あとがき
あとがきはたまらない。本のあとがきを読まない人もいるかもしれない。僕はかならずあとがきを読む。ときに本の内容よりもおもしろい。あとがきが内容の復習になっているときもあるが、本が書かれた時代背景や舞台裏が説明されていたりもする。その現実が迫ってくることがある。
誰もが知っている「ユートピア」という言葉を生んだ「ユートピア」という小説。物語はほとんど忘れてしまったが、母国の政治批判の本である。あとがきには著者トマス・モアは社会的に高い地位についていながら政治批判をして、最終的には死刑になった顛末が書かれていた。政治にすりよって高い地位を目指す人がいる国にいるためかハッとさせられた。
大哲学者スピノザが書いた本。あとがきには彼の最期について書かれていた。小さな家の二階の貸部屋に一人で住んでいた彼は家主が帰ってきたら亡くなっていたと。敬愛するスピノザが最期は一人で亡くなったと知ってショックを受けた。
メーキングのようなものが良いのかな。映画もNG集になっていて面白いことがあるけど、本も同様なのかもしれない。制作にまつわる物語が味わい深い。