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今、ふたたびの清里へ
北杜市に引っ越した友人を訪ねて
船橋市に住んでいた友人のT子が山梨県の北杜市に引っ越した。
夫が定年退職したのを機に船橋のマンションを売却して、その資金で過去にペンションとして営業していた建物を購入。自分たちの手で二世代住宅にリフォームして娘夫婦と住むのだという。娘夫婦は現役で働いているが、基本はリモートワークで出社が月に2、3日なので北杜市在住でも問題はないそうだ。なんとも豪勢な話だと感心したら、北杜市のペンションならば船橋のマンションを売却したお金でお釣りがくるらしい。
1年がかりのリフォームが完成したということで、早速友だち2人を誘って遊びに行ってみることにした。
この既視感はいったい?
初めて訪れた北杜市。T子の家はさすがに元ペンションだけあって部屋数が多い。しかも24時間循環の岩風呂まである。2世代それぞれの居住スペースを確保しても、まだ部屋が余っているということで私たち3人は一人一部屋を使わせてもらった。
一旦荷物を置いてから、「すぐ近くに眺めのいいカフェがあるからランチに行こう」と高原のカフェにやってきて妙な既視感におそわれた。前世だろうか、テラスから遠くに富士山を望むその光景をいつだかわからない遠い昔、絶対に見たことがあるのだ。
「今、私、デジャブが起きてる」
それをT子に言ったら、「ここ清里だから、私たち世代なら来たことがあるはずよ。今いるカフェは清泉寮よ、覚えてない? 北杜市は平成の大合併で新しくできた市で、清里とか白洲とか小渕沢とか、八ヶ岳のあたりまで全部ひっくるめて北杜市になったのよ」と教えてくれた。
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清里…なんと甘酸っぱい響きだろう
清里…その言葉を聞いたとたん、まるで『オペラ座の怪人』のオープニングのように、はるか昔の甘美な記憶が色鮮やかに蘇ってきた。そう、清里は1970年代から1980年代にかけて『an・an』『non-no』に代表される女性誌が頻繁に取り上げられ、アンノン族が大挙して押し寄せるという「清里ブーム」に沸いた。そのブームは1990年代初頭のバブル崩壊まで続き、清里は「高原の原宿」とも呼ばれ、街には押し寄せる観光客目当てのペンションやタレントショップが乱立した。特徴的なのは建物で、どれも妙にファンタジックな外観なのだ。かくゆう私も清里ブームに巻き込まれた一人で、当時最先端だったピンクハウスは買えなかったが、中野のブロードウェイで購入したピンクハウス風のガーリーな服を来て、髪はソバージュを三つ編みでまとめて、ソフトクリームを食べながら高原を闊歩した。宿泊したペンションはといえば、赤毛のアンを彷彿とさせるメルヘンチックな建物で、宿泊客が感想などを記入する「思い出ノート」にポエムのような文章を書いたものだ。
高原の原宿だけあってカップルが多いと思いきいや、圧倒的に女性グループが多かったのも不思議だ。あの頃、カップルはいったいどこに出掛けていたのであろうか? 当時、女の子グループで複数回清里を訪れた私は、今回もまた熟女グループで清里に訪れている、それもまた実に感慨深い話である。
大人が愉しめる高原のリゾートに
なぜ私がT子に教えてもらうまで、ここが清里だと気づかなかったといえば、街一帯がきれいに整っていて、そこそこ人出もあって賑わっていたからだ。バブル以降は人々に忘れ去られ、並んでいた店はこぞって廃墟となり、すっかりゴーストタウンになったと聞いていた。えらくさびれて荒れ果てた街の写真を見た気もする。しかしこうして実際に来てみると、令和の清里は決して廃れてはいなかった。混雑こそしていないが、いわば普通の人気観光地といった趣で、ほどよくいい感じに人がいる。しかもあちらこちらに、地域を盛り上げようという地元の人々の愛があふれて、街中にポジティブなエネルギーが充満しているではないか。あの頃もあったミルクポットや清泉寮をずっと守ってきた方々には頭が下がるし、萌木の村や八ケ岳倶楽部といった大人の女性も満足できるコンテンツが豊富なのも嬉しい。
清里は、今ふたたび行ってみて損はない高原の観光地だ。
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