安全・安心とは?

お久しぶりでございます。緊急事態宣言も解除となりちょっとづつですが日常へと戻りつつあります。でも完全に無くなったわけではないので引き続き注意が必要ですね。そんな折気になったことがあり以下のようにつぶやきました

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きっかけは近くのピザ屋さんで「安全・安心をお届けします!」とポスターがありまして。改めて安全・安心てなんだ?と事を振り返れればなと

ちょっとしたエピソードを少々

先日飲食店の方からご相談を受けました。
「お店でワインを売ってみたい。だからいろいろ学びたい」
その方は普段ウィスキー(ハイボール)などを主に出されているお店でマスターでして、お店は彼のお人柄で常連様でにぎわっている店です。ワインを売りたい!新しい一つの商材を使ってみたい。これはいいことだと思いました。と同時に「彼なら別に知識炒らないんじゃないか?」ということが過りました。

面倒だと思われるかもですが、私は冬になると「上着お預かりしましょうか?」とスタッフに聞かれると必ず断ります。もちろんお店の動線上迷惑にならない位置に畳んだり目のつく所に置いたりします。

婚礼でサーヴィスしている時のお話です。披露宴で人員配置をされると必ず主賓卓を持たせて頂きます。もちろん気難しい方もいらっしゃるのですが、席次表をもらいご案内から御退席まで最低3度はお名前でお声掛けしております。また親族席のお子様を担当するときもちゃんとお名前でお呼びしお子様だからと手を抜かずに心かげております。結果として皆様大変満足して楽しまれます。

自身でBARをやっていた時の話です。結構飲まれた常連様が会計時に伝票を渡すと「まぁ、これくらいすると思ったけどお前のオススメだったしな」と笑顔で払われる方が多かったです。もちろんちゃんとしたものを出したりリクエスト頂いたものを仕入れたりしてました。


あるお店の立て直しをお願いされました。アポイント前に一回行ってみようとお店の前に行くと店長が咥えタバコで仁王立ちしてました。もちろん営業中です。実際ご飯をして後日ご相談を伺いました。内容は「新規のお客さんが全然入らないんだよねぇ」という内容。すぐさま解決案は浮かびましたが、現状では無理だと思いクライアントに一部始終を相談し人事異動を提案しました。結果売上は以前よりだいぶ上がりました。

これって何が言いたいかっていうとサービスの基本的であり終着点である「安全・安心」につながるんですよね。こんな時期だからこそ衛生や予防での安全はもっともですが、では「安心」てなんだろうと立ち返る人って中々いらっしゃらないんじゃないかなぁと。
そもそも安心てどういう意味を持ってるのだろうと調べてみました。


安心  気にかかることがなく心が落ち着いていること。また、そのさま


お客様に快適に飲食を楽しんでもらうことは角打ちだろうが星付きのレストランだろうが一緒だと思います。「そんなことはわかってるよ!ちゃんとやってるよ!」と思う同業の方もいらっしゃると思います。ただ現実はそうでもないと思います。安心はこちらから提供するものではなくお客様が「この人なら大丈夫」と短期間で信頼を得ること以外にならないからです。

さっきのエピソードに戻ります。

オーナーのお人柄で常連様から絶対的な信頼を勝ち得てます。もし彼がワインの知識を得てしまったら常連様に「お前、講釈たれになったな」と今までの良さが消えてしまう恐れもあります。では彼がどうやったらワインを売れるか?シンプルだと思いますが

「コレ!この前飲んで美味かったんですけど飲んでみます?」

この一言で十分だなと。値段がどうとか管理が云々という前にお客様が「お前が言うなら飲んでみるか」と意欲が湧けば飲んでくれると思います。仮に1杯の値段が高くてもお客様は納得されるでしょう。それが彼とお客様の中で築かれている安心だと思います。

冬の上着も同じく新しく入ったお店でクロークなど目につく所以外では預かってほしくはないからです。いらっしゃいませからご案内までにすべてが決定します。こんな短時間で?と思うかもですが、入り口周りの整理整頓、最初のいらっしゃいませで大体わかるのではないでしょうか?この店ホントに大丈夫?特に単価の高い店はお客様が緊張と不安でいっぱいでしょう。その状況下で入店にも気づかない、エスコートも椅子を引けないとかだったら安心して任せられるでしょうか?

ではどうやって短期間で安心を造れるのか?

自分の婚礼時に心掛けていることです。主賓の名前は必ず覚えて宴席中はなるべく○○様でお呼びしております。試食会から担当するときは新郎新婦様もお名前でお呼びしフォローしております。お子様に関しても同じです。たいてい主賓の方は喜ばれます。披露宴では新郎新婦は招待したお客様をホストです。宴席中は新郎新婦様以上にケアすることが大事です。その方に安心して過ごしてもらうためには「列席中の1人」ではなく「新郎新婦様の大事な○○様」ということを我々が認識しているとオープンにするのが大事だと思っています。最近よく言われるのが「お子様をサーヴィスしてる雰囲気がない」と言われますが(笑)お子様は結構得意で式の最後には一緒に窓から外を見たりご家族の記念撮影をお手伝いしてます。

そして安心を作るとどうなるか?

BARをやってた時に遡ります。単価は総じて4000円くらいでした。常連様にもなると一緒に飲んだりなんだと色々あって会計がエライことになってたりでしたが「飲めば?って言ったのもオレだしな。いろいろしてもらってありがとな」と満足してお支払いいただきました。そしてお礼の連絡をしてまた来てもらっての繰り返しでした。それもさっきのオーナーではありませんが「お前ならうまいことやってくれるでしょ」と信頼されていたからだと思います。

反面教師として「咥えタバコして仁王立ちした店主」からは何も築けませんよね。しかも自分でわかってない。スタッフの動きは想像以上にお客様に見られてます。自身の立ち居振る舞い、言葉遣いが果たして安心して頂くか考えればすぐにわかります。


とここまで振り返ってご自身のお店、もしくは職場の方に安心とは足りているのかなと考えていただけでしょうか?たぶん皆様にも行きつけのお店があったり長年お世話になっている美容師さんがいらっしゃったりすると思います。その中に共通する事でやはり任せられるという一つの関係だなと。たとえば新人さんがトレイいっぱいにドリンクを持って不安定に提供していたらどうでしょうか?人がいないから、忙しいから、それは店舗側のいいわけだろうし免罪符にもなっていません。
どうやったらお客様にサーヴィスしたら安心して過ごしてもらえるのだろうとご自身のお店で考えてみるのも良い機会だと思います。

僕がやってきたこととしての一例は

入り口・ファサード周りは整理整頓
ご予約のお客様のお出迎え、エスコートはお名前でお呼びする
メニューに書いてある商材の知識は何を聞かれてもいいようにしておく
テーブルに入る際の間で何か一声おかけする。
個人的に連絡先を知っていれば必ずお礼の連絡をする

もちろんそれ以外に「こんなのもあるぜ」というのはあるかもしれません。ただ現実として出来てない店が多いと感じます。同業の方は「普段からやってるよ」若しくは「そんなことやる店じゃないから」と斜に構えるでしょう。

でもコレってワタミの時からなのです。

単価も2,300円程度です。20年以上続いてますが、その業態で出来る仕組みがあったのに今ではほぼない。お客様に快適に過ごしてもらうというのはどの業態も一緒ではないでしょうか?

こんな時期だからこそ改めて見つめなおすべきことなのではと思います。

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