心拍数を活用して身体疲労度をチェックしてみよう!
以下の記事では、身体疲労度をチェックすることの重要性について解説させて頂きました。
そして、身体疲労度をチェックする上で起床時の心拍数を測定することをおすすめさせて頂きましたが、今回は心拍数と身体疲労度との関係について少し掘り下げて考えてみたいと思います。
1.心拍数は自律神経活動を反映する生体情報
私たちの心臓は自律神経(交感神経と副交感神経)によって制御されています。
自律神経の活動において、交感神経が副交感神経よりも優位に活動している時は心臓の鼓動が速くなり、つまり心拍数が増加します。
一方、副交感神経が交感神経よりも優位に活動している時は、心臓の鼓動が遅くなり、つまり心拍数は減少します。
例えば、運動中は交感神経が優位に活動し心拍数が増加していて、睡眠中は副交感神経が優位に活動し心拍数は減少しているということになります。
参考までに…
心電図を見たことがある人も多いと思いますが、心電図波形のR波(下記参照)の間隔を解析することで、交感神経が優位に活動しているのか、副交感神経が優位に活動しているのか、を評価することが出来ます。
なぜなら、このR波の間隔には若干の揺らぎがあって均一間隔ではなく、交感神経が優位に活動している時は、その揺らぎが減少するからです。
従って、このR波の間隔を解析(心拍変動解析)することで交感神経が優位に働いているのか、副交感神経が優位に働いているのか、を評価することが可能になるのです。
また、自律神経の関与を排除した実験下での心拍数(内因性心拍数)は、80拍/分(高齢者)から110拍/分(若年者)と、かなり高い値を示しますが、実際の私たちの安静時心拍数は60拍/分から70拍/分程度ということで、安静時には副交感神経の働きによって心拍数は、かなり抑えられていることが分かります。
ところが、過剰なストレス状態(例えば、過度なトレーニングを実施している状態)が続くと常に交感神経が優位に働き、本来なら副交感神経が優位に働くべき時である安静時や睡眠時にも副交感神経が十分に働かず、そして、交感神経が過剰に活動してしまい、結果として起床時に心拍数が高い値を示すことになります。
これはすなわち過度に心臓が疲弊している状態であると考えられるので、起床時の心拍数が普段より高い値を示す場合は、かなりの負担が身体にかかっている、身体がかなり疲労している可能性があるのです。
このように起床時の心拍数を継続的に測定することで身体疲労度のチェックをすることができるという訳です。
2.継続的に起床直後の心拍数を測定してみると…
以下のグラフは1ヶ月間の安静時心拍数の推移を示したものですが、10/22から10/25の期間に関しては普段よりも心拍数が高い値を示していることが分かります。
つまり、この期間は身体疲労度が高い可能性があり、この状態でこれまで通りの練習を実施してしまうとオーバートレーニングを引き起こす可能性が高くなります。
したがって、このような状態に陥っている場合には、練習量を減らす、あるいは、練習強度を落とす、等の調整をして疲労回復を図る必要があるということになります。
3.スマートウォッチを活用して賢く身体疲労度をチェックしよう!
これまでのお話で(起床時の)心拍数が身体疲労度のチェックに活用出来ることが何となく理解出来たかと思いますが、さらに賢く身体疲労度をチェックするためにスマートウォッチ(スポーツウォッチ)を活用することをおすすめします。
最近のスマートウォッチは機能が充実しており、心拍数の測定データから疲労度を把握し疲労回復をサポートする機能が搭載されている機種が数多く販売されていますので、これらのスマートウォッチを活用すると非常に便利に身体疲労度がチェック出来るのです。
数あるスマートウォッチの中でも、特におすすめしたいのがPOLAR(ポラール)社が販売しているスマートウォッチ(スポーツウォッチ)。
ポラール社は心拍計のパイオニアであり、様々に進化した心拍計、スポーツウォッチを開発、販売していますが、ポラールのスポーツウォッチには睡眠時に装着しておくことで心拍間隔時間を測定し、そこから「心拍数」「心拍変動」「呼吸数」を解析することで得られる『自律神経ステータス』という独自の指標によって身体疲労度を示してくれるという優れた機能が搭載されている機種があるのです。
こうした自律神経系の評価に基づく身体疲労度がチェック出来るのはポラールの製品だけということで賢く身体疲労度をチェックしたいランナーはポラールのスマートウォッチを活用してみては如何でしょうか!?