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ChatGPTが翻訳業界に与える影響/言語学者とo1-miniの対話

【特別対談】翻訳の新時代 - AIとの共存で切り開く、翻訳業界の未来とは?
 八楽株式会社エバンジェリスト
 立教大学教授 山田 優氏(AI翻訳の専門家)
     vs 
 SDL Trados 元副社長/SIGMA AI Consulting.Inc 創業者
 Yvan Hennecart 氏(言語学者・翻訳者)

特別対談 翻訳の新時代

上記の対談から、この興味深いフレーズがあったので、o1-miniに聞いてみました。簡単に言うと、今まで20年以上にわたって積み上げてきた翻訳資産をAIに食べさせて、企業が課題をオーダーした内容に基づいて有効活用できるというお話でした。

—— Yvan氏
従来の「1つの言語からほかの言語に翻訳する」のではなく、 企業の需要に応じて、どんな言語でも資料を作り出せる。すでに持っている資産を有効活用するには、プロンプトがすべて。

Yvan氏の言葉

—— o1-mini
従来の「1つの言語から他の言語への翻訳」というアプローチにとどまらず、企業の多様なニーズに応じてどんな言語でも資料を作り出せるようにするためには、既存のバイリンガル資産を有効活用することが重要です。

そして、その鍵となるのが「プロンプト(指示)」の適切な活用です。以下に、その具体的な方法とメリットについて詳しく説明します。

1. プロンプトの役割と重要性

プロンプトとは?

プロンプトとは、AI言語モデル(例:ChatGPT)に対して具体的な指示や質問を与えることで、望ましい出力を引き出すための入力内容のことを指します。効果的なプロンプトを作成することで、AIは企業のニーズに合った高品質な多言語資料を生成することが可能になります。

プロンプトの重要性

  • 精度の向上: 明確で具体的なプロンプトは、AIが期待通りの出力を生成する確率を高めます。

  • 一貫性の維持: 一貫したプロンプトを使用することで、生成される資料のスタイルやトーンを統一できます。

  • 効率化: 効果的なプロンプト設計により、反復作業や修正の手間を減らし、迅速に多言語資料を作成できます。

2. 既存のバイリンガル資産の有効活用方法

既存資産の種類

  • 用語集: 業界特有の用語や企業独自の用語をまとめたリスト。

  • スタイルガイド: 文体や表現方法に関するガイドライン。

  • 既存の翻訳メモリ(TM): 過去に翻訳された文書やフレーズのデータベース。

  • ブランドガイドライン: ブランドのトーンやメッセージに関する指針。

資産の活用方法

  1. 用語集の統合:

    • プロンプト内で特定の用語や表現を使用するよう指示し、一貫性を保つ。

    • 例: 「以下の用語集を参照し、適切な用語を使用して資料を作成してください。」

  2. スタイルガイドの適用:

    • 資料の文体やトーンに関する指示をプロンプトに含める。

    • 例: 「公式なビジネス文書のスタイルで、フォーマルなトーンを維持してください。」

  3. 翻訳メモリの活用:

    • 既存の翻訳データを参考にしながら、新しい資料を生成。

    • 例: 「過去の翻訳データを基に、同様の表現を用いてください。」

  4. ブランドガイドラインの遵守:

    • ブランドのメッセージや価値観を反映した資料を作成するよう指示。

    • 例: 「ブランドガイドラインに従い、ポジティブで前向きなメッセージを伝えてください。」

3. プロンプト設計のベストプラクティス

明確で具体的な指示を与える

  • 生成したい資料の目的、対象言語、トーン、スタイルなどを具体的に記述します。

  • 例: 「新製品の紹介資料を、日本語とスペイン語で、親しみやすいトーンで作成してください。」

コンテキストを提供する

  • 資料の背景や関連情報をプロンプトに含めることで、AIが適切な内容を生成しやすくなります。

  • 例: 「弊社の新しいクラウドサービスについて説明する資料を英語で作成してください。ターゲットは中小企業のIT担当者です。」

既存資産への参照を組み込む

  • 既存の用語集やスタイルガイドを参照する旨を明記します。

  • 例: 「以下の用語集に基づいて、正確な専門用語を使用してください。」

フィードバックループを設ける

  • 初回の出力を確認し、必要に応じてプロンプトを調整することで、品質を向上させます。

  • 例: 「生成された資料に対して、用語の統一と文体の調整を行ってください。」

4. 実際の活用シナリオ

マルチリンガルマーケティング資料の作成

企業が複数の市場向けにマーケティング資料を作成する際、各言語ごとに翻訳するのではなく、AIを活用して一括で生成します。用語集やスタイルガイドをプロンプトに組み込み、一貫性のあるメッセージを各言語で提供できます。

グローバルな社内コミュニケーション

国際的な企業では、社内資料やマニュアルを多言語で提供する必要があります。セグメントに依存しないバイリンガル資産と効果的なプロンプトを組み合わせることで、迅速かつ一貫した資料作成が可能になります。

イベントやキャンペーンの多言語対応

国際イベントやキャンペーンでは、同じ内容を複数の言語で展開する必要があります。AIを活用して、統一されたメッセージを各言語で効率的に生成し、グローバルな参加者に向けて発信できます。

5. メリットと課題

メリット

  • 効率性の向上: 多言語資料の作成時間を大幅に短縮。

  • コスト削減: 専門の翻訳者を必要とせず、AIを活用することでコストを削減。

  • 一貫性の維持: 用語集やスタイルガイドを活用することで、資料全体の一貫性を保てる。

課題

  • 品質管理: AI生成の内容が完全に正確である保証はないため、必ず人間によるチェックが必要。

  • 文化的適応: 単純な翻訳ではなく、文化的なニュアンスや適応が求められる場合、追加の調整が必要。

  • 依存リスク: AIツールに過度に依存すると、独自性や創造性が損なわれる可能性がある。

まとめ

企業が多言語資料を効率的かつ一貫して作成するためには、既存のバイリンガル資産を有効活用し、適切なプロンプトを設計することが不可欠です。AI技術を活用することで、従来の翻訳プロセスを超えた柔軟でスケーラブルな資料作成が可能となり、グローバルなビジネス展開を強力にサポートします。

ただし、品質管理や文化的適応といった課題にも留意し、適切なバランスを保つことが重要です。

ここまで、o1-mini

割と一般的な答えがきたので、著作権やセキュリティなどのことに触れていませんでしたね。もう少し詳しく知りたいところですが、分野によっても違うかもしれないので、ここまでにします。

山田氏のプレゼンの中では、プロンプトの3つの種類が紹介されました。
❶Zero-Shot ……一般的な指示
例:「日本語にしてください」など簡単な指示
❷Few-Shot ……原文と訳文の例を与える
例:特別な口調を真似させたり、文体を指示したりする
❸COT(Chain-of-Thought)……ステップ、段階に分けて詳しく指示する
—— 肝心なところで電話がかかってきて聞けず・・ChatGPTにまとめてもらいました。

COTを使ったステップの具体例:【プロンプト】

1. 文の意味を理解する:システムのアーキテクチャは、異なる環境に対する拡張性と適応性を容易にします。原文の意味を正確に理解し、「architecture」や「scalability」といった技術用語を適切に翻訳。

2. 文脈を考慮する:モジュール設計により、システムの全体的な性能に影響を与えることなく、さまざまなコンポーネントの統合が可能です。文脈に基づき、「modular design」を「モジュール設計」と訳し、全体的な文脈が技術的な内容に沿うように翻訳。

3. 日本語の自然さを確認する:この文が日本語として読みやすいか確認し、語順を修正し、自然な表現に調整します。

4. 専門用語を統一する:用語集を参照し、「拡張性」「モジュール設計」などの技術用語が他の部分と一致していることを確認します。

5. 最終確認:翻訳全体を読み返し、一貫性や自然さを確認して仕上げます。

COTは、一貫性のある生成ができますね。

AIを触ってきた人はお気づきのように、AI特有の性質で、「使えば使うほど学習して修正していくので、AI翻訳の結果はさらに精度が上がっていく正」。ChatGPTは文脈を理解するので、従来よりも細かいところまで正確な表現ができるようになる可能性が大きいですね。
—— そうすると、従来考えられていた、歴史的解釈が変わる可能性がある??? 今まで、出ていた書籍のニュアンスも変わる可能性もある?
そんなことを感じました。

これを参考にして、翻訳の未来について、ChatGPTと語り合ってみてください~ 技術的なことについては、この2年間でいろんなことが可能になってきたなあって感じています。

Yvan氏の言葉で強烈に残った名言は、
「世界中のすべてのことを人間が翻訳することはできない」
でした。

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あみきん

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あみきん/Kindle出版認定プロデューサー
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