Episode 055 「せんたく、洗濯、選択」
さて、Episode 027より開始した「オーストラリアにいた時(1996〜2010年)によく聴いたアーティストおよびバンドの曲」(併せて、「よく聴いた訳では無いが印象が強く残っているアーティスト及び曲」も含む)、という括りで当時を振り返る試み、先ずはアルファベット順で紹介する内容をEpisode027〜Episode050にて終えた。続いては、あいうえお順(そう、日本のアーティスト)で振り返ってみる。今回は「く」、「け」、「こ」を見てみる。
ザ・クロマニヨンズ(日本)
どのタイミングでこのバンドを知ったのかは正確には憶えていないが、このレジェンダリーなバンドのロケンロールは最高である。日本に帰って来て、一度ライブを見に行った事がある。確か、2015年の事だった。ライブは圧巻で、特に「底なしブルー」が圧倒的がカッコよかった。ブルーハーツだろうがハイロウズだろうがクロマニヨンズだろうが、ヒロト&マーシーがロックを奏でれば、それで全て良いのである。理屈は、不要なのである。
桑田佳祐(日本)
恐らく日本から送られてきたビデオに入っていた音楽番組で見たのが初めてだったと思う。2002、3年の事だった。さすが、日本音楽シーンを数十年間にも渡り引っ張って来た人の実力である。素晴らしい曲である。
くるり(日本)
くるりは、最高である。どこかの誰かが、仮にだが、「J-ROCK史上TOP10に入るバンドです」と言っても、きっと反論は少ない様に予想される。フロントマンである岸田繁が作り出す曲は、他のどのバンドのそれとも全く似ていない。全くのくるり節である。このバンドに興味を抱いた大きな理由の一つに、(もちろん曲の“質の高さ”もあるが)その(曲の種類・ジャンルの)“幅の広さ”である。これは、奥田民生や細野晴臣にも通ずる要素なのが、創造して奏でる曲の種類の“幅の広さ”が尋常ではないのだ。そう、割烹料理のマスターだ思っていた料理人は、実はイタリアン、併せてフレンチのコースまでもつくれてしまうシェフでもあった…!しかも!ファストフードまで作れる!!という具合だ。これは並大抵の事ではない。尚、岸田繁はポップ、ロックなどの曲の他にもクラシックの曲も書いている。凄まじい才能である。音楽以外にも、この人の(音楽誌「ロッキング・オン・ジャパン」で11年間連載された)エッセイを纏めた本「石、転がっといたらええやん」(2017年)を読んだが、この人の頭の中を少し覗けた気分になった。数多くのコラボを行っている中、小田和正と歌った「ばらの花」は傑作であった。最近(2020年)では、サカナクションの曲と、くるりの曲をマッシュアップさせた曲をYUIが歌う、という事も行われており、その曲の仕上がりも最高である。尚、岸田繁は奥田民生の「The Standard」という曲が好きすぎて、奥田民生に会うたびにその旨を(奥田民生本人に)伝えており、終いには、「もう、わかったよ、うるさい」と奥田民生に言われるというエピソードもある、とか。兎にも角にも、このバンドが奏でる曲は、オリジナリティに溢れ、ユーモアに溢れ、ビートに溢れ、リズムに溢れ、メロディに溢れ、ロックに溢れているのである。そう、(くるりの楽曲は)音楽に対する愛で溢れているのである。
くるりとユーミン(日本)
岸田繁の活動を追っている際に、このコラボレーションの存在を知ったのだった。2010年の事だった。尚、ユーミンが岸田繁に対し、お題を与え、そのお題・コンセプトをベースに曲を作る、という事だったそうだ。尚、ユーミンが与えたお題は、「せんたく」。これを持って、岸田繁は「せんたく→洗濯→シャツを洗えば」という事に至ったのだが、どうやら、ユーミンが伝えたと思っていた「せんたく」は「洗濯」ではなく、「選択」だったらしい。
ケツメイシ(日本)
個人的には思い入れは特に無いのだが、友達のヨウヘイがよく聴いていたグループ。恐らく、2000年代半ば頃だったと思われる。
コブクロ(日本)
個人的には思い入れがあるグループでは無いのだが、この曲は憶えている。尚、コブクロの曲の大半を作詞作曲している、(コブクロにおけるギタリストの)小渕氏は小学校5年生の時、奥田民生に憧れギターを始めた、との事である。