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そもそもランナーにウエイトトレーニングは必要か?というご質問

最近、オンラインランニングカウンセリングにおいて「そもそもランナーにウエイトトレーニングは必要なんでしょうか?」といった質問を多く頂きます。

「そもそもランナーにウエイトトレーニングは必要なんでしょうか?」という質問に対しては「正直な話、あなたがウエイトトレーニングを必要(時間的都合を含む)ではないと考えていて、あなた自身が故障することなく十分な練習が出来ているのであればウエイトトレーニングは必要ないのでは!?」とお答えさせて頂いた上でランナーにとってのウエイトトレーニングの重要性について説明させて頂いています。

持久系競技は「練習(トレーニング)がそのまま競技」であるといっても過言ではありませんから、故障することなく沢山の練習が出来るのであれば練習しただけ競技能力が向上するといえるのでウエイトトレーニングを実施する暇を惜しんで練習に取り組むのもアリだといえます。

ところが、多くのランナー、むしろ殆どのランナーは故障を経験している筈であり、故障なく競技生活を送れているランナーは皆無に等しいといっても過言ではないでしょう。

練習→故障→治療・リハビリ→練習(再開)→故障・・・というサイクルは今も昔も変わらずの状況であるといえるではないでしょうか。

ランナーが何故それ程までに故障が多いのかといえば様々な要因が考えられますが、競技能力を向上させるに必要な沢山の練習に身体が対応出来ていないのが最大の要因、とりわけ筋力が絶対的に不足しているのが最大の原因、要因であるといっても過言ではありません。

ところで、黄川と山本による体重支持力とスポーツ障害の関係を示した報告(1)によれば、ランニングに必要な体重支持指数は0.7、競技スポーツに必要な体重支持指数は1.0であるとされています。

ところが、実際に当方が過去に実業団選手に対してトレーニング指導をした際に直面した事例では、当時の日本のトップ選手を含むエリートランナー(集団)の体重支持指数は0.6以下を示し競技スポーツを故障なく実施するために必要な下肢筋力を持ち合わせていませんでした。

この状況では競技力を高めるべく練習を積み重ねていく過程で故障をしても不思議ではないことが簡単に理解出来るといえるでしょう。

従って、怪我(ランニング障害)が多く十分な練習が出来ていないのであれば筋力を向上させるべくウエイトトレーニングに取り組むことで競技力向上(の可能性)が期待出来るといえる訳です。

そして、ウエイトトレーニングに取り組む上では適切なウエイトトレーニング指導が出来る専門家(S&C指導者,ウエイトトレーニング指導者)の下で取り組むことをお勧めしますが、時間的都合や金銭的都合、地理的都合によって専門家のウエイトトレーニング指導が受けられないのであるならば、中殿筋の筋力強化は不可欠とし公共トレーニング施設等で難しいテクニックを必要としない「ヒップアブダクション」というマシーンを使った中殿筋のウエイトトレーニングをお勧め致します。

尚、中殿筋のウエイトトレーニングをお勧めする理由については以下の記事を参照下さい。

●参考文献:
(1)黄川昭雄,山本利春:体重支持力と下肢のスポーツ障害.Jpn.J.SpoltSSci.,5,837-841,1986

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野口克彦
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