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第2章

そう、それは「テッテレー!」と何か大成功した音が鳴り響く勢いだった。 床に丸い切れ込みが入り、そこが開いて大きな穴ができたのだ。 穴から立て札を持った人が出てくることは無かったが... 今までドロップキックかましても、何をしても動くことが無かった 居住スペースで動きがあった。これは大きな進展だった。 この穴は、ぼくが通れるくらいの大きさだ。 まずは穴を覗く。 「もしかすると穴の向かい側から何かが飛んでくるかも慎重に覗こう。」 恐る恐る覗く。特に何も飛んでこない。 穴

    • 第1章

      「今日はArizona Primeで何みよっかな〜、、やっぱ海外ドラマの続きかな」 もうとっくに日は落ち、夜が更けるこの時間に隣の部屋に帰ってくるこの男は毎日同じセリフを言っている。 Arizona Primeとはなんだ? こんな風に外の世界の情報を少しずつ仕入れている気になっているが、この16日間、本質的なことは何もわからない。 「「公園」があったということは「自然」があるのか?」 そればかりが気になっているのに、それを教えてくれるものはここには何もない。 「1

      • 第0章

        「よっしゃ!今日も筋肉キレているぅ!」 きっとまだ朝日が出ていないだろう時間。 いつもこの時間に このとんでもない筋肉バカな音で、 目が覚めている。 おかげで少し筋肉に興味を 持ち始めたくらいだ。 「筋肉がキレる」って どういうことだろう。みたいな。 まあ、それは関係ない話で。 ”いつも目が覚める”と言ったけど この場所に来たのは16日前のこと。 この16日間、 筋肉バカな音が聞こえるこの場所、 ぼくが住んでいる場所を ぼくは「居住スペース」と呼んでいる。 こ