Episode 040 「ジョージ・ハリソンにインドでシタールを教えたのは〇〇のお父さんだった」
さて、Episode 027より開始した「オーストラリアにいた時(1996〜2010年)によく聴いたアーティストおよびバンドの曲」(併せて、「よく聴いた訳では無いが印象が強く残っているアーティスト及び曲」も含む)、という括りで当時を振り返る試み、今回はアルファベットの「N」から始まるアーティストおよびバンド。
New Fond Glory(アメリカ)
このバンドは、個人的には「The 青春のバンド」の一つである。2000年頃だったであろうか、ランドルモール(ショッピングモール)の端に位置するCDショップで、学校の帰り彼らのアルバム「New Found Glory(セルフタイトル)」(2000年)を眺めていたのを憶えている。手に取っては、棚に戻し、また手に取って。そう、学生だったのでお金が無かったので、(アルバムを手にとっては)見るだけ。このバンドは2024年の時点で12枚のアルバムを発表している。尚、個人的には「New Found Glory(セルフタイトル)」(2000年)以外にも「Sticks and Stones」(2002年)と「Coming Home」(2006年)というアルバムが特に気に入っている。2007~9年辺りだろうか、ピアノで「My friends over you」を練習した記憶がある。
Nicotine(日本)
このバンドは、(多分だが)ネットで調べて知ったのだと思う。2000年に発売された「DESPERADO」というアルバムに関しては、小学生からの友達である福ちゃんに日本から送ってもらった記憶がある(しかし、(送ってもらったCDは)Snail Rampの「FRESH BRASH OLD MAN」(2000年)だったかもしれない。ここは、記憶が曖昧になっている)。他のアルバム(例えばベストアルバムなど)も聴いたが、やはり「Black Flys」が(このバンドの曲の中では)最も好きな曲である。尚、彼らのファッション(髪型や服装)には共感は全く持てなかった。ただ、曲は良かった。
Nikola Sarcevic(スウェーデン)
MillencolinのボーカルであるNikolaのファーストソロ作品である「Lock-Sports-Krock」(2004年発売)は傑作だ。Millencolinの作品は全て持っている程のファンである為、彼のソロにも興味があった。全曲アコースティックギターが中心の曲が揃っており(そして、何故かアコースティックの曲を聴くと少し大人になった気がしていた)Millencolinとは違った曲を楽しむことができた(しかし、(セマフォーという地域に住む)友達のシェーンに聴かせると「Millencolinっぽいね、やっぱり」と言っていた。それが正しいかそうではないかは分からないが、「なんか、本質が見えている風な発言だなぁ」と、(もちろん関心した意味を込めて、そう彼に対して思った記憶がある)。尚、本アルバム、あまりの懐かしさ故、2021年下旬、bookoff Onlineにて再度購入した。
Nirvana(アメリカ)
「グランジ(音楽のジャンル)と言えばNirvanaの「Nevermind」(1991年)」という方程式が成り立つと言っても過言ではない程のアルバム。このアルバムはリアルタイムでは聴いていないが、Smells Like Teen Spiritという曲はもちろん知っていた。いつどこで初めて聴いたのかは憶えていないが、気付いたらイントロのギターのリフを口ずさめる様になっていた、と言うそんな曲だ。個人的には「In Bloom」という曲も好きである。ボーカルのKurt Cobainは音楽業界に(いろんな意味で)革命を起こしたと言われているが、その革命をリアルタイムで体感してみたかった、とも思う。尚、このバンドは80年代に流行ったメタル(派手な衣装、長髪、ヘアバンド、メイクなど)を葬った、とも言われている。つまり、それまで(派手な衣装、長髪、ヘアバンド、メイクなど)のゴテゴテした在り方から、ジーンズとスニーカーとTシャツで、飾り気が全く無い状態で、正に音楽だけで真っ向から勝負する在り方で。因みに、このNirvanaが築き上げた「グランジ」という、いささかダークでアングリーなジャンルを吹っ飛ばした、と言われるのが1994年に発売されたGreen DayのDookieというアルバム、そして併せてThe OffspringというバンドのSmashというアルバム(同じく1994年発売)、そしてNOFXのPunk in Drunblicというアルバム(同じく1994年発売)との事である。1994年は、正にパンクロックというジャンルが世界を制した年、という言われ方もしている。尚、世間的な言われ方に基づくと(もちろん、それに同意するかどうかは別)、パンクロックというジャンルを抜きに出たと言われるジャンルは、ミクスチャーロック及びNu Metal(Linkin ParkやKornやLimp Bizkitなど)との事である。尚、同じシアトル出身のグランジバンド(とは言え、彼らの魅力はグランジという領域に留まらない音楽性の広さと奥深さだ)と言えばPearl Jam。恥ずかしい事にこのバンドの魅力、功績、奥の深さ、全ての良さに、30代に入るまで気付かずにいた。40歳になったいま、或いはNirvanaよりも好きなバンドになったかも知れない。尚、Pearl Jamに関しての動画では、ダントツでこの動画が面白い。
No Fun At All(スウェーデン)
確か、家に(上の姉が誰かから借りたものと思われる)「Out of Bounds」(1995年)というアルバムがあり、それを聴いたのがこのバンドとの出会いだったと思われる。恐らく2000年頃の事だ。1991年に結成されたスウェーデン出身の彼らが繰り広げるパンクロップはアメリカや日本のパンクロックとは一味も二味も違った要素があり、MillencolinといいNo Fun At Allといい、個人的にはスウェーデンのバンドには魅了される何かがある。尚、2021年に入り再度No Fun At Allのマイブーム(因みに、このマイブームという言葉は、みうらじゅんが作ったとのことだ)が起きており、彼らの初期のアルバムを買い漁っている。1997年に発売された「The Big Knockover」の一曲目の「Catch Me Running Round」は最高な一曲だ。尚、同じくスェーデンのパンクロックバンドの一つとしてSatanic Surfersというバンドのアルバムも購入したいと思っているのだが、YouTubeで(かれらの楽曲を)聴く限り、「このアルバム欲しい!!」という状況には無いのが、現状である。あるいは、まだ、「これだ!」と感じるアルバムに出逢えていないだけかもしれない。他にも、The HivesやRefusedやRandyなど、スウェーデン勢のバンドで気になる幾つかのバンドが存在する。
NOFX(アメリカ)
現代のパンクロックというジャンルを創り上げた、と言っても決して過言ではないこのバンド。そもそも、「現代のパンクロック」の定義も曖昧だし、併せて、「現代のパンクロックを創ったのはBad Religionでしょ。あるいは、Descendentsとか」という意見が多いと思われるのも、もちろん理解している。しかしながら、自分にとって、リアルタイムで「パンクロック」という音楽が世界的に(そして爆発的に)人気になっていく様子を体感できたのは、間違いなくこのNOFXというバンドの功績が圧倒的に大きい。NOFXのボーカル兼ベーシストが代表を務めるFat Wreck Chords(ファットレコード)に在籍するバンドを(Fat Wreck Chordsがリリースする)コンピレーションアルバムなどを通じて知る事で、どっぷりとパンクロックという音楽の世界に魅了されていったのだった。彼らの音楽に初めて触れたのは恐らく「Survival of the fattest」(1996年)という(Fat Wreck Chordsがリリースする)コンピレーションアルバムに収録されている「Vincent」という曲だったと思われる。尚、初めて聴いたアルバムに関しては、恐らく「Pump Up The Valuum」(2000年)というアルバムだ。インパクトの強いジャケットのこのアルバムは、曲もインパクトが強かった。リアルタイムではなく、遡る形で聴いたアルバムの中に「Punk In Drunblic」(1994年)という作品があるのだが、このアルバムは傑作である。圧倒的なまでのアルバムである。ラジオで曲を流すなど、当時のPR(宣伝)活動としては(売り上げに繋げる為には必要不可欠とされていた手法)欠かせない施策など全くしない状態で100万枚のCDを売り上げたとの事に証明される様、実力派のバンドである。1983年に結成され、2024年の時点で、トータル15枚のオリジナルアルバムを発表している。
No Use For A Name(アメリカ)
メロディアスでありながらも激しい曲調が目立つこのバンドとの出会いは、恐らく「Survival of the fattest」(1996年)という(Fat Wreck Chordsがリリースする)コンピレーションアルバムに収録されている「Justified Black Eye」という曲だったと思われる。1986年に結成されたとの事だが、リアルタイムで聴いていたバンドであり、2002年に発売された「Hard Rock Bottom」(2002年)は非常にクオリティの高い作品となっている。購入してずっと聴いていた記憶がある。尚、当時(2002年)はまだポータブルCDプレーヤーだったので(つまり現在の様にiPhoneに数千曲が入っている状態や、ストリーミングサービスで無限なまでの数の音楽にアクセスできる、という環境なかった)、家を出る際にどのバンド(またはアーティスト、グループなど)の、どのアルバムのCDをポータプルCDプレーヤーに入れるのか、を決める作業は、大いに重要な事だった。尚、Ken Yokoyamaのバンドにて、No Use For A Nameの「Soul Mate」という曲をカバーしており、それも非常にカッコいい。とにかく、このバンドは間違いなく、Bad Religion、Descendents、Pennywise、NOFX、Lagwagon、Strung Outなどと共に、「Punk Rock(日本では“メロコア”)」の黄金時代を築き上げたバンドの一つであることは間違いない。悔やまれるのは、作詞作曲などを担当していたギター・ボーカルのTony Slyは2012年にOD(Over Dosed)で亡くなっている。
No Doubt(アメリカ)
上の姉が好んでいたバンドである。家にこのバンドのアルバムが何枚かあったのを憶えている。その中で「Tragic Kingdom」(1995年)というアルバムがあるのだが、このアルバムの曲は頭に残っている。尚、調べてみてわかったのだが、なんとこのアルバムの売り上げは(世界で)1600万枚ものセールスをあげたらしい。因みに、ノスタルジックな気分に浸りたい、という気持ちから、2021年4月に「Tragic Kingdom」(1995年)をBookoff Onlineで購入した。
Norah Jones(アメリカ)
特に何か強い思い入れがあるアーティストではなく、また具体的にいつ聴く様になったのかも明確には憶えていなが(恐らく、2000年代半ば頃だと思われる)、このミュージシャンは兎に角(聴いていて)リラックスできる美声の持ち主である。尚、このミュージシャンにちなんだトリビアを一つ紹介したい。唐突(あるいは、関連性が見えないかもしれないが)かもしれないが、ビートルズに関連する話である。ビートルズは、活動の後期(1960年代後半)、インドの楽器であるシタールを取り入れ、それまでの彼らの楽曲は更に深みを増したのだった。そのきっかけを作ったのがビートルズのメンバーであったジョージ・ハリソンの、インドへの「自分探し」の旅だった。インドでシタール(インドの楽器)に出会い、ジョージ・ハリソンはそれをビートルズの新しい曲作りに生かしたのだ。そう、その時の先生(つまり、インドでジョージ・ハリソンにシタールという楽器の弾き方などを教えた人)は、このNorah Jonesのお父さんなのだ。