を持っていくかを調整しながら使うことが可能となっています。
神経の反応は、与えられた刺激によって異なり、その運動の特徴、刺激に対する体の適応があります。

新しい運動により得られるのは神経系の順応です。

ガラケーと呼ばれる携帯電話からスマートフォンに切り替えた際、スマートフォンが重く感じたりボタンを押す感覚と画面をタッチする感覚の差があり、しばらくしっくりこなかったという方はいないでしょうか。
何度か操作をしているうちに重みや指を触れる感覚が自然になっていくのではないでしょうか。
このような適応は今までの動作で対応できなかったものから新しい運動動作が開拓されていったことで起こります。
はじめはどのような操作をしたらよいかを考えて行っていたものが自動的に動作を行えるようになります。
マニュアルがオートマチックに変わったようなことです。
筋力トレーニングの反応も同じようなことがあり、ダンベルを使った動きをするとします。
はじめはダンベルが重く感じて10回行うのがきつかったものが、何度か続けていくと、きつさを感じにくくなります。

この時点では筋肉が大きくなったということはあまり考えられません。

神経系と筋系の間の情報伝達が改善されて、より効率的で強い力が出せるようになって、重さに対応することが可能になったということといわれます。
繰り返し行うことでどの程度の筋繊維を使ったらよいかを学習して動作が行えるようになっているといえます。
新しい動きに対してどのようにしたら対応できるかを考える過程、繰り返し行うことで動きを間違うことや失敗が減っていき、最終的には見たり考えたりすることがなくなり自律した動きが可能になっていきます。
運動神経がよいといわれる人には見たものをすぐにできる、飲み込みが早いといったイメージあると思いますが、どのような動作をどのような加減で行ったらよいかを考えて体が自然に動けるようになるまでが速いということなのだと思います。


●神経系の構造と機能


▼神経が指令を出して体を動かす


私たちは日ごろ歩いたり、スマートフォンを操作したり、ゴルフやテニスをしたりと体をつかって生活をしています。
その際に、歩いていて人をよける、スマートフォンの画面をタップする、ボールにクラブやラケットを当てるといったことを繰り返しています。

それらを行う時、正面から人が来たから右側によけようと考えるとしたら、それは事前に相手との距離や左右の道路の状況によって判断をすると思います。
そのときに体の中ではこのタイミングで足を置く位置を少し右に変えようとか、どの程度の幅で横に移動しようといったことが足に伝わるのでその動きが可能です。
その考えたことをそれぞれの筋肉に信号を出すのが中枢神経系という脳と脊髄から構成される部分です。
この中枢神経系は体の各器官に指示を出す司令塔の役割をしています。
では何をもとにその指令を出しているかとうと、目で見た相手との距離、その時の道路のデコボコで起こる体の重心のバランスなどがどうなっているかを受けて取っていることによります。
それらの情報を中枢神経系に送っているのが感覚神経という部分です。
感覚神経には視神経や嗅神経、聴神経などがあり、目、耳、鼻、皮膚といった器官をコントロールしています。


▼運動神経の役割


感覚神経が感じ取ったものを脳、脊髄が受け取り、筋肉にどのような動きをするかを伝えます。

その役割をするのが運動神経です。

情報を受け取った脳や脊髄はどれくらい前に足の方向を変えればよいか、そのためにどの程度の動きをするかを筋肉に伝えます。
どの筋肉と筋肉を使うとその動きができるかを判断し、指令を送っています。
その指令により、人にぶつかったり転倒したりせずに動きを続けることができるのです。
感覚器が感覚神経を通し中枢に情報を送り、情報を受け取った中枢が運動神経を通して筋肉に動きの指令を送るという作業が動作の中で起こっているのです。


運動神経がよいといいますが、運動神経は誰にも備わっているものです。
動きがよく、運動ができるという人はこの感覚器と中枢の処理能力と運動神経の伝達機能がすぐれていることにより、動きがよいということになります。
スポーツ選手が高度なスーパープレーを見せてくれるのもこの感覚と脳と脊髄と筋肉の反応が優れているからなのだと思います。

サッカーのフリーキックはゴールとの距離と他の選手、ゴールキーパーの位置、足のどの部分にどの程度の力で当てるとボールが狙い通りに飛んでいくかがわかり、そうなるように体を使うことができるのでしょう。
野球のダイビングキャッチはバッターがバットに当てたときにどのくらいの角度でボールが上がり、どこにボールが落ちてくるかがわかり、飛び込むタイミングやさらにその後にどこに投げるまでを考えて体を反応させているのだと思います。
ゴルフでもクラブを介してボールの飛ぶ軌道と距離を合わせていくものなのでとてもすごい技術ということがわかります。
自分の体だけでなく、周りの環境や状況、経験から予測できる考えを利用して行っていることなので感覚と動きが素晴らしいものです。
トレーニングや練習を繰り返してその時にどのように体を使ったらよいかがオートマチックに動くこともあるでしょうし、その時に瞬間的に判断して動きにつなげることもあり様々だと思います。


★神経のやりとり、感覚神経から信号が戻って運動神経へ指令を出す


▼日常でも体の対応力が使われている


アスリートでなくても運動分野で自動化されてできることが意外とあるものです。

例えば自転車。

子供のころに乗り方を覚えたかたが多いと思いますが、しばらく乗っていなくても漕いで進むことができます。
電動自転車をはじめて使うとその走りに少し驚きます

しかし、しばらくするとどのくらいの力でペダルを踏むとちょうどよいスピードになり運転がしやすかがわかってきます。
それは今までとの感覚とのずれを修正して丁度よい動きに変えているといえます。あまり良いとされていませんが、電車の駆け込み乗車。
改札を通る際、どの部分にICカードや切符を通してどの通路を通っていき、周りの人をよけつつ最短距離で乗り込むことができるかというのも、競技のように考えると障害物を乗り越えて走ってゴールへいくというようなことになるかもしれません。
様々な場面である動きをする、その動きをするためにどのように体を使うといったことができるからこそ私たちの動作は大きなミスがなく行うことができます。


●動きの構築の一つにストレッチをしてみましょう


▼苦手なことが新しい動きを開拓する


ストレッチが苦手という方は日常では行うことが少ないと思います。

そのような方は体がカタいからという理由が主だと思いますが、ストレッチをすると関節がうまく動かない、筋肉が伸びないといったことが起こりやすい傾向があります。
しかし、体がカタいことで運動ができないといったことはありません。
世界で活躍するアスリートが必ずしも柔らかい体を持っているわけではないはずです。
もちろん、必要な部分は体をしっかりと扱えることはできるのでしょう。

自分の持っている可動域と、それを無駄なくコントロールできるようにしていることが感覚神経と運動神経のやりとりが優れていることなのだと思います。
カタいからストレッチは気が進まないかもしれませんが、普段行わない苦手な動きをしているときは体が新しい動作を開拓をしていときです。
伸ばしたときの感覚はどうだろう、それをもう少し大きく動かすためにはどのように関節を動かしていったらよいだろうと考えて見つけて反復していけば、それが自分の新しい動きをインプットすることになります。


▼伸ばした体を活用することが大切


そしてそこで手に入れた柔軟性が日常で生かされることが大事なことです。

カタくても不便なことが多いわけではありませんし、柔らかいことが全て有効かというわけではありませんが、ストレッチでいろいろな方向に筋肉を伸ばし、関節を動かすことで体ができることが増えていくと考えてみましょう。
例えば、股関節をうまく動かすことがインプットされていれば腰に負担がかかりそうなときに足をどのような方向において負担を軽くしようとか、それが一瞬のことであれば神経のやり取りがスムーズである方が対処法がつくれる選択肢が多くなると思います。
運動神経がよいといわれる、体を動かす能力は子供のころからの遊びや環境で構築されていきます。
大人になって構築されるのは運動不足の習慣や悪い姿勢だったりします。
無理なく動きとして使えるところは開拓していきましょう。


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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/

本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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