ブライヌイ「熱田古墳群&七里の渡し」
2020年10月 熱田古墳群&七里の渡し
所要時間:2時間ほど(自転車)
晴れた秋の日、熱田(名古屋市)に古墳群があったなと思い出し、自転車でブラリと行ってみる事にした。
向かう途中で「旗屋小学校」の前を通りかかり、校舎の前に生徒が書いた学校紹介のポスターを妻が発見。
そこには、この学校に「武家屋敷門」があると書いてある。
ぐるりと回って見つけ、写真を撮ってみた。
これが「旗屋小学校武家屋敷門」。門が上手く写ってないな。左端の所が出入り口。
ポスターには明治42年からあると書いてあった。
ん?明治?
帰宅してから調べてみると、明治時代に校門として作られたが、それが武家屋敷の門のような風情だという事で、そう呼ばれるようになったとの事。
な~んだ。武家屋敷から移築したものかと思った。
とは言え100年以上前の立派な校門でした。
ちなみにこの小学校には日本現存最古のピアノがあるらしい。
その名も「山葉一号」。ヤマハ!小学校ができた時に寄贈されたとのこと。
楽器博物館級のお宝じゃないか。見てみたい。
さすがに小学校に入り込む訳にはいかずスルー。
少し近所の神社などを散策した後、第一の目的地、断夫山(だんぷさん)古墳に到着。
断夫山古墳
写真では全貌を捉えきれておりませんが、しっかり形状が残る立派な古墳でした。
愛知県内で最大サイズとの事。墳丘長151m。
尾張氏の首長の墓と考えられている。
尾張草香(おわりのくさか)の墓とも。
長年未発掘だったが、ついに近年発掘調査が始まるようだ。
ふむふむ。
屈指の勢力を誇ったという事は、裏を返せば仲間にしておきたい相手。政略結婚かな。
継体天皇は第26代天皇(在位507年3月3日?-531年3月10日?)。
壬申の乱では尾張氏が第40代天武天皇(在位:673年3月20日-686年10月1日)を助けたとのこと。
ヤマトと尾張氏の親戚付き合いは長くに続いたんだなぁ。
そんな立派な先祖の首長のお墓を今まで参っていなかったのは失敬でございました。
ちなみにここでは御朱印ならぬ御墳印を発行しているらしいぞ!
初めて知った、御墳印(笑)
足を伸ばして白鳥(しろとり)古墳にも行ってみた。
白鳥古墳
道路建設や隣の神社の移転改築などで削られまくったらしく、原型をとどめていないとの事。確かに断夫山に比べるとはるかに小さい。
熱田神宮社伝では、日本武尊の墓としているらしいが、実際は時代が合わず、尾張氏の首長の墓だろうとのこと。
ふむふむ。草薙剣と合わせて江戸時代あたりに観光スポットに仕立て上げられちゃったのかもなぁ。
尾張氏、なかなか多難でござる。
古墳を後にして、次は白鳥御材木場。
1610年。名古屋城築城に際し、福島正則が普請総奉行となって堀川を開削、材木置き場、舟置き場として作った池がここ。
堀川と池の間に、門の跡が残っていた。
この庇、何時代のものだろうか。
白い鳥が優雅に池で遊んでいた。
さらに南へ足を伸ばしていよいよ七里の渡し。
七里の渡し
近くで見ると思った以上のインパクトで良かった。
鐘楼のオリジナルは消失し、昭和の時代に再建されたもの。
壬申の乱の際に、吉野から逃れた大海人皇子(後の天武天皇)の一族が桑名から海路、尾張に渡ったという説もあるとのこと。
おお!繋がったぞ。尾張氏の古墳群と七里の渡し。
尾張氏、頑張れ。
ちなみに桑名側の七里の渡しは昨年(2019年)に訪れている。
そうだった。大きな鳥居が印象的だったんだ。
江戸時代のお伊勢参りの際、船で熱田から渡ってきてこれを見たら、さぞかしテンションも上がったことでしょう。
現在の伊勢湾岸自動車道は、江戸時代の七里の渡しに近いルートを通過している、とのこと。
今度この自動車道を通る機会があれば、そんな事を考えながら走ってみたい。
日没が近づいてきたので、近隣の史跡をいくつか駆け足で回る。
尾張徳川家が公家や高官をお迎えするべく作った西浜御殿跡。
東浜御殿?の跡もどっかにあるらしい。確か数年前に海沿いから遺構が出てきたとか何とか、記事を見た気がするけどな。
熱田神宮のすぐ近くにあるのに、意外と見逃されがちなのがこちら。
源頼朝出生地。
あえて場所の詳細は記しません。気になる方は調べて行ってみて欲しいです。
え?こんなところにポツンと?という風情です。
この日はこんな感じでフィニッシュ。
色んな時代の興味深いスポットが次々と現れて、それが歴史として脈々と繋がっている事が分かる。
そして角を曲がれば風景がガラリと変わる。
なかなか巡りがいのある町でした、熱田。
昔の熱田湊の海岸線を意識しながら巡ると興奮します。
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【ブライヌイ】
歴史散策が好きで、妻と史跡などを探して町をブラブラしています。
事前に調べ上げて出発する訳ではなく、大雑把な前情報だけで見切り発車。
現地で勘を頼りにブラリ歩き。
ゆえに場所が分からず右往左往する事も。
そんな時間を楽しんでいます。
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